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───……コンラート、
マレンマが、繭から。
[纏まらないままにコンラートへと通信を飛ばす]
生きていた、いや、生き返った?
奴らは天の奇跡と言っていた。
けど、あれは本当に ────……?
[マレンマなのか、と。
言葉は途切れたままに疑問の形を為す]
大将、ダーフィトは、無事です。くっそ元気すぎ…え?
[ とりあえず案じているだろうマチスに報告しようとして、向こうからの通信に息を呑む ]
マーレが?
[ 願っていた、信じてもいた、だが、現実となると、それは信じがたいという感覚を何故か呼び起こす ]
大将…
[ 何があったのか、と聞こうとしてやめる ]
今、後を追ってます。
[ 代わりに伝えたのは、すぐに傍に行く、という意思ひとつ ]
……、ぁぁ……
[向けられる意思に辛うじて掠れた声を返す。
あまりに掠れて本当に相手に届いたかも分からない。
堪えに堪えている声]
[時間を置けば、少しは平静も戻って来る。
クレメンスの死と向き合ったのがその効果を生んだのかもしれない]
………すまん、ちゃんと返せなくて。
まだ向かってる途中か?
伝えなきゃならないことがある。
[飛行中であるならば、後の方が良いかと問いを投げた。
先の返答からはいくらか時間が経っているため、例の天使と遭遇している最中かもしれないが*]
まだ、少しかかりそうです。
[ 告死天使の気配を探りながら、通信を返す ]
出来るだけ急ぎますから…待っててください。
[ すぐに通信で伝えてこないということは、それだけ重大なことなのだろうとは予測がついた。そしてマチスの声音から、それが彼に大きな衝撃を与えていることも ]
……そうか、分かった。
気を付けてな。
[まだ少しかかると言われ、何かあったのだろう、と推測が巡る。
天使に襲われているのでは、と考えてしまうのは、クレメンスのことがあったため。
それでも、必ず戻って来ると信じ、声を返す*]
俺に、本気で「気をつけろ」なんて言うのは、あんたくらいのもんです…よ!
[ 急旋回の最中に返す声は微妙に途切れ、それからしばし、通信機は沈黙する ]
[通信機から返る声に、ほんの少し笑う声が返った。
相手の声が途切れるなら、あちらから声がかかるまで通信は控える。
微妙に途切れた声、必死に戦闘機を繰っているだろうことは推測出来た]
(無事に戻って来て欲しいから言うんじゃないか)
[言葉にすることで意識に宿ることだってある。
『天使憑き』だからと言って、その意識を蔑ろにして良いとは思っていなかった。
故にマチスはコンラートにも案ずる声を向け続ける*]
― 初対面の時 ―
うちゅう?
[ 何の寝言だ?と、正直思った。大気の壁を超え、空の更に高み、星の外を目指すなど、夢物語ですら聞いたことがない。
けれど、目の前の男は、それを理論的には可能だと、手の届く夢なのだと力説する ]
その、お話はわかりますがプロッツェ少佐…俺は戦闘機乗りで、飛空艦の専門家じゃありませんし。
[ 無理だろうと、言ってみたが、飛空艦と宇宙船は違うのだと、また力説された ]
はあ…大気を突っ切るために戦闘機並みのスピードが必要なんですか。え?戦闘機以上?
そりゃ、確かに並みのパイロットじゃ無理かもしれないです、ね…
[ きちんと了承した覚えは無いのだが、気づいたら、笑顔でよろしく、と言われていた。
それに、結局反駁しなかったのは、マチスの熱にコンラート自身も、既に心奪われていたからだ ]
大将、次はうまくいきますって。だから唸ってないで、飯付き合ってください。
[ 試作機が完成するまでの間、問題は何度も起こり、その都度、改良に頭を絞るマチスは、本当に寝食を忘れる事が多々あって、彼の健康を気遣い、少々口うるさいほど構いつけるのも、既にコンラートにとって常態となっていた ]
『いっそ少佐の嫁にでもなれば?』
[ そんなからかいを口にした同僚は、丁重に床に沈めてやったものだが ]
(絶対に、何かあった)
[ ただ事ではなかったマチスの声は、告死天使との死闘の中でも、コンラートの胸に沈んでいる。あれは、何か大きなものを失った人の声だと。
だから戻らなければならない。
そう、約束したのだから。
それだけが、今、コンラートの意識を繋ぎ止める楔となっている** ]
― 初対面の時 ―
そう、宇宙。
[繰り返される言葉に、笑みを浮かべてもう一度告げる。
前人未到の計画、立案の当初は皆懐疑的な反応ばかりだった。
パイロットの話を持ちかけたコンラートもその一人]
今の技術なら可能なんだ。
積み込むエンジンや燃料の関係上、船体は大きくなってしまうが重量は軽量化の魔法で調整出来るし、エンジンの出力も魔法で強化出来る。
[細々と理論を語ろうとしたら、飛空艦の専門家じゃないと言われた。
どうやらまだ勘違いがあるよう]
飛空艦と宇宙船は全く違うものだぜ。
確かに戦闘機と比べてどちらも大きな船体だが、エンジンの出力が先ず違う。
飛空艦は重力以上の揚力を生む分の出力があれば良いが、宇宙船は重力に加えて大気の層を突破するための出力が要る。
それを行うと戦闘機以上のスピードを出す必要があってな。
腕の良い戦闘機パイロットじゃないと舵取りすら難しいと考えられるんだ。
[語れば語るほど熱を帯びる宇宙船への想い。
そう言う理由でコンラートにパイロットとして推薦したい、と語っていたら、同意めいた言葉が返ってきた。
コンラートが良いと思った理由は納得してくれたものと判断し、満面の笑みでよろしく、と言ったのだった]
[コンラートとはそれからの付き合い。
なかなか開発が進まない時、のめり込んで図面と顔を付き合わせていると、決まってコンラートが飯の誘いをかけてきた]
あとちょっと…ここなんだよ、これをどうにかすれば……
…あぁ、分かったって。行くよ、行く!
[なかなか動かないマチスに根気良く声をかけるコンラートに根負けして、共に飯に行くのが毎度のことになっていた。
それが良い気分転換になり、開発が進んだこともしばしばある]
宇宙には色んな可能性があると思うんだよ。
[ある時、マチスはコンラートに語ったことがある]
だってまだ誰も見たことがないだろう?
何があるか分からないんだ。
実は何もないのかもしれない。
でも何かあるかもしれない。
俺達みたいな人類がいるかもしれない。
見たこともない物があるかもしれない。
俺は、たくさんあるだろう可能性をこの目で見てみたい。
存在する理由とか、どんな文化があるのかとか。
この目で見て、理解したいんだ。
[まだ見ぬ宇宙、未知への探究心。
抱く夢は宇宙のように広かった*]
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