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メッセージが、あって、…どうしたらいいのか、わからなくて、……そんなとき、ジークの歌が、聞こえて。
本当にすまない…。
[やってしまった、と、両目を片腕で隠して、震える声で呟いた]
[まだ状況把握できていない兎は
とりあえず、困惑気味の彼の頭部をなでた]
…とりあえず明日、な。
イェンスめっちゃ疲れてるっぽに見えるし。
おやすみ…な?
[撫でられてピクリと耳を揺らした。
そうして、疲れているように見えるとの言葉に、はは、と乾いた笑いを零してベッドへ顔をうずめた]
そうかも、知れない。
今日はもう、寝ることにする。
きっと起きたら戻ってる、筈だ…。
おやすみ。
[喉奥を過ぎた薬品が、体内を巡る。
同時に、無でしかなかった男の表情に
新たな仮面が具現化された。
誰かを愛する命運を持ったはずの仮面は、
第三者の手によりひび割れて、「狼獣人側の人間」へと変化するが
『あなたは 迷子の商人 イェンス と愛し合っています。』
薬効はじわり、身心の奥深くへと浸透し、剥がれ落ちることは無かった――*]
[なんとなく、彼の行動が見えてしまう。
何をあんなに焦燥に駆られているのか、
謝罪の想いを背負っているのか。
覗き見る男は、くすくすと笑いながら彼を眺めていた]
――ね、イェンス。
状況を、もう一度確認してごらん。
君は、ローゼンさんからどんな配役を割り当てられて
どんな心境で… 俺へ、薬を飲ませたの?
ねえ、あの薬を飲んだ俺は、……どうなってしまうと思う?
[実際、(表で)口に出したら駄目だよ、
と唇へ指を立てて内緒、の仕草を送る]
[笑い声が聞こえて振り返る。
逢いたいと思っていた相手がそこに見えた。
言いたいことは色々あったはずなのに、いざ目の前にすると、頭が真っ白になった。
そんなとき、ジークの問いが聞こえて。
ローゼンさんから、俺が割り当てられたのは
どんな心境で、ジークに薬を飲ませたのか
──あの薬を飲んだジークが、どうなって、しまうの、か。
息がし辛かった。震えそうになる声を必死で抑えて、口を開く]
俺が、ローゼンさんに割り当てられたのは、絆を結んで、運命を変質させる…そんな役だ。
運命なんて、そんな大事なものを俺が勝手に変えてしまって良いのか、俺はとても悩んだ。
ジークが飲んだ薬、あれは婆さんが作った魔法薬で、飲ませた相手に恋をする、らしい。
詳しいことは俺も知らない、知らないけど、どうしたら効果が切れるのか、婆さんなら知ってる筈だから、この船旅が終わったらすぐに聞くから、だから…──
[ヒュッと息を吸い込んで、ジークを見上げる]
今だけで良いから…、俺を好きで居て欲しい……っ!
ジークの声を、もっと、近くで聞いて居たいと思ってしまったんだ……。
[懺悔にも似た、懇願するような声だった]
[茶化すように、揶揄するように笑い零していた男の表情が緩やかに変化した。
彼に与えられたカードの重さと、彼の生真面目さのギャップこそ
ローゼンハイムが見たかった、或いは見せたかったものなのかもしれない。
ただ静かに彼の告白を受け止め、
懇願するような、恋するような眼差しをじっと見つめ
頬から顎先のラインを包み込むように触れて、少しばかり上向かせた]
――そんな事で悩んでたんだ。
イェンスはほんと、…真面目だなあ…、
[薄く口角を歪ませ、彼の唇へくちづけた。
薄く首を傾け深く重ね、舌先を捻り込ませるやり方で
――液体を飲ませる時よりもずっと、性的興奮を煽るくちづけで
柔らかな彼の口腔を貪り、小さく音を立てて重なりを解く]
俺は、今は別の配役に囚われているけれど、
君の命運を模倣したんだ。
それってどういう事なのか、解る?
[尤も自分の場合、彼が一番近くに居たから咄嗟に、とか
そんな失礼な理由だったかもしれないけれど。
彼の、濡れた唇を親指の腹でそっとなぞり]
君と、同じ気持ちに焦がれてる、ってことだよ。
少なくとも、――…今はね。
そ、──っ!
[そんな事じゃない、そんな軽いものじゃない、と否定の言葉はふいに重なったジークの唇に飲み込まれて。
一体何が起きたのかを理解する前に、柔らかくあたたかい何かが唇を割って侵入する。
驚き身体が跳ねて、思わず綴るように服を掴んだ。
口内を荒らしている物がジークの舌だと、混乱する頭で理解すると何かがぞくりと込み上げて来て。
目を閉じて舌の感覚に集中すると、喉の奥に留まるような、そんな声にならない声が時折漏れた。
そうして、暫くたって離れていった唇に少しの寂しさを感じつつ。ゆっくりと目を開けて、口の中に残るどちらの物とも分からない唾液をゴクリと飲み込む]
[酔ったような、はっきりしない頭で状況を整理しようとしているときに、聞こえたジークの言葉に目を見開いた]
なっ、え…!?
[ジークが自分を選んでくれていたという事実に、期待するように胸が高鳴った。
──そういう意味では無いかもしれない、と自戒しながら。
それでも今は、同じ気持ちなんだと思うと、思わず涙がひと粒こぼれ落ちた]
ありがとう、ジーク…。
[罪悪感を心の奥へしまい込んで。せめて今だけは夢を見させて欲しいから、こぼれ落ちた涙は嬉しさからだと自分に言い聞かせて誤魔化すように抱き付いた]
泣かないの。
あんまり可愛い反応見せると、……我慢出来なくなるから。
[ぽろり、頬を滑る涙の美しさに吸い寄せられるよう
此方からも彼の躯を抱き締め、涙の痕を、そして
濡れた睫毛を舌先でちろりと舐めた]
隠しておくのも厭だから、言っておくけれど
僕の天使の仮面は"狼獣人につき従うもの"に
"背信者"へと塗りかえられてる。
意識共有を他にもしている人、居るんだ。
――一応、伝えておくね。
[背中へ回された腕の温もりに幸せを感じていると、睫毛を舐められて、ふいの慣れない感触に思わず
う、と小さな声が漏れた。
泣くつもりはなかったし、…我慢はしなくていい、と言いかけて言葉を飲み込む。
──ジークが正気に戻ったとき、思い出して不快に思うんじゃないか。
そんなことが頭を過ぎった。
キスの時点でアウトかもしれないけれど、戯れで済む程度でいようと、そう考えて]
べ、つに泣くつもりはなかったし、俺は可愛くないぞ…。
[本心を隠すように俯いて、頭をこすりつけながらそう言った。
そのままの体制でジークの自分は背信者だという告白を聞いて、案外律儀な人だなぁと少し笑いが込み上げた]
はは、人の事を真面目だなんだと言うが、ジークこそ隠し事が嫌だなんて、真面目じゃないか。
は、ふふ。
ああ、そうだ、気付いてるとは思うが俺には此処以外何もないと伝えておこう。
今の俺はもう、ジークと絆があるだけの只の人だ。
[小さく漏れた呻きは何処と無く、嫌悪を孕んでいるように聞こえてしまい。
彼の顔を、斜めに覗き込み、耳はへにゃりと力なく垂れた]
ごめん、……気持ち悪い?
男を薬の力で好きになる、なんて…
真面目なイェンス君にはハードル高いのかな、なんて。
ちょっと俺、心配だったりする。
[不快に思うのはイェンスの方かも、なんて
少しばかり不安を抱いてしまい、過度な接触を控えようとするのだけれど、「俺は可愛くない」なんて可愛い言葉を呟くものだからつい、
その唇へ、稚拙な音を立てて触れるだけのキスを落としてしまうのは、
――彼の可愛さの所為だと思う]
真面目…、そうかな。
真面目な人は、もう少し自制心あると思うけどね。
[「何もない」彼のその言葉に安堵する心が在った。
尤も、彼が如何なる絆を持とうとも、この想いを消す事など出来ず]
……"絆があるだけの只の人"?
俺の恋人じゃ、……ないの?
[首を傾け、上目遣いに彼を見遣り]
[不安そうに覗き込むジークに、うっ、と声が詰まり]
……き、気持ち悪いなんて!思う訳ないだろ馬鹿っ!!
[思わず、本音が爆発した]
そもそも!その薬を無理やりジークに飲ませたのは俺だ!原因は全部っ、俺で!
だからっ、ジークがそんな心配する理由なんて、ないだろう!心配なのは、俺の方だ…!
今は気持ち悪くなくても、きっと後で後悔、するんだぞ…。
[耳をピンと立てて怒鳴るような勢いで言葉を口にしていた。
段々冷静になって、声は小さく、耳も下がっていくけれど、言い切るまでは止まらず。ああまたやってしまった、と落ち込んだ]
[子どものようなキスが振ってきて、それがまるで、愛おしげなキスに感じてしまって、先程の深いモノより恥ずかしく思えた。
もうどんな顔をすればいいのか分からなくなって、ただただ頬を赤く染めてジークの顔を睨み付けた]
真面目な人は自制心がある、なら、俺も真面目じゃないぞ。
あの行動も、今も、まるで自制心なんか無いじゃないか。
[自分よりもデカい男が、上目遣いで此方を見ている。
この人は、どれだけ俺の心を揺さぶる気なんだろう。頭を抱えたくなるが、それを耐えて]
こ、恋人、だ…!ジークの…!
[搾り出すような声でそう言った]
[ぴょこん。
白垂れ耳が持ち上がり、声を荒げる彼をじっと見遣る。
これが彼の、ひた隠されていた本音、なのだろう。
ぶちまけられた心境が、酷く心地良くて双眸を緩ませた]
だって、……君はローゼンさんに貰った命運通り
誰かを選ばないといけなくて、
……たまたま俺に白羽の矢が立ったんだろう?
きっと君の気持ちこそ、…薬効が切れたら
初雪のように跡形もなく溶けてしまうんだ……、
[落ち込む彼の言葉と共に、男の声音も酷く、沈んだ一瞬。
「自分も自制心なんてない」という彼の言葉に
……今、自分が抱いている欲望を"赦されている"のだ、なんて
勘違いしてしまう自分を、どうか許して欲しい。
挑むように此方を睨む彼の手首を掴み]
――そう、俺はイェンスの恋人。
好きだよ、……この気持ちは、きっと…
[『嘘じゃない』彼の耳許へ告げた言葉は願いにも似て。
そのまま彼を床へと縫い止め、喰らい付くような口付けを
耳朶へ、唇へ、首筋へと落としながら。
桜色の霞のかかる共有意識のその奥で、彼の躯から
衣服を剥ぎ取るように脱がしていこうとするだろう]
[彼は、抵抗しただろうか?
仄かな抵抗すら腕の中へと抱き、くちづけで躯の緊張を解きつつ
チャイナ服を肌蹴させ、ボトムスを下着ごと引きおろし]
……怖い? 慣れてなさそうだよね、イェンス。
大丈夫、一緒に……、
[『気持ちよくなろう?』なんて、胸の尖りを甘く食んで
彼を快楽へ、より深い快感への好奇心で甘く誘う。
桜色の意識が途切れるその時まで……
執拗な愛撫で、彼の肌へ己の熱を*刻み込むだろう*]
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