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――――そう、
―――いろんなことをおしゃべりしたわね
――ジルの話を聞くのは、とっても楽しかった
――お家のことや、いたずらのこと
お父様ったら、すぐに怒るのだから!
[子を思う親の心は、今は遠い記憶の輪の外]
私、家族になるロミオには
悪戯に笑って引っ掛かってくれる方が良いわ
ねえ?
でも、
──ガミガミ怒られているベルなら、
ちょっぴり見てみたいわね?
[シュンとしてしまうのかしら]
[誰がベルを叱るのかしら?]
―――うふふ、そういうものよ
―――どうかしら
―――もしかしたら、ジルのロミオは
――ジルよりももっといたずら好きかもしれないわ!
―――まあ、いじわる。
―――わたしもよく、怒られたのよ
――兄様に。
――いまもどこかで、カンカンかもしれないわ
――あそんでばかり!って
まあ、では私もうんと悪戯されてしまうかしら!
[楽しみね][笑う声は、濃くなり薄くなり]
……ベル、あのね私…
[言いさして、頬へ両手を当てた]
ううん。
――ふふ。
―――だってジルが好きになる人だもの
――とっても面白くて、すてきな悪戯に違いないわ
―――…?
―――ねぇ、ジル――ロミオは現れそう?
[聞いてみたり]
………
ベル あの、ね?
突飛なこと
[驚いて?]
──私、恋をしてしまったかも知れないわ!
[楽しい話題だけ][楽しい気持ちだけ]
まだ不思議で、わからないの。だからひみつよ
[そして彼女の告白に、瞬いて]
――――それは素敵!
―――ええ、ひみつ
――だあれにも、言わないわ
――ふふ…
――わたしも、とても楽しいわ!
あら──どなたかしら
遠い親戚の方、だったりして
なんだか縁を感じるわね?
[ベルの兄さまに逢ったことはないけれど]
[想像してみる]
[本の虫][遊んでばかりいるなって……厳しくて?][でもベルのお兄さんなら優しいのじゃないかしら]
…ひみつよ、だって
もしかして私、舞い上がってるだけかも知れないもの
落ち着け落ち着けって心で唱えてるのよ!
[本当に恥ずかしそうで][弾む声]
──初めてお会いした時、あ、って思ったの
なんとも言えない…きもち
そうしたらもう、その方の仕草も言葉も
なんだか全部特別なものに思えてしまうでしょう?
[だめだめ。平常心よジル!][ぐ、と拳をにぎった]
――親戚!
――考えても見なかったわ。
――あとで聞いてみましょう…本屋さんのことよ
――兄様はね――
――ときどき、わたしには、少し意地悪だったわ
[くすりと苦笑]
――…ふふふ、恋ってきっと
――そういうものなんだわ
――走り出したら、自分で止められないの
――坂道みたいね?
―――そう、全部特別に思えるのね
――挨拶ひとつで、ふわふわするの
[ジルの面映い様子につられて、赤くなる]
本屋さん…?
[そうなの、と応える声は曖昧]
[もう薄れかけた顔、ベルを追いかけて行かれたあの方かしら]
意地悪は、気を許している家族だからよね
心の距離が近いんだわ、きっと
[元気付けるような][私は一人っ子だからそれでも羨ましい、と]
そうよ、ふわふわして
ぼーっとするのに…不安?
だって。なんだか──とても大人で、不思議な方なんだもの
[それこそ妹みたいに思われてるだけなのじゃない、って]
は、はしゃいじゃったりしたくないの!子供みたいでしょ?
へいじょーしんよ、へいじょーしん!
[パタパタと頬を叩いた]
―――まあ、そうなのかしら
[心の距離と言われて]
[そうだったかしら?なんて思う]
――私からは仕返しがなかなか出来なかったのよ
―――いつか仕返ししてやるんだわって思っていたら
―――兄様はお嫁さんを連れていなくなってしまったの
――もし次に会えたら
―――ジルに教えてもらった悪戯を、きっとためすのね
――ジルったら、かわいい!
―――だいじょうぶ、大丈夫よ
[動揺している彼女はとても愛らしい]
――だってジルのロミオなら
―――悪戯の天才かもしれないじゃない?
―――それなら、はしゃいだって、喜んでくれるわ
し、しあわせにって!
まだべつにそんな、そんなのじゃ…やだ、ベル!
[もーやめてよ!と心の中で訴えた]
頑張るって言っても、こ、心の準備とか!
それにその、相手にも都合とか……っ
……
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