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お前は、俺がしっかりしないのを、
望む立場じゃないか?
[この状況で、その言葉を返すリエヴルに、
忍び笑いを漏らす]
返せといえないのはわかっている。
次に逢った時に、そんな悠長な会話をしているとも思えないしな。
[どうにかしてこの会話で一線を引いて、
金輪際使わないでいたほうがお互いの身のためだと思っていた
だが、通信機から鼻を啜るような音が聞こえると]
お前……。
泣いてる、のか?
[心配そうな声をあげてしまった**]
……俺にとっては、貴方は
今だってあこがれの人なんです。
[トールの言葉>>@15に、むぅ……と拗ねたように呟く。
が、次に逢った時と聞けば、どこか寂しげに息を吐いた。]
[だが、トールの心配そうな声を聞けば>>@16
複雑な感情が、揺れに揺らぎまくっていた。
いつものように、そんなことはないと見栄を張るべきなのだろうが。
こんなことしておいて、泣くなと言う方が無理だと言いたい気持ちもある。
増してや、指輪まで贈られて。
その上で、敵同士なのだからと言われては、一体自分はどうしたらいいのか。]
[通信の先で、彼がどんな顔をして
口にしないどんな思いを抱えているのかはわからない
ただ拗ねたような声は、変わらず可愛いと思ってしまう]
[なぜ、あんなことを言ってしまったのだろう。
やはり、未だ彼に対しての想いは、断ち切ることが出来ていない。
胸がズキリと痛む。
自分は、何を求めているのか。
どうしたらいいのか。
答えを求めるように、ローズクォーツの光を見つめていれば。]
[それっきり、声をかけることもせず。
ただひたすらに、声を押し殺し。
止むことのない涙を、拭い続けていた――…。]
[いや、現に全て消えてしまっていたのかもしれない。
自らを慈しんでくれた養父母を失い。
大事な一時を過ごした学舎は既に戦火に焼かれ。
そして、5年の間思い続けていた人の心も、もう――…。]
[ぼんやりと、目の前の地図に目を向ける。
それまで抱いていた苦しみも、葛藤も。
全てを忘れてしまったかのように。
ただ、機械的に侵攻の為の策を考え、検討を重ねていくのだった。]
――同室になった頃のこと――
[初めての敗北から暫く経った後のこと。
その頃にはもう何度もトールという人物を観察していたから、彼に対しての怒りは幾分薄れていた。
だが、それでも受けた屈辱は消えはしない。
次に手合わせをする時には、負けはしないと。
じっと、彼を見続けていた。]
[が、そんな相手と同室になるとあれば、戸惑いが浮かぶ。
元より性格に難があり、それまでは同室者もないままに一人で部屋を使っていたのだ。
だが、新たに人が来たことで、そうも言ってられなくなった。
という訳で、トールの元へと損な役回り(という第三者視点)が押しつけられたのだが。]
………………よろしく、お願い、します。
[纏めた荷と共にトールの部屋を訪れた時。
顔を赤らめながらも、どこか仏頂面でふて腐れたように挨拶したのだった。]
[リエヴルにとっては、屈辱を受けた相手であり、かつ盛大にくってかかった相手でもある。
その後に相手が好ましい人物と知ったとはいえ、すぐに素直になれる訳もなく。
幾分斜に構えた態度をとり続けるのだが。
それでも、己を負かすほどの腕の持ち主であること。
そして、その人柄を知ってしまったが故に。
トールへの態度は、どこか他の者に対するのとは違っていて。
彼をもっと見ていたいと、自然、その姿を目で追うのだった。]
― 同室になった頃のこと ―
[同居人が卒業して一人で部屋を使っていたある日のこと。
下級生がその空いた場所にやってくると寮監から話があった]
あああああーーーーーー!
リエヴル・フェルセンってあの有名人の!
ん?ええ、いいですよ?
俺、あいつのこと結構気に入ってるし!
[そんなこんなでリエヴルを受け入れることになった]
よろしくな!
えーっと、俺の名前はトール・ベルゲルード。
って覚えてるよな?
前、学年合同練習の時に手合わせしたの。
[リエヴルはどことなく不貞腐れた顔だったが、
当時は元々そんな顔のヤツなんだろうと思っていたので、
それを気に止めてもいなかった]
俺、あの時すっげえ楽しかったからさ。
お前と一緒の部屋になるの、わくわくしてるんだ!
[一気に捲し立てると手を差し出して握手を求めた]
――同室になった頃のこと――
ど、どうも……。
[元気な挨拶が返ってくれば>>@37
複雑な表情で応えてしまう。
なんでこんなに嬉しそうなんだろう。
自分と同室なんて、貧乏くじを押しつけられたようなものなのに。
が、予想外の言葉が聞こえれば、むしろ驚いて面食らうのだった。]
わくわく……?
え、俺と同室になることが……?
[何を言ってるんだ、この人は……と、まじまじ相手の顔を見つめてしまった。]
[今まで出会った上級生といえば、生意気だと言われたり、どん引きしてたり。
そんな相手ばかりだった。
喧嘩を売られれば、力ずくでねじ伏せ。
相手が避けるようになれば、ふふんと鼻で笑いながらその横を優雅に通り過ぎる。
そんなやり取りが日常だったというのに。
こんな風に喜ばれ、そして手まで差し出されると、どう反応していいのかわからなくなる。]
………………こ、こちらこそ。
あの時は、どうも……。
[ありがとうございました、と言うのも癪で。
でも、それ以外にどう言ったらいいのか。
結局、言葉を濁してしまった。]
[少しだけ悔しさが滲みはしたが。
この人はこういう人なんだろうな、とか。
悪気なんてのは欠片も見られないな、とか。
それより、なんで俺と同室になってこんなに嬉しそうにしているんだろう、とか。
そんな想いが色々と浮かんで。]
……………………。
[少しだけ、表情が綻んだ。]
[リエヴルが部屋に持ち込んだ手荷物は、大半が本でしめられていた。
壁際に本棚を置き、そこに戦術書や歴史書、学術書が並ぶ。
なるほど、彼の得意がよくわかる状況であった。
そして、何よりも紅茶である。
共に過ごす部屋は、小難しい本に囲まれながらも
ほんのり優しい紅茶の香りが漂うこととなった。]
[握り返した手の温かさは、今も忘れることはない。
誰かにそんな風に求められることも、受け入れられることも。
養父母以外では、初めてのことだった。]
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