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んー?なんか悪い事言ってたか?
[伝わる声にはけらりと笑った。]
もっと泣き言ってれば良かったのに。
の方が、後で指差して笑ってやれたのにさ。
今がわりと大変できっつくて、
あーこりゃ駄目だ死にてーって思ってても、
時間が経てば案外楽になるもんだ。
いつか全部、酒でも飲みながら笑い話にすればいい。
そうするためにも今は――もう少しやる事やんねーとな。
……ん。
そいつはいいな。
じゃあ、将来の美味い酒のために、
もうひと頑張りするか。
[友の心遣いに、笑みを浮かべた。]
よう元気?
こっちはお日柄もいい中交戦開始だ。
王府はこっちより数千多いくらい。
場合によっちゃ、仮砦放棄して逃げるかも。
[戦闘開始報告にしては軽いがある意味いつも通りだった。]
おう。
[こちらも軽い調子で返すも、開戦の報には少し息を呑んだ]
…こっちもそろそろ出るから、
その、なんだ。よろしくやっておいてくれよ。
逃げるんなら、どこかで落ち合おうぜ。
おー、巫女姫出てきてるっぽいからよろしくやってくるわ。
しかしはねっ返りな巫女姫だなー…。
そういや前にシュビトで身分隠して勉強に来てたんだっけ。
[ちらっとそんな話をしたことを思い出して。]
逃げるなら…そうだな、位置考えたらアレイゼル領か。
ソマリがオプティモに出てるんだったら、人減ってるだろうし丁度いい。
[従兄弟にはいい迷惑だろうがこの際おいておく。]
は?
巫女姫が出てる?
そいつはまた、驚いたもんだな。
[まさかまた親征とは、と舌を巻きつつ]
そうそう。
一緒に講義とかも受けたな。
あー、言われてみれば、
あの時から気が強い女だったよ。
[納得、と溜息をついた。]
アレイゼル領か。わかった。
どうにか合流の手筈は考えるけど、
まずは間に合わせる方だな。
[持ちこたえてくれよ、などとは言葉にしなかった。]
おかげで向こうの士気は上々すぎるくらいだ。
人数もけっこういるな、1万くらいか。
[溜息には呆れが多いが、若干の焦りもある。
持ちこたえられるか怪しくなっていた。]
気が強いもあるが…
お前に執着してんのかもな。
何となく、だけど。
そんな感じがする。
[声を聴いて、すぐには返事が出なかった。
巫女姫親征の、数で勝る相手となるとそれは厳しいだろう。]
…ん。
無理だと思ったら早目に下がっていいからな。
……?
俺に、執着? 巫女姫がか?
[あっけにとられたという感で、声が途切れる。]
[それから暫くの間、呼びかけられたとしても無言だったが、ふいにまた声が落ちる。]
うん、やっぱりお前に執着してると思うぜ。
今お前宛のすげーラブコールも届いたし。
[とは楽しげに。
たった今死出の道を歩き出したとは思えないほどいつも通りだった。]
ああ、構わないさ。
予定の変更はよくあることだろ。
人生、うまくいくばかりじゃつまらない、って。
[軽口を叩いてみるが、いつもより早口だったかもれしない。]
…無事に戻れよ。
[言わなくてもいいひとことまで付け加えてしまった。]
…………。
……………。
… ガート、
[声が聞こえてこないことが気がかりで、
戦闘中なのだからと呼びかけを控え、
それでもただ待っているだけの手持無沙汰で
声を投げかけてはやめて。
それを繰り返していたころに、
何でもないような友の声が聞こえてきて]
[>>~26無事に戻れ、の返事には聞こえないふりをして答えない。
時折聞こえる呼びかけにもまた同じように答えなかったが。]
姫を守るはずの力で姫を迎え撃つとか、
ほんとご先祖への冒涜だよな
[たまに独り言のように関係のない言葉は落ちた。]
「王府を壊したいなら、正面から来る気概を見せろー」
ってわざわざ言いに来てたよ。
[だから前に出た、とは言わなかった。]
慕われてるなー羨ましい事で。
いちいちそれで怒ってたら、おまえんちのご先祖様は、今頃10回は墓の中から出て来て恨み言言ってるよ。
[聞こえてきた言葉を拾って返す。]
もうすぐ、こっちも出発できそうだ。
[だから頑張れ、と、続く言葉は出なかった。]
そーりゃ 元気だな、俺の先祖
そんだけ元気なら、……
[返る言葉に何時もの調子で、
そろそろ返せたのは途中までだった。]
ん、そか
頼んだ、多分
半分くらいは、行けてる
[いつもの声が、不意に色を変える。
ずき、とわけのわからない痛みが胸に走った。]
ガート?
なあ、ガート、
[ざらりと、ひきつるのは自分の声。]
半分、ってなんだよ。なんのことだよ。
おい、ガート、
こんなときに変な冗談やめろって。
[掠れる声の意味から、目を逸らして]
おいってば
なにやってるんだよ。
[幾度も、呼びかける。]
ばーか、んな 呼ばなくても聞こえて…
[もう半分の意味も説明できないほどに声は細かった。
それでも、最後の力を振り絞るように]
…なぁ、クロ
お前と 一緒に
それ、
見たかった …なぁ
[果たせぬ夢を、惜しむように。
最後の言葉は、ほんの少しの後悔で濡れていた**]
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