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マリエッタ……
少し前に聞いた名前だな。
[少しだけすれ違ったことを
向こうは覚えているだろうか]
ここのことかい?
ここは…………
誰かにとってここは"魔法"であり、
誰かにとってここは"仕えるべき場所"、
また誰かにとっては"探索地帯"。
そして俺にとっては………"過去"だ。
[魔法…はわからない。
仕えるべき場所…は、ベネディクトさん?
探索地帯は、リーゼ?
そんなふうに思い浮かべて。
過去。]
………――フィオンは、
生きている?
ここが、思い出の地?
それとも…―――
[続きは、さすがに、言葉にならなくて。]
……生きている、か?
難しい問いかけだな。
[少し、考え込んでから]
……何もかもさ、わからなくなった時ってあるか?
目的も何もかも見失って、自分から何も見出せなくなって、
後のことが全部無駄になるような気がして……
"今"の俺が、そうだ。
そういう時って、どうすると思う?
……終わらせようとするんだよ。全部。
無駄なことを増やさないために。
……ただ。
"今の俺"はそうだったかもしれないけど。
"過去の俺"はまだ死にきれなかった。
過去の俺は……友人たちに満ち溢れていたから。
……だから、俺は今ここにいる。
まぁ、そんなことはどうでもいいだろう。
……ああそうだ、マリエッタ。
[思い出したかのように話を変える]
……間違ってたら悪いんだけど。
君はここで、何かを探していたんじゃないか?
……ここならきっと、見つけられる。
探してみてごらん。**
[何もかも、わからくなったとき。
無駄に感じられるとき。
そう、そのときは………
自分も体験した苦い思い。
それを、思いだして。]
だから、ここが、過去。
楽しかった、過去。
………え?
[急に声音が変わり、名前を呼ばれ、ふと、さきほどキッチンで見かけた青年を思い出す。
ああ、もしかして、フィオンって……?]
ここで。
何かを。
見つけられる。
[私が探しているもの。
すぐに思い当たるのは一つ、お嬢様の絵。
もう一つは―――なりたかった、自分。
目指すべき、自分。]
……わかった、探す。
フィオンは。
ここが好き?
[最後にそんなことを。
ここにいるフィオンは、生きているのだろう、と。]
そう、過去。
今を無くした俺にとっては、唯一の存在だ。
……探してみて。
君にも、何かが見つかるとおもうから。
[自分を無くしてからたどりついたこの場所。
見つけ出した過去の自分。
ここでなら、何かを見つけ出せるかもしれない]
[どうしてそんなことを、なんて思ったりしたが]
……ああ。
大好きだ。
ここには、大切なものが多い。
……俺にとっても。
[そう、答えた]
今、ないの?
じゃあ、ここで話しているフィオンは、何――?
探し物。
あのね、私、お嬢様の面影を探しているの。
フィオンは、お嬢様、知ってる――?
[自分が見つけるのは、過去、ではなく、未来への、希望――]
そうか。
それは、よかった。
好きなものがあれば、自分を探すことはできると思うんだ――
俺は……今の俺は……
……ここにいるやつらの仲間、みたいなもの、かな。
[それが正しいのかは、よくわからない。
見失ったとかそういうのとは、おそらくまた別だ]
お嬢様……
……さっき、子供部屋にいた気がするな。
今はわからないけど。
………………え?
ポルター、ガイスト?
じゃあ、この、直接頭に響くような声は、フィオンが、ポルターガイストだから……?
さっきまで子ども部屋にいたんだけど、お嬢様に似せた人形しか見つからなかった。
どんな風貌なのか、教えてもらえないかな……?
うん、私は好きなものを好きとはっきり言えるようになって。
それで。
一歩、先に進めたから。
フィオンさんも。
[たとえ。
彼が人ならざるものであったとしても……―――]
お嬢様と会ったのは俺も昔のことだから、説明するのは難しいな。
ただ、とても美しかった……
[何かを噛みしめる]
ポルターガイスト……とは、ちょっと違うような……んー……
なんと言えばいいのか……
[少し考え込んだ様子]
たが、その後新しい遊びを思いついた子供のような明るい声で]
あ、そうだ。きっとこれだ。
ゴースト。
[きわめて楽しそうに話す]
いやでも、まだ完全にそうなったって訳じゃあないしな。
これも違うか、ううん……
[悩んでいる。しかしパズルに取り組むように、楽しそうに]
マリエッタのおかげで、俺は前に進めそうだ。
……君の"未来"も、楽しみにしてるよ。
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