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[
ここには、"過去"がある。
ここには、"自分"がいる。
自分は今、"どこ"にいるんだろう。
自分は今、"なに"があるんだろう。
何も、わからなくなっていた。
何も、わからなくなろうとしているのかもしれない。
]**
[
私は何か。
――何になりたかった、か。
何になろうとしていたか。
なれない。
なれない自分は、何なんだろう。
スケッチの間に聞こえた声に影響されて、今の自分について、考える――]
[
――声はどこから聞こえてくる?
わからない。
わからないことばかりだ。
――なろうとしたもの。
それすらも、自分のなくしたものなのか。
――自分は何なのだろう。
わからないのは、やはり自分だけではないのだろうか。
]
ねえ、だれ?
自分を見失ってるのは、だれ……?
[頭に響く、自問の声。
アイデンティティが崩れゆく。
私はだれ?
あなたはだれ?
どこ? いるの? いないの?
それさえも、幻なの?]
フィオン………
――フィオン?
[うっすらと、遠く。
でもこれまでと違って、はっきりと、言葉の輪郭が捕らえられる声で。
名前が響く。]
フィオン
あなたは、何をしているの
なんで私に、声をかけるの―――
……俺……
[声が聞こえる
気のせいではないらしい]
……わからない
何もわからない
……どうして君に届くのかも
……君の声が聞こえるのかも
……きみは?
私は、マリエッタ。
ここについさっき、立ち寄って。
絵を描いていたら、あなたの声が聞こえたのよ。
あなたが、私に、呼びかけてるんじゃないの?
この洋館は――なんなの?
[混乱しているような気もする彼に、畳みかけるように聞いてしまう。
自分だって、ここで起こる不思議な出来事に、目を回しそうなのだ――。
どこか、入ってはいけないところに、立ち入ってしまったかのよう。
それでも、この洋館は、自分を拒絶はしていない。
ここにいる自分が、何かを見つけられるのかもしれない、と――]
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