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[ ぬるり、と染み出す黒い液が足元に溜まって行く。 ]
「首魁は門の向こうでしか倒せない」
しかし、
「門を一度でも潜った者は、新たな首魁となり、戻れば世界を壊す」
この連鎖を断ち切る方法は、簡単だ。
行った「誰か」を見捨てて扉を閉じること、
「誰か」は、この世界に戻りたいなんて思わない奴を選択することだ。
……俺が行く。
お前は門を閉じろ。
もうこれ以上の時間遡行は不可能だ。
ならば、こんなクソ世界に未練などない。
[ ヤコブを振り返り、テオドールは不意に顔をこわばらせた。 ]
言ったけど……
それはヤコブの役目だろ……!
[そう叫んだところで、それが叶うことがないのは理解していた。
二人で握っている"鍵"には封印を施されたように金の鎖が巻き付いていた。
もう"使用期限"が過ぎてしまっている。
直感としか言えなかった]
[ 本当に変わるべきだったのは、テオドールだったのかもしれない。
「門の向こうでなら倒せるかもしれない」
……それを思いながらも、「時間遡行」を言い訳に、最後の最後で踏みきれなかった。
これが失敗しても、時間を戻ればやり直せる。
だから……危険は冒せないと、そう誤魔化して。 ]
……「不滅」が完成していたら、
こうは思いきれなかっただろうな。
[ ならば、それもまた、必要なことだったのかもしれない。 ]
[胸が苦しい。
何かに締め付けられているようだ。
だけど、今やるべきことは嘆くことじゃない。
ヤコブの"命"を吸った"鍵"の封印が再び解けた。
握る右手には、金の鎖が絡みついたような文様が浮かび上がっている]
[ 体を引きずるようにして、門の前に立つ。
マントを、剣で裂いて紐状にし、口と左腕を使って、
胸の亀裂を取りあえず縛って塞いだ。
右腕はどうしようもないので、そのままにしておく。
残った紐で、左手と剣を縛りつけた。
これで準備は完了だ。 ]
[正しく継承された手ごたえに、友を見る。
金の鎖は、彼の手にあった。
未だ損なわれていない、力に満ちた文様。]
おれのいのちは、ひとりぶんじゃねーんだ 。
みなの ちからも 、 きっとそこに …。
[シュテルンの目を見て、力強く頷く。]
[こくりと一つ頷くと、静かに立ち上がって"門"の側へと向かった。
"門"の隙間から立ち込める、重苦しい空気。
それでも"鍵"の影響なのか、それほど体調に変化は見られないようだった。
テオドールに並ぶと口を開く]
門を閉めるんじゃなくて……。
壊したいんです。
[ 剣を手に、テオドールは並んだ少年を見おろす。 ]
お前に家には、門はついていないのか?
[ 目を細めて少し口元を上げた。 ]
門は何の為にある?
悪漢が家に入って来ない為じゃないのか?
ならば、それを壊したらどうなる?
[ どうなるのだろう?
テオドールも知らない。
ただ、それが首魁討伐前ではマズイことは分かっていた。 ]
好きにしろ。
これから起こる事は、俺も見た事がない「未来」だ。
どうなるかは知らん。
ただ、
まだ俺を助けるなどと、愚かしいことを考えているなら、
俺がここでお前を斬る。
その鍵が、他者に託せる物ならば、俺が使って閉じる。
[ ハ、と笑った。 ]
馬鹿な事を考えるな。
お前は門を閉じることだけ考えていろ。
[ふ、と。
やりきった充足感に包まれていた顔が、驚きに見開いた。]
な……。 いま…… ?
[耳を掠めていった囁きに、まじまじとテオドールを見る。]
あなたが屍鬼になってしまったのは……。
あの時にわかりました。
[身体と吐く息の冷たさと、脈が止まってしまったようにほとんど動かなかった鼓動。
戦場で嗅いだ臭気も。
でもヤコブには言えなかった。
彼の父だったかもしれないのに、言えるわけがなかったのだ]
確かに任せたぞ。
[ これ以上は時間の無駄だと判断する。
シュテルンが門を閉じる事を考えて居ればいいように、
テオドールは、シュテルンが馬鹿な気を起して門を破壊する前に、
首魁を倒す事だけ考えていればいい。
扉の隙間。
向こうからこじ開けられようとしている隙間に、
テオドールは飛び込んだ。
濃厚な闇がテオドールを包んだ。 ]
……なんだよ。
けっきょく、ばかばっかり、か。
[テオドールの言葉を、
「救い」を口にするそれを聞きながら零すのは、苦笑に似たもの。
胸元に下がるお守りを探り当て、ぷつりと紐を引きちぎる。]
テオドール。
もってけ。
マリーがくれた、お守りだ。
[桃色の結晶の中、淡い緑色が踊る石を、テオドールに向かって投げつけた。]
[命を救うことだけが助けじゃない。
あの時、思考を奪われそうになった説得力のある言葉が、現実を帯びて蘇る]
……わかりました。
[迷ってばかりはいられない。
これが彼への救済になると信じる]
[門に消えてゆくテオドールの姿を見送ると、
深呼吸して"鍵"を構えた]
確かに今なら門は閉められる。
俺ならば、閉めることに後悔することもない。
だけど……。
あなたが言う通りに門を開けるのが容易いのならば。
あなたがそれで何度もやり直さないといけなかったのならば!
俺は門を壊したい!
あなたの見たことのない未来を作りたい!
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