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[ ……ベリアンが何らかのトラブルに巻き込まれているならば、
向かわせたウェルシュを使って、どうとでもするだろう。
そうでないのならば、ウェルシュの今夜の餌の手間が省けたというだけの話だ。 ]
[ ナイトメアは、影のように走った。
ナイトメアの行く所、穢れを嫌って何もかもが道を譲る。
動物も木も岩も、光さえも。
穢れを厭わぬ、悪に落ちた人間だけがナイトメアを駆る事が出来る。
安らかな眠りを代償に得られるのは、
空を行く王者がごとき、圧倒的な早さだ。
見る間にモーリスが後方に消え、
森林を抜け、草原に入った。
半日が過ぎたが、眠気も空腹もなかった。
指先は冷たかった。
テオドールは自分が死へ向かっていることを実感した。
それでいい。最近は咳の回数も目に見えて減った。 ]
[門の影に隠れ、炎に焦がされたベリアンは、
影そのものが動き喋るかのように見えた。
キア、と。大切に呼ばれる名、その響き。
優しく響けば響くほどに今はもう───…遠く]
[握り締めた剣先に、肉を貫く手応えがあった。
炎の中、シェットラントはその事実に目を見開く]
…───は、
[驚き吸い込んだ息は、肺を焼く。
その苦痛に、シェットラントの端正な顔は歪んだ。
炎は文字通り、自身を糧とし双方を滅ぼしつつある]
……っ、
[黙れ。と、言いたかった>>237
言えない代わりに、彼の喉を掴まんと腕を伸ばす。
キアラを失ってから、どれほど憎んだか。どれほど恨んだか。
どれほどに、 ───…己を責めたか]
[剣をベリアンの肉から引き抜こうと、力を篭めた。
再び貫いて、その息の根を止めてやろう。この手で]
きさま、 だけ は、
[耳に詠唱>>240が響く。
それを防ぐことを、シェットラントは選ばなかった。
代わりに片手では抜けない剣を、捻り、更に突き入れる。
彼の喉に指が掛かった、そう思った…次の瞬間]
[ 目的の場所が近づいて来て、テオドールは顔に布を巻いた。
落ち窪んで暗い光を宿した、鋭い目元だけが覗いた。
黒い衣装に黒い馬。
ついそこまで遠乗りに行くような軽装だが、
鞍に付けた剣だけが使いこまれて物々しい。
疲れを知らぬナイトメアは、ぽっぽっと口元から青い炎を零し、
汚れた蹄で草原を踏みしめた。
草花がおぞましげに身を震わせた。 ]
[鳴動を感じた。刹那、熱が全身を駆け抜けた。───痛み。
大きく開いた喉から、もう悲鳴は上がることがない。
全身を漆黒の瘴気の槍に貫かれ、]
…──── !
[悲鳴は、声ならぬ”声”に変わった*]
[真っ先に向かったのはラクシュのところだった。
この賢い黒馬を譲り受けた時から、一緒に見届けると決めたのだ。
置いていくなんてことは考えられなかった。
そうして準備を済ませると、見張り塔へと向かった]
[ヤコブが一緒に連れて行くことを選んだのは、3年前の遠足で共に門を望んだ若い騎士たちだった。
自分とシュテルンを含めて5人。
あの時はもう少し多かった。
その事実を思えば、戦いの痛みに心が飛ぶ。
けれども、これで終わりにする。
いずれも同じものを見て、それぞれに鍛錬を積んだ身。
同じものを守ろうとして、守れなかった身。
次へ掛ける意欲は高い。]
[ 木漏れ日が明るい代わりに、
木の陰はどこまでも暗い。
ここまで来てどうしようと言うのか。
まさか、ヤコブに会うつもりなのか。
テオドールは自嘲する。
……ただ、どうしても斬る直前のイングリッドの顔が、頭から離れなかった。
テオドールは自分の為に戦っている。自分の約束のため。
しかし、イングリッドは違う。
彼女はいつもテオドールの為に戦っていた。 ]
[ だから、イングリッドに免じて、
一度だけならチャンスを与えてもいいと考えた。
ヤコブを信じる訳ではない。
何度も何度も裏切られて、何故今更信じられるというのか。
そもそも、イングリッドがヤコブに会ったかどうかも確証はないのだ。
だから、ここで出会わないならば、ヤコブはそれまでの男だったということだ。
……運がなかったのだ。 ]
[掴み掛からんと伸ばされたシェットラントの腕。
刃が深く、深く捩じ込まれる。
青白い炎に焦がされて血の色が失われてゆく、浮遊感。
新しい呪文を完成させて、ベリアンは頽れた。
まるで自分がしたこととも思えない。]
[傾いだ視線の先で、闇の力がシェットラントを貫くのを見た。]
あ…、
[これでは、シェットラントを殺してしまう──と思った。
それは 望まない のに。]
[自分が解放した力だ。
制御できるか── しなければ、 しなければ、]
──っ…うぐ、
[不意に痛みが身体中を切り刻み、ベリアンを磔にした。
「裁きの遅延」の効果が切れたと知る。
あるいは、別の──]
[痛みがすべてを凌駕してゆく。
肉体の枷が 重い。]
──欲しい。
[ベリアンは手を伸ばした。
知りたい。
”門”の向こうに何があるのか。]
[ベリアンが目前に頽れる>>260
支えを失ったように、シェットラントの身体もまた崩れ落ちた。
剣柄は最後まで離さなかったから、
結局、ベリアンの傍らに倒れるような形になった]
…───、
[間近に、求め続けて来た男の顔がある。
この手で殺してやろうと、追い続けて来た男の顔だ。
瀕死のそれを嘲笑ってやろうとして──…失敗した。
彼の瞳の色を、間近に見てしまった、その為に]
― カレン・見張り塔 ―
[何もないはずのところに、その門は確かな存在感を持って存在していた。
薄く透き通っていて、手を伸ばせば反対側に潜り抜けられそうなのに。
同時にとても重厚な造りのようにも見える。
だが見たこともない魔法に驚いてはいられなかった。
それより聞こえてきた"声"のほうが重要だった。
ただ残りの3人は、"声"も聞こえずに、ヤコブの様子に何があったのかと心配そうに見つめていた]
開け!
[言葉に反応したものか、別の理由か、
閉ざされていた扉がひとりでに開き始める。
大きな門扉が開き切ってしまえば、その先は光だった。
虹色の光が耐えず蠢き渦を巻いている。
この先にシェットラントがいる。
"門"がある。]
…め、だ。
[そのベリアンが、門へ向かって子どものように手を伸ばす。
駄目だ、止めなければ。
声が出ない。伸ばした手の先が揺らめいて定まらない]
……、だ。ベリ、ア………
[彼の服の端を、指先が掴んだと思った。それが最後。
シェットラントは大きく息を吐いた。
それを再び、吸うことはなかった*]
[目眩がする。
もう、どちらが”門”でどちらが”門の影”かすら覚束ない。
歌が聞こえる。
それは──眠たくなるから止めろと言いたかったけれど、]
馬鹿ですね…
[《奈落の書》の代わりにシェットラントを抱いてこの時を迎えるなんて。
目を細めて、笑った。]
[シェットラントが最後の息を吐いた、その瞬間。
───キン!と、澄んだ音を立てて、
ヤコブに渡してあった透明な水晶の石に罅が入った。
未だ割れはしないが、
良く見ればじわじわとその皹は先へと進むのが分かるだろう。
青白い門の扉が、応じるようにヤコブらの目前に開かれた。
半日か……精々、もってあと一日。
それが術者失われた今の、残された*期限*]
[門が開ききると同時、手元で澄んだ音が鳴った。
違和感を感じて視線をやれば、透明な石に罅が入っている。]
……っ。
、の ばかやろ …。
[―――こういうときの直観は、よく当たる。]
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