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[戦況を注視しながら、マチスは一度艦内から外へと出る。
戦場と化している場所には近付かないが、それを眺められる場所へ。
そして周囲へと視線を巡らせ、異変がないかを確かめた]
[その視界の中で、ダーフィトが色つきの天使へ
足り、ません……。
[上官の声に、苦痛に耐えながらも答えが返る]
私に、ではなく。
奇蹟を邪魔立てする者を、払うために……!
[己ではなく、箱舟に取りつかんとする不届き者に対する力をと。
懇願に近い声音で訴えるが、それは大天使にどう伝わっただろうか*]
…………、なに。
[聞いたのは天の声。
小さな悲鳴のようにも響くそれに、
大天使は整った眉の形を僅かに歪めた。]
───── 出るぞ!
[大天使の号令に、数多の下級天使が付き従う。
地上から見上げたなら、圧倒的な光が半ば質量となって、
箱舟へと降りかかるかのようにも映っただろうか。]
そこは、否定できんねぇ。
ま、俺はそんなモンとは関わりなく、主の望みを叶えるために動くのみだがな。
[綴る声音に刹那宿るは真摯な響き。
ただ、無機的に命を果たしているのではない、と。
そんな思いが微かに滲む]
まあ、基本的には無理だがな。
天使を滅ぼし尽くす前に、きみらの物量が途切れるだろうよ。
[軽口めいて言い放ちつつ、けれど、影は忙しなく周囲に蠢いて]
……おやおや。
俺が、それを素直に伝えると思うかい?
[場違いな依頼にさらりと返し。
対の短刀を手にしようとして──身を沈める動きが刹那、それを遅らせた]
……っと!
[踏み込みから放たれる逆袈裟懸けの閃。
避けられなくはない、が、それでは向こうに態勢を立て直す時を与える、と判ずるのは早い。
故に、影が選ぶのは左の腕を刃の軌道に翳し、一撃を受け止める事。
そうする事で、逆に相手を捉えんがために]
……告死の影の名において。
[言葉と共に、刃受け止めた手の上に、月白色の華──待雪草が現れる]
クレメンス・デューラー。
きみの死を、ここに、宣する。
[紡ぐ宣と共に右の手に握られるのは、月白色の短刀。
影の刃は、傷を受ける事で捉えた相手の胸へと向けて、無造作に繰り出された。*]
アデル、アディリエル、
持ちこたえよ。
すぐにそちらへと行く。
だからそれまで、
[苦しげに響く声に、常になく大天使の声色も変わった。
このままでは、光の天使は、
自らを天に捧げてしまうのではあるまいか。
そんな予感が、大天使の翼を急がせる。]
[目の前の男に意識の大半を向けつつ、けれど、零れ聞こえる天上の響きは僅かに気を逸らせる。
しかし、ここで急いて仕損じる訳にはいかぬ、と。
そんな思いもあるから、今は何も声には乗せずに。*]
[天使の苦悶の声を、驚愕の裡に聞く。
手応えは、確かにあった。
光から造られた、だが、これは確かに肉体であると思った。
地に下るために、上なる天使は受肉しなければならない、そんな話を思い出す。
彼らもまた、犠牲を払って侵攻の任を務めているのかもしれない。]
[戦うことは、相手を知ること。
そして、
渾身の一撃を出した以上、
これ以上、一瞬たりともここにいてはいけないと、本能が告げる。
が、
天使の声が、コンラートの渾名を口にした。>>235
コンラートが道連れにされる、と思った。]
[最期の反撃を喰らうのを承知しながら、踏みとどまり、砕けた聖衣の奥に、青い気弾を叩き込んだ。
天使の身体に弱点があるかは知らない。
ただ、それを形づくるものの意志を保たせないほどの、気を注ぎ込んだつもりだ。
反動で自分も意識が、 飛びそうになる。*]
ナタリエルさま、……大丈夫です。
[声色を変えた大天使に答える声は、どこか柔らかな、そして宥めるような雰囲気を伴っていた]
私のために、手を煩わせなくてもいい。
……そのお力は、大いなる救いのためだけに。
[その声が己の名を呼ぶのが、たまらなく嬉しく、そして哀しかった。
自分という存在は、何かを為したのではなく為さなかったがために、彼の者を動かしたのかと。
ふとそんな思いを抱いたのだ*]
― 《シャドウ・バレス》 ―
[はた、と。
頭上が光に覆われたように感じ、反射的に天を見上げる。
視界に映るのは眩いばかりの光>>238。
ただの光ではない]
[光を帯びた人の形をした集団だ]
[通信機を介してそれぞれに声を投げる。
マチスは艦内に戻らず、頭上の光を注視した。
眩さで目が眩むなど言っていられない*]
[ひとつ、天使は読み違いをしている。
老将は、"使える全てを"囮に使ったのだ。
故に、ここに影の天使が現れたのは、ある意味では作戦通りだった。
無論、死のうという気はなかった。
だが、死ぬ可能性を含めて、準備はしていた。
あわよくば、ここで仕留められればという思いもあった。
話ができて良かった、とも思っている。]
[鞘走らせた白刃が、相手の腕に受け止められるまでの刹那の時間、そんなことを考えていた。
この天使が部屋に現れた瞬間から、死を覚悟したからだろう。
己の命を使ってどこまでやれるか確かめる気でもあった。]
伝えられたら、で構わんよ。
[依頼への返しに、そう答え、
宣と共に繰り出される短刀が胸に吸い込まれるのを、奇妙にゆっくりになる時間の中で眺める。]
───軍人はな。
[ごふ、と血を吐いて、 わらう 。]
死にどころは、己で決めるのよ。
[囁いて、左手を動かし、
腰に下げていた手榴弾のピンを抜いた。*]
───── 戯けたことを!
[どこか宥めるような、
止めるような声に返ったのは短い一喝だった。
ぴしりとした声が、白き翼の天使を打つ。]
そなたは我が翼、我が腕ぞ。
その為に力を振るわんとして、何とする。
…アデル、アディリエル。名を与えし光の子よ。
お前もまた、我の愛しき子のうちなれば。
[諫めるように激しい口調は、やがて穏やかなものとなる。
彼の裡に動いた心は知らず、語りかけるは我が裡のこと。]
謳え!
[黙示天使の言葉に応えた下級天使らは、ただ純粋なる力を紡ぐ。
共鳴したそれらは、天上の響きのような荘厳なる音を、割れんばかりの音量で響き渡らせる。
天にある者にとっては心地よき響きでも、人の子らはどうであったか]
[その力の焦点は黙示天使の胸の中心、人間であれば心臓があるはずの場所。
黙示天使もまた、己自身の存在を転化するかのように、力をその一点へ集中させる]
[それは気弾により砕かれるはずだった意志を、ほんの僅かに持たせた――黙示天使の存在そのものと引き換えに]
― 同時刻―
「杖の下部を開けてください」
「杖の下部を開けてください」
「杖の下部を開けてください」
[老将が命終えたのと同じころ、元帥杖から音声が流れ始めた。
所有者の死亡を契機として発動する魔法が掛けられていたのだ。
少し調べれば、杖下端の飾りが回り、外せることが分かる。
杖の中には空洞があり、筒状に丸めた紙が収められていた。
1枚は、マチス・プロッツェをこの戦いにおける総指揮官に任命する、という正式な書類である。
もう1枚は、手紙だった。]
「小僧。
後は任せた。
すまんが、儂の夢も一緒に連れていけ。」
[短い文章の後に、クレメンス・デューラーの署名が入っていた。]**
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