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― 執務室 ―
[執務室の机の上には白い封筒と、
ローズクオーツの通信石。
今朝、ディークに伝えようとした言葉を。
万が一戻れなかった時のために、こうして手紙にしたためて遺す]
[カサンドラの有用性。部下の命と功績。
裏切りの可能性を引いても、天秤にかけるにはどちらも重い。
背後をちらと見やる。決意はあれど、困惑した部下の顔に、]
今回の任務は、技官の“奪還”だ。
[苦渋したようそう告げる。
裏切りの可能性が見えない以上、
生きて連れて返るのが目的とそう、決めて。
もしかしたら、もうすぐノトカーの一隊も訪れる。
そんな期待もあった。―――甘いと言われようとも。]
ディークへ。
出来れば、この手紙は読まれないで、
お前と直接話せることを願う。
シュヴァルベは素晴らしいところだった。
帝国も公国もなく、共に学んで、競い合い、お互いを高めてゆく。
シュヴァルベはそんな場所で、
俺はいつか同じように
帝国も公国もなく、いがみ合うこともなく
過ごせるようになれば。
そう思っていた。
でも、シュヴァルベにはまだ足らないものがあった。
シュヴァルベには、自らの出自を口にしてはならないという規則があり、
それゆえに、自らの国のありかたや、互いの国の関係をどうしていきたいか。
そんなことは一切語ることが出来なかった。
今回の戦争でまた関係は悪化するだろう。
またシュヴァルベを作るなんてことすら、すぐには出来ないかもしれない。
それでも最初の1歩からはじめなければならない。
今度は自らの理想を語れるシュヴァルベ以上のものを――。
もし、そうしていれば。
リエヴルが何を考えていたのか知ることが出来たのなら。
戦争の火種を消すことも出来たのかもしれないから。
だから出撃前には……。
リエヴルに触れる話だから。
帝国と刃を交える前に、
覚悟していることを証明する前には話せなかった。
お前はまた甘いというかもしれない。
こうして、リエヴルのことを考えているままの俺を、
お前はそれでいいとは言わないかもしれない。
けれど。
俺の目指す国のありかたが、
例えリエヴルが帝国の人間だったとしても、共に生きたい。
そんな思いから発している限り。
理想を捨てない限り、
またリエヴルへの想いも消えることはない。
どんなに苦しくても、
リエヴルを自分の手で殺すことになってもいい。
それでも、俺はリエヴルを愛したことを後悔しないし、
これからも愛し続ける。
何も望まないし、
リエヴルの為に、国を、そして自らの責務を捨てるつもりもない。
ただ心の中で想うだけなら、
それだけなら……許されたいと願う。
[ たとえ押し殺した声で囁いたとしても声質の高さまでは変えられない。
部下の一人が風上から聞きつけた複数の女声に向かい、家屋を回って接近する。
と、帝国軍の軍服姿の大男を前に、フレデリカとカサンドラの姿を見つけていた。 ]
あれは、ラウエンブルク……
ジェフロイ、か。対幻獣戦闘で一緒に、
[ 呟きかけて、その向こうに風に靡く翠の髪を見つけて息を飲んだ。
白い軍服、右目の眼帯、情報の通りの姿だが、それと、かつてのルームメイトが上手く一致しない。 ]
それと、もう一つ白状しなければならない。
この手紙に添えられているのは通信石だ。
もう一つはリエヴルのところにあるが、
彼の声を聴きたいと一瞬でも思ってしまったことが
ものすごく罪に思えて。
彼に別れを告げて、それ以降は通信をしていない。
それを信じるかどうかはお前に任せる――。
お前の友人
トルステン・フォン・ラウツェニング
[ 額に汗が滲む。
今、出れば。あの金髪兵の刃が、
カサンドラの白い喉を切り裂くかもしれない。
タイミングを誤ってはいけない――。
それとももう、この状況は――
――その時、どこからか。
勢いよく馬が、躍り出てきた。>>695 ]
― 学校跡地・公国側橋付近 ―
[カレルの死亡と騎兵隊の再編、最高指揮権を持つリエヴルの出陣…続く戦の音。
士官学校跡地は、行き来する伝令や兵士の移動が重なり騒然となっていた。]
…先ほど、裏手を守護していた斥候隊からの伝令が入った。
味方からの信号弾を確認>>563>>543
騎馬と思われる一団が、帝国側より侵入を試みていると。
――向こうの守備状況はどうなっている。
敵をおびき寄せたとしても、叩くことができなかったらどうにもならないぞ。
准将の本隊…は、今外に出ているな。
できるなら、騎兵隊が再編出来次第再び交代。お戻り頂いて指示を…
――――ッ…
[目の前に矢が飛び込み、慌てて振り払う。
眉を寄せて橋の向こうの戦場を睨み付けた]
…ここで技官をを放して、
連れて帰らせるってんなら―――
[>>695従うと、口にするのと
蹄の音が聞こえるのにはどれくらいの間があったか。]
……毎度、申し訳ありません。
副寮長もお疲れでしょうに。
[なんとか寝かせると、恐縮したように頭を下げる。
最高学年である8年生は、それなりに授業のカリキュラムも詰まっている。
役職づきであれば余計に多忙だろう。
ダーフィトとディークは親しい仲だ。そのような関係も交流の一環であったのだろうが、ルームメイトの自分は、なんとなく、申し訳ないような気がしてならなかった]
[自身もまた電撃を浴び。
身体は、既に言うことをきかない。
……もっとも。
それ以前に、満足に動けるほどの血液すら、残ってはいなかったかもしれないけど。
――――――…それでも。
最後の力を振り絞って、トールの元へと向かおうとして――…。]
[ガクリ――…身体が、崩れ落ちる。
だが、そこには先にトールが倒れ伏していて。]
…………――ん、ぱ……、
[既に言葉にならぬままに、彼の上へと覆い被さり。
――――静かに、唇を重ね合わせた。]
[そのまま、少しずつ意識が遠のいていく。
ただ、最後に彼に触れられた為か。
その面には、不思議と、穏やかだった――…。]
……ああ、そうだ。これを。
副寮長も、菓子は好きでしたよね?
[思いついて、部屋の隅からとっておきの菓子をいれている箱をあける。
ひんやりと永久水晶に冷やされたそこから、きれいにラッピングされた小瓶を取り出した]
黒スグリのジャムです。
焼き菓子にほんの少しつけたり、トーストに塗ると甘酸っぱくてとても美味いですよ。試してください。
疲れを取る効果もあるらしいです。
[一つかぶりを振り、状況を把握しようと。
フレデリカがカサンドラを人質のように拘束しているのは見える。
間近に帝国兵が居れば、通信機も使えまい。
何を話しているのか?]
……おい。クロイツ中尉にも状況の報告を。
…音を立てるなよ。
[クロイツからの伝令はあっただろうか。
念のため深部に入り込んだこと、接敵位置を知らせるために単騎を彼の元へ送らせた。
目標周辺で切り結ぶには、彼の力も必要だ―――]
[たわいない礼だが、彼は、少しは喜んでくれたのだろうか。
扉を閉める瞬間にふと思い出し、唇を自嘲に歪める。
――今は二人の間にいたダーフィトは此処にいない。
いや、……あの頃の自分も、いない。
だから、彼に渡せるものは、そっけない、気遣いの言葉だけだった*]
>>695
[ 唐突に迫ってくる蹄の音に振り返る。 ]
別働隊……? いや単騎か?
[ 距離を測るが部下の投擲武器も弓矢も届く範囲ではない。そして徒歩では到底、敵わない速度で馬上の影はカサンドラとフレデリカに向かって突進している。 ]
[いつでも飛び出し切りかかれるよう柄頭に手をかけるが、内心は気が気ではない。
本来ならば、敵の武器がカサンドラに届く位置まで近づくよりも早く合流し掃討に向かうべきであったが、帝国側の配備に梃子摺り少し遅れた。
その上、「取引」がどうのと聞こえる。
少し前、通信機に乗せられた囁きからも、こちらが到着するまでの時間稼ぎというわけではないだろう。]
……、フレデリカ …?
[フレデリカの目的が、未だ見えずに。]
[ディークが卒業し、ベリアンが西寮を去り。
ソマリもまた東寮に引っ越したことで、
この緩やかな隣人たちの夜の時間は幕引きとなった。
その代わり――…]
お。いたいた、ベリアーーン。
美味しい珈琲豆の店、教えてくれるんだァろ。
[翌年。市街地に出たベリアンの元を
稀に訪れる金髪の姿があった]
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