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― 平原南 ―
[カナン>>117の合図一つで隊列が組み変わっていく]
まった硬そうだなぁ。
[布陣に詳しくないカレルでさえ分かる、防御主体の陣。
思わず笑みが引き攣った。
元より持久戦を仕掛ける心算でいたが、あちらがそれに応じた戦い方になるとこうも厄介なことになるのか、と。
改めてゼファー軍の戦の上手さを感じざるを得ない。
こうなると上方に矢を射て上から攻撃しようとしても、盾で防がれてしまうことだろう]
殺す覚悟と、卑怯でも勝つ手段、だっけね。
[次発隊は夜をかけて戦うことになっていたから、灯りの準備があるはずだ。
打開策を講じるのは彼らが来てからにするとして、削れるものは削っておこうと考える]
隊長さん、そっちはよろしく。
僕達は僕達で動くよ。
[兵同士の戦いはこれまで通り、軽歩兵の隊長に指揮を任せた。
カレルは後ろへと下がり、その場所に入り込むかのようにして盾兵と軽歩兵が交互に並ぶ一隊が正面からゼファー兵へと立ち向かった。
強固な殻に籠もるような外観は、どこにも綻びが無いようにみえる。
だが無いならば作ればいい、とゼファー兵の正面に立った軽歩兵が隙間を狙い槍を突き出し始めた。
もしあちらから攻撃があるならば、盾兵が率先してその攻撃を防ごうと動く。
鉄と青銅がぶつかり合う音が、陽が暮れ始めた平原に響き始めた]
布、どのくらいあるっけ。
[カレルは義勇兵達の下へ行き、用意していた道具の確認を行う。
身軽さを優先したため、運搬出来る量は多くない。
手持ちでどうにかするための準備を始めるのだった**]
[カレルはあの剣技を、己の望みのために生かせるだろうか。
自分へ強さの一端をくれたベリアンに、僅かでも恩は返せただろうか。
ギデオンは犠牲になった兵たちを、勇敢だったと評してくれるだろうか]
[――ミヒャエルには嘘をついてしまった、本当はあの時もう――]
[取り留めもなく考えるが、全てはもう伝える術のないことだ]
[部隊長の死を見届けた精鋭兵たちは、僅かな黙礼の後、敵兵へ向けて武器を構えた。
牽制でなく、戦闘の意志と共に]
『我々は敵陣を打ち破り帰還する。それが隊長命令だ』
[しかしその前にはゼファー軍騎兵隊が、圧倒的な数で立ち塞がっていた――*]
― 平原 ―
[隊長の槍が一度、そして二度振るわれる。
何度も耳にした、命を絶つ音がした。
もうアイツは立つことはない。
あの身ごなしを見せることもない。
敵であれ、勇敢に戦って死ぬ者は讃えていいはずだ。]
冥王の門がオマエを迎え入れますように。
[死者を送る言葉を呟いて、アイツの最期の言葉に耳を澄ます。
なんとか聞き取れた名前は、胸の中にしまっておいた。*]
不穏でも何でも、挑まれて逃げるというわけにもいかないだろう。
こちらが勝ったら、半島から手を引けと言ったら聞くだろうかな?
[ まず、それは無いだろうと思いながら軽口めいた言葉を吐いたあと ]
カナン、俺は誓いを違える気はない。
女神の前に膝をつくつもりも、な。
[ 殊更静かに、そう告げた。 ]
─ 平原南/次発隊side ─
[互いの陣営に見守られるかのように対峙する二人が交わす言葉までは届かぬ距離。
けれど、確かに何言かを交わしている様子への困惑に、進軍の足は一度止まった。
それを再度動かせという催促のような響き、>>110指笛の音は徐々に薄桃、橙へと代わる空の下高く奏でられて]
『…っ、隊列、進め!』
[一早く我に返った隊長の号令が、1000の軍勢にも染み渡る。
盾兵を先頭、そのすぐ後方から歩兵が続き、弓兵を挟んで殿にまた歩兵が続く。
整った隊列の合流は、>>111既に戦闘を経て尚気迫衰えぬ先行隊のそれに更なる戦意を与えられるか**]
― 平原 ―
[突き下ろした一刺しは、違わず若者の胸を突く。
穿ち、貫く感触は、これまで何度となく手に感じたもの]
……兄?
[紡がれたのは、伝言。>>121
恐らくは今後も交差する事はないであろう者へと願う言葉に、男はしばし、沈黙し]
……わかった。
その言霊、必ず届ける。
[返し、紡いだのは小さな宣言。
どうすればいいかは、後から考えればいい、と置いておいて]
[願いの後、紡がれた問いかけ。>>122
それは最後まで言葉にはならなかったが、言いたい事は伝わった]
……さて、ね。
望む望まざるに関わらず、『そうあるべき』と定められた生き方じゃああるが。
[男子として生まれたからには、そうあるのが当然とされてきた生き方。
そこに、個としての望みは介在しないが]
それでも、俺は。
その中で、俺としての在り方を見出してきた……それは、間違いない。
[定められた事だから流されているのではない、と。
告げた言葉は、どこまで届いたか。
兄を呼び、呼吸途切れさせた若者に黙祷する。
周囲の兵もそれに倣った]
さて……と。
[短い静寂は、残った敵兵たちが武器を構える音によって破られる。>>127]
は……隊長が隊長なら、部下も部下、と。
いいねぇ、その心意気……オジサン、嫌いじゃないよ?
[紡ぐ口調は、どこまでも軽い。
けれど、向ける眼差しは鋭いもの]
戦士としての意地を通すというならば、こちらも相応の礼を持って応じる。
……その意志、貫き通して見せろ。
[ここで情けをかけるのは、きっと容易い。
だが、彼ら自身がそれを望まぬのは明らかだ。
ならば、こちらは最大限の礼を持って――手を抜かず、相対する事で、それに答えるのみ]
……戦闘、再開。
戦士としての礼を持って、討て!
[これまでの蹂躙しろ、という命ではなく、戦士として討て、という宣。
それに応じて動く者たちに容赦は欠片もない、が。
そこには先まではなかったもの――相手を認めた上で相対する、という意思が少なからず、にじみ出ていた。**]
それで手を引くなら、俺はお前の背を蹴飛ばすがな。
[蹴り飛ばしてでも戦わせると軽口に応じ]
当然だ。
お前は俺の唯一なんだからな。
[ふふん、と胸を張る調子で答えた。]
― 東海岸 ―
つまり、賞品など無くとも、俺を倒せばそれでいい、と、考えていたわけか。
つくづく、ブレないな。
[ そもそも毒矢まで使っておいて、抜け抜けとした、この申し出だ。いっそ清々しいとも思えてしまうのが困り者だった。 ]
そちらとて負ければ兵を引く、とは言えないだろう?同じことだ。
[ 一存では決められないだろう、と、いう、相手の言葉とは微妙にずれた返答だとは気付かれただろうか? ]
俺は槍兵だが、剣でいいのか?
[ 副武器として片手剣を所持してはいるが、それでいいのか?との問いかえしは、先祖伝来の武具を奪われるということに全く頓着しない男の気質を示していた。
ゼファーの戦士の中では、おそらく珍しい部類だろう。* ]
― 平原南 ―
[ここで全方位への防御陣を敷いたのは、近づいてきているらしき相手の援軍の位置がまだ不明であることと、迂闊に動けばまた泥地に誘い込まれる危険を考慮してのことであった。
つまり、王国軍の作戦はゼファー軍の移動を封じたという意味で功を奏したと言っていい。]
だが、この陣が守備一辺倒と思ってもらっては困るな。
[唇を舐めて呟く元首の言葉通り、ゼファー兵は攻撃を捨てたわけではない。
互いに互いを護り合う盾は突き出される槍を弾き、号令と共に一歩前進して一斉に槍を突き出しては再び堅陣に戻る。たとえ斃れようとも、同胞のために盾を構えたままこと切れる。
矢と槍のみでこの陣を突き崩すのは数倍の兵力が必要かとも思わせた。*]
もしそうなら、お前に蹴られるまでもなく、突っ込んでいく、が、
[ ふと、コエが途切れたのは、王国軍からまた返答が>>129届けられたからだ。 ]
あちらも似たようなことは考えたかな?
[ 冗談めいて、とはいえ、最初にそれが浮かんだのだったら...と、巡る思考は、カナンの続けた言葉の効果で停止する。 ]
.........俺にとっても、お前は唯一無二の好敵手だ。
だから、それ以上は怪我を増やすな。
[ 微妙に間を空けた、答え。そして同時に、苦言を送る。
すでに怪我を負っている事は聞かずとも確定している口ぶりだった。* ]
[向こうも同じ考えだったのならば、効率的で良いな、とは思う。
ただその場合は、己が出るべきだろう。相手が、おそらくは臨時とはいえ総司令なのだから。
だからこそ相手の、我が唯一無二への関心を警戒するのだが。]
───っ。
お前、時々妙に勘がいいな。
[負傷を言い当てられて思わずの言葉は、自白したも同然だった。*]
― 過去 ―
[幼い時分、年嵩の者らに絡まれているのをリトスに見られたことがある。
普段なら相手の年も人数も関係なく乱闘になっているものだが、この時は地面にうずくまって背を丸めたまま、黙って暴力に耐えていた。
暴虐が去った後もしばらくは無言が続き、重い口がようやく開いたのは、リトスの他に誰もいないと確信してからだった。]
あいつらに、これを見られそうになったから。
[むくれた顔のまま、握っていた手を開く。
そこには、見事な金細工の護符があった。
連中に見つかれば取り上げられるのは当然として、それを理由に更なる事態を招いただろう。]
親父の、……形見だ。
[ぼそぼそと落ちる呟きは、告白に似る。]
親父が、作ったらしい。俺の、ためにと。
[時々息が零れるのは、痛みをこらえるためではない。]
親父は、本当は、細工師になりたかったんだと。
[これまで胸に押し込めていたものを吐き出すことへの、ためらいのようなものだ。]
俺は───戦士になるのに文句はない。
けど、思うんだ。
こんなにすごいものを作れる親父が、
臆病だからってだけで馬鹿にされて、
追い出されて野垂れ死ぬようなこんな国、
……俺が、 変えてやるんだって …!
[血を吐くように声を振り絞る。
何も持たない孤児の、それが意地の根源だった。*]
― 東海岸 ―
[ 日が暮れてからも、戦闘が終結、或いは中休みに入った様子は無く、果てない消耗戦に互いに突入しかけていると、男は感じていた。
だから、ギデオンの言う、撤退を賭けての試合も、真剣に考慮に入れはしたのだが。 ]
...ただ退くだけでは、互いに解決しないのが厄介だな。
[ 例えば、今ゼファーが撤退したとして、ゼファーに追い散らされた海賊はどう出るか?それを、王国側は考えているのだろうか? ]
さて、尋ねる機会はあるかな?**
やっぱりか。
[ カナンの反応は男の予測の正しさを裏付けるもの。 ]
俺とお前は心臓が繋がっているからな、お前が怪我すれば俺にも分かる......なら便利だが。
[ 現実には「全ての怪我が」分かるというわけではない... ]
命の借りがあるから、恨み言を聞いてやる、と言っていただろう?
お前は頭より体で借りを返すタイプだからな、そんなことになるんじゃないかと思っていた。
親父さんの護符の効果にも限界というものはあるだろう。
少しは自重をしろ。
[ 彼にその美しい護符を見せられた時の事は、はっきりと覚えている。
世の中に、これほど繊細で美しい造形があったのか?と、細工物などとは一切無縁だった男の胸を打つほどの細工。
それが、カナンの父の手によるものだと知って二度驚いた。 ]
これを守るために、何をされても耐えていたのか。
[ カナンが、文字通り血を吐くように絞り出した言葉、それを胸に刻むように聞きながら、男は、カナンの手にした護符に、そっと触れた。 ]
綺麗だな。本当に...
[ ため息のように、そう言ってから、護符と同じ金色の頭を軽く小突いた。 ]
だけど、お前はやっぱり馬鹿だ。
親父さんがお前を守るために作り上げた護符なのに、それを守るためにお前が傷ついたんじゃ、意味ないだろう。
[ カナンはむくれたままだったか、構わずその手を引いて、剣帯に絡められていた唯一の装飾だった銀の鎖を外して渡した。 ]
色合いが合わないけど、これを繋いで首にでもかけて服の内側に隠すといい。
交代で水浴びする時には俺が預かってやる。
言っとくが、お前に同情してるわけじゃないからな。
お前の親父さんの腕に敬意を払うためだ。
こんな凄い職人がゼファーに、もっと居たら、きっと交易で国を富ませることだって出来るんだ。
お前も元首になるなら、そこまでの方策を考えろ。
[ 淡々と、そう告げてから、踵を返す。 ]
ちゃんと、傷の手当はしろよ、明日の訓練をサボったら、今度は俺がぶっ飛ばしに行くぞ。
[ 言い捨てて駆け去った先は、カナンを痛めつけていた連中のところで ]
貴様らの卑怯な振る舞いには、虫酸が走る。その性根叩き直してやるから、俺と勝負しろ!
[ 怒りのままに、言葉と拳を叩きつけ、結局、自身も傷だらけの打ち身だらけになったのだが、それがカナンと同じ痛みだと思えば、苦しさより胸に湧く熱が勝ったのを、覚えている。** ]
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