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[そんな風に驚いている間にも場面は進み、王子を引き取りに来た者とのやり取りから、母親が乳母の役目を負っていたことを知る]
…俺、王子と乳兄弟になるはずだったのか。
[一月程は実際に乳兄弟だったのだろう。
けれど、それは直後に起きた戦禍により崩されてしまった。
以降、クレステッドはその事実を知らされぬままに過ごし、今に至る]
何で教えてくれなかったんだよ。
[色々と事情があるだろうことは推測出来ても、隠されていたことに少しだけ憤りを感じた。
思わず子供のように唇が尖ってしまう]
……乳兄弟か。
[知り得た事実にふと考え込む。
もし戦禍が無ければ、自分は王子の傍仕えとなっていたのか、と。
今となっては想像がつかない未来。
王子はどんな人物になっていただろう]
…今はどこでどうしてんだかな。
[生きているのかすら判然としない。
本当に雲を掴むようなものだ、とクレステッドは負った役目について改めて思った]
ちょっと会いたくなってきたな。
[役目のためとしてではなく、短いながらも共に過ごした乳兄弟として。
クレステッドの旅の目的がほんの少しだけ変わった]
そのためにも、今の状況どうにかしねーとなぁ。
[想いを改めて、クレステッドは過去の幼い自分に背を向ける。
これ以上は見る必要も無かったため、この空間から脱出するために歩き始めた。
程なくして周囲の景色は薄れ、霧が薄まった見通しの利く空間へと戻って行く*]
[ カナンに付き従うようにして、油断なく周囲に目を配りながら、薄霧の中を歩く。普段ならば、この位置で王子を護るのは、シロウであったり、他の護国剣士の役目だったが、今は自分だけだ ]
(本当なら...)
[ 父の後を継ぎ、護国剣士となっていたなら、恐らくこうして付き従うのが日常となっていただろう。皇家の第一王子の護りとなり、時には身代わりともなることが代々カムナ家の長男の役目でもあったから ]
[ その役目を振り捨てて、騎竜師となったことを、悔いるつもりはなかったし、護衛としてではなくとも、王子を護るために命をかける覚悟だけは今も捨ててはいない、と自負はしている。けれど、放浪の旅から戻った己を、何の屈託もなく受け入れ再会を喜んでくれたカナンに対して、ディーク自身が、未だ僅かに負い目を抱いていることもまた、事実だった ]
…狐火もあちらを目指してるように見えますから、明るい方に向かえばいいというのが正解みたいですね。
[ 数刻の間、沈んだ物思いはカナンには気付かれたか?今は思っても詮無いそれを振り払うように、先への道を目指す ]
そういえば、夢幻竜の親も、この夢の中で卵を探してるんでしょうか?
[ ふと、思いつきを口にした瞬間、頭上で、バサリと羽ばたく音が聞こえた ]
カナン様!
[ 咄嗟に夢魔の襲来かと刀に手をかけ、空を見上げると、薄くなった霧の向こう、僅かに光を帯びた大きな影が飛翔する姿が見える。
ディークにはそれは、薄い影としか見えなかったが、カナンが空を見上げたなら、琥珀色の滑らかな身体と、黄昏の空のように淡く輝く翼を持った竜の姿が、一瞬だけ垣間見えた筈だ* ]
…………あれは ──!
[瞳に映るのは滑らかな流線型。
琥珀色をした体躯の背には、黄昏色の翼が淡く輝いて見えた]
まさか。
[あれが、夢幻竜、なのか?*]
……あれ、何か明るい?
[茜色の空間から出て来てしばし。
比較的明るい空間から出てきたために、その変化に気付くのは少し遅れた]
何か前より遠くが見えるな…。
これなら探しものもしやすそうだ。
[変化の理由は知る由も無いが、視界が改善されたのはありがたい]
えーと……あ、居た居た。
……人探しもしたいところだが、優先すべきはやっぱ探索か。
[辺りを見回し狐火を見つけて、何を探すかで一旦考え込む。
船員達を見つけられていないことからそちらを探すのも考えたが、事態解決を優先することに決めた。
夢幻竜の卵の行方を願うと、狐火がゆらりと移動を始める]
あっちか。
[示される方角を見てから狐火の後を追った*]
[あわよくば誰かと合流を、と思っていたのだが、今のところ遭遇する気配は無いよう]
他の人らもさっきみたいな体験してんのかなぁ。
[そうだとしたら遭遇しないのも道理のような、漠然とした理解がクレステッドの中に落ちた。
茜色を思い出し、空を見上げる。
不思議な場所だったと思考が少し逸れた直後]
──── へ?
[視界に、ばさりと羽ばたく半透明の竜の姿が見えた。
ヤクモとも、フェイツウェとも違う色と形。
夢魔と見るには色と形が違いすぎる]
り、竜!?
おあ、ちょ、待った。
騎竜以外で居る竜って…。
えっ。
[その存在を理解する間に竜の姿は見えなくなってしまった。
初めて見た竜だが、これまでを考えるとひとつしか該当するものが居ない]
夢幻竜…っ。
ちょ、狐火! 追っかけろ!
[反射的に手がかりになると考えて、狐火に夢幻竜の後を追うように願った。
追いかけて何かあるのかは分からない。
ただ、今まで見かけなかった姿が見えたのだ。
事態が動いている、そんな気がした*]
夢魔、とは、感じが違いますね。
[ 姿をはっきり見ることが出来なかったディークは、飛んでいったのが竜とは、はっきり認識出来ず、刀に手をかけたままでいる ]
ん...?
[ その視界に、今度ははっきりと、先刻の影を追うように真白の翼を広げて飛翔する翡翠色の嵐龍の姿が飛び込んできた>>+115 ]
騎竜?え、あれって...!?
[ 騎竜師の姿は下からでは良く見えない。しかし、その竜の姿形は、確かに見覚えのあるものだった。
かつて、一度だけ、遠目に見たことのあるユウレンの翠龍王の騎竜...忘れることのできなかったその美しい姿だ ]
クレステッド殿!
[唐突に吹いた風は無遠慮に身体を打ち付けてくる。
延ばした手を掴まれた感覚と、安否を問う彼>>*148に名を呼び返すことで無事を伝えようとしたのだが]
──、クレステッド殿!?
[更に風が強まった、その瞬間自分を掴む腕の感覚が失われた>>*149。
咄嗟探そうと彷徨わせた腕ごと、ふかふかとした羽に包まれたと同時。
とさりと地に倒され、程なく風の音は掻き消えた]
…ありがとう、ヤクモ。
っ、クレステッド殿、クレステッド殿はいるか?
[身を呈して守ってくれたヤクモに礼を言って羽から抜け出。
すぐに傍にいたはずの人の名を呼ぶも、返る声もその姿すら見つけることは出来なかった。
あの不自然な風が原因だろうとは解るものの、どこに行ってしまったかまでは解る訳もなく]
…クレステッド殿のことだ、きっと大丈夫。
俺達は、俺達の出来ることをしよう。
[探しに行くにしても、闇雲に動いては足を引っ張りかねない。
何処へ行ってしまっても目的は一つだと、風に飛ばされていなかった狐火の後を付いていくことを再開した]
[ 青い狐火もまた、龍達が飛び去って行った方へと向かっているように見える ]
やっぱり、あっちか...カナン様、追いましょう!
[ 王子の諾が得られれば、今度は先に立って走り出す*]
[そうして進んでいく道のり、何時の間にか霧が薄くなっているのに気付いた。
先程の風に飛ばされたか、それとも別に理由があるのかと考えかけた矢先]
?
ヤクモ、何か聞こえ…
[ないか、と問いかけたのと、その気配を感じるのはどちらが早かったか。
姿は見えないが何か大きな気配がある、それはヤクモにも同じだった様で]
行ってみよう。
[ヤクモと顔を見合わせ、頷きあうと同時気配を感じた先へと足を進めた**]
[霧の中に戻って歩き出す事しばし。
不意に、瑠璃の仔龍がきゅ! と高く鳴いた]
……リォウリー?
どした……。
[どしたの、と問うのと、頭上を何かの影が飛び過ぎるのとはほぼ同時。
その影を見た仔龍はまた、きゅー、と鳴く]
もしかして、今のが?
……ん、わかった、行こう!
[影はほんの一瞬で過ぎてしまったけれど、どちらに行ったかは覚えている。
だから、迷うことなくそちらへ向けて駆けだした。*]
さっき、飛んで行ったのは、ユウレン王の騎竜だと思うんですが、まさかユウレン王までこの世界に迷い込んでおられるんでしょうか?
[ 駆けながら、ディークは抱いた疑問を口にする。すでにその王とカナンが出逢っているということは、まだ聞けずにいたから、問いではなく懸念の形だ ]
だとすると、迷い込む基準がさっぱり...
[ 言いかけて、ふと感じた、もうひとつの気配に視線を巡らせた ]
来たか...ヤクモ!こっちだ!
[ ガートルードを背に乗せて狐火と夢幻竜の影を追ってきたヤクモは>>*193騎竜師の声を聞くとばさりと羽ばたいて、宙を翔る]
ヤクモ、ルーディ!
[ 再会の喜びは、今は笑顔のみで交わし、ガートルードには、まだ言いたいこともあったかもしれないが、それは、とりあえず後でと視線で告げた ]
同じものを追ってここまで来たとしたら、もう目的地は近い筈だ、行こう。
[ 騎竜で先行することはせず、そのまま共に歩みを進める。
やがて、前方に見えてくるのは、黄昏色の光* ]
[薄い霧をくぐり抜け、明るい方へと近付いていくと、頭上から黄昏色の光が差し込む場所に出る。
そして、差し込む光の中央、丁度大人の目の高さ辺りにふわりと浮かぶ球体があった。
その球体の表面は滑らかで、磨きこまれた鏡のように周囲を漂う霧の姿を映し込んでいる]
[近付けば、己の顔や姿も、その鏡に映し出され、ゆらりと揺れる。
幾人かが近付いた時、ふいに柔らかい黄昏色の光がふわりと周囲に広がった]
[黄昏色の淡く輝く光のカーテンには、幻のような情景が、ゆっくりと映し出されては消えていく。
それは見た事もない風景であったり、懐かしい光景であったり、或いは見知った人々、自分自身の過去や未来の姿と思えるものもあった]
[巡る情景は、中空に浮かぶ球体の鏡のような表面にそのまま写し取られ、様々な色彩と光、そして闇や影もまでも、まるで絵の具を混ぜるようにその中に溶け込んでいく。
不思議なことに、情景が移し込まれ溶け込んでいくにしたがって、球体はだんだんと透き通っていき、ついには黄昏色の光を内に抱いた、無色透明のガラスのような珠になった]
[やがて、上空から、ヒューイー、という高い口笛のような音が響いたと同時、球体は宙に浮いたまま、花開くように解け開く。
透明なガラスの花のように開いた球体は、光の中に音もなく霧散し、そこに顕われ、浮かんでいるのは、身体を丸め黄昏色の羽根を畳んだ小さな琥珀色の竜。それが、空を駆けていた竜と似ていることは、幾人かには解っただろう]
『どうやら無事に孵ったな』
[どこからか、穏やかな冥狐の声が響く]
『お疲れさん。夢の世界の歪みも、もう糺されてる。いつでも戻って来れるぜ』
[その言葉を裏付けるように、周囲からは霧が晴れ、琥珀色の光のカーテンがどこまでも広がる光景に変わっている。
光の中には、美しい森や、穏やかな海、どこまでも青く輝く空や、満点の星空…そんな夢のような…夢そのものの情景が、ゆったりと流れていた**]
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