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[天使が示したリングには、小さな欠片がひとつ増えていた。
届いた証。
繋がった証。
舌先を伸ばして舐め、感触を確かめる。]
これがあったから、オマエが来てくれた。
嬉しかった。
[そのまま幾度か指輪と指を舐める。]
[顔を寄せ、髪を絡める。
体温が近い。温かさが流れ込んでくる。]
オマエとオレが混ざり合って、ひとつになる。
互いに───…
[言葉よりも。
綻んだ唇に視線が吸い寄せられる。
同じように、自分の唇が綻ぶのがわかる。]
ヴィン………
[唇が柔かに重なる。
初めての接吻け。 そして最初のひとつ。
身体が震えるような喜びが走り、翼が小さく打ち震えた。]
わたしはおまえのもの、
おまえはわたしのもの──
[認識を新たにすれば、羽根に潜り込んで鳴る尾の先が、指の間を這った細い舌が、髪の絡まり合う体温が鮮やかに歌い巡る。]
[ 憤る姿を、投げつけられる疑問を聴く。
答えることはない。
その前に、息が詰まったような声が聞こえたから。]
…………リヒャルト?
[心配ともつかない、何が起こっているか理解していない眼は相手と同じ手の甲を見る。
禍々しい逆十字の紋。
虚空へと口を開く相手を見て、…ではない他の誰かの存在がリヒャルトに語りかけていることを理解した。
そして、その者が何を告げたのかも。
目を細める。
魂の半分を捧げると答えた事に後悔は無かった。
リヒャルトだけの残り時間は、あと数日にも満たないのだから。
それならば、]
…………そう、全部それのため。
此処まで来たのも、あなたの使い魔になっていたのも、全部ぜんぶ。
[ 距離を取った相手に一歩踏み込む。
ゆっくりと。]
「私は何もしていない」?
ううん、色々な事を教えてくれた。生まれたばかりの私には、あなたのくれたものが全てだったよ。
可哀想だね、こんな嘘つきの私に……
[ 口元を抑える。
言葉が出そうになるのを、耐えた。]
殺す気はない。その命は私がもらうもの。
でもあなたに、もう一秒でも付いて行くつもりはないよ。
[瞳孔が開く。
あとは、身体が赴くままに。]
死なないでね、か弱いリヒャルト。
[ 切っ先に向かって飛び込む。
肩にそれが刺さろうとも構わない。
どうせ、すぐに"終わらせる"。
相手の肩に向かって握った拳を突き出した。
何の遠慮もない、全力の力で。]
[愛だ、と。
伴侶となった天使の口から紡がれれば、言葉が熱を持って輝きだす心地がした。]
愛、だ。
愛してる。ヴィンセント。
[湧き上がる気持ちのままに言葉を繰り返し、
二度目と、三度目の誓いを立て続けに交える。]
[天にも昇る心地というのは、こんな気持ちを言うのだろう。
天界へ昇って行ったときも期待に胸が躍っていたものだが、今は、足元から髪の先までが浮き立つような心地がする。
そんな幸福と歓喜で満たされた心の中に、一筋の影を見つけた。]
ヴィン、すぐにここを出よう。
[天使の腕を掴み、声に焦燥を滲ませる。]
ここにいるとオマエが危ない。
オマエが死ぬのは嫌だ。
だから、すぐ離れよう。
[先ほど流れ込んできたイメージが、再び脳裏に蘇っていた。]
──────ッ、!
[ 首を狙った切っ先が相手の肩、ちょうど結えられた髪あたりに掠れる。
敏捷さ以外に優れた取り柄などはない。
目線で追う相手の動き。
風の流れが変わる。]
[小声で囁く言葉。
相手が覚えていようといなくとも構わない。
挑発に眉を寄せながらも、迫り来る腕に右腕を曲げる。
短く唱えた詠唱の後、相手目掛けて眩い光の矢が刺す。
所詮目眩ましだ。
右腕に減り込む拳に踏み込んだ足元がぐらつく。
一歩、後ろに下がる。
後ろ足をバネに左脚で曲げて]
[ 曲げて、曲げて。
相手の腹部に送り込むことなく、下ろす。
そのまま、足の力を抜けば、バランスを崩して視界がぐるりと回る。
左手に握られ、顔の前に添えた剣一本が、蜘蛛の巣の張られたシャンデリアの下で鈍く光った。]
──────……ッ、
[右手の甲と、右腕と、首筋と。
疎かな受け身のせいで打った背中に鈍痛がのしかかる。
吐く息は、揺れる。
それでも尚、相手を見据える瞳だけは意志を持って輝く。]
遊びはもう、終わりだ。コンスタンツェ。
[左手に剣を構えながら、口にした。]**
[誰かの目に、留まっただろうか。
大鷲が空を翔けていく。ただひたすら南を目指して弾かれたように。
大鷲が通った後の道は、一瞬だけ瘴気が薄くなってまた戻っていく。ただ、それが繰り返されていく。
援軍は果たして見えただろうか。
この状況から逃れる術を見つけたのだろうか。
大鷲の目は、澄んでいて迷いなど無い。今日この日死ぬことも、死なせることも考えていない。
生きる道を模索して、足掻くために飛んでいた。]
…ええと、姫様。
こんな時に言うのはおかしいかもしれませんが……、好きです。
[口にして照れ臭そうに笑った。笑ってしまったけれど、勿論冗談ではない。
気恥ずかしさを誤魔化す為にも、傷付いた彼女の為にも、羽を一振りして速度を上げる。
大鷲と少女は、そのまま南の彼方へと飛び越えて行った。
嬉しい ── 愛している ── 幸せだ。
[言葉と接吻けを交互に息吹で感じられる近さに見つめるギィの面差し。
その情熱的な赤い髪は銀の一刷を添わせ、ギィの瞳に映る自分の姿には銀の髪に一筋の赤が走る。
愛は天魔の柵を越えるのだ。
天使にとっての感覚器官である翼はいっそう明るんで、春のうららな日差しの色となる。]
[その光は、この地においては危険なものでもあった。
誘蛾灯のごとく魔を呼び寄せる。
それを思い出したか、あるいは何かの予感に触発されてか、ギィは速やかな移動を促した。
二人が目指すべきは、この禍々しい結界の外。
ギィの故郷だ。]
わかった。
敵に遭遇した場合は、いつもの連携で。
[短く打ち合せを済ませ、光を紡いで装備を整える。]
[天使の翼が抱くのは、優しい太陽の暖かさ。
眩くも愛しいその翼から名残惜しく尾を引き戻す。]
いつものように、だな。
[戦いの装束を整えた天使を眩しげに見やって笑い、自らも赤い蛇へと姿を変える。
その頭には小さな星のように銀の鱗がひとつ輝いていた。]
[赤い蛇はさらに大きさを縮め、小蛇となって天使の足元に這い寄る。
そのままするすると体を登って、翼の間に落ち着いた。
ちらと舌を出して翼の温もりを味わい、身体を擦り付ける。]
「 頃合いであろう。
まずは満足。勢子どもを呼び戻せい。
深淵に戻り、狩った獲物を並べて狂宴を開くといたそう。 」
[魔王の声を受けて、地を這うような銅鑼の音が響き渡る。]
…名前で呼んでください。
貴方はもう、私の僕ではないのですから。
[花が綻ぶ、柔らかな笑み。
従わせる力は失った、けれど互いに結んだ絆は決して解けることはない。
そう、信じられるからこその催促。]
帰ったら、一緒にお父様を説得しなければなりません。
…覚悟はできていますか?
[ふと、右手の薬指に嵌めたままだった紅玉石の指輪を見る。
躊躇いなくそれを外し、ポケットへ入れた。
箱ごと送り返して、婚約破棄を伝えなければいけない。]
私には、生きるべき道と。
共に生きるべき方がいるのです、と―…
[皆まで言わずとも、長年の付き合いである程度は察してくれるだろうことを期待して。
今日、今、死ぬことは一切考えず、想定にも入れていない。
二人が新たに築く未来を見据え、一人と一匹は飛び続けた―*]
[王冠のように銀鱗を戴く小さな蛇が翼の間に収まる。
懐かしく心躍る感触。
指を肩越しに回して接吻け代わりに一撫でをしてから、軽やかに地を蹴った。]
[ 結った髪の先端を掠めた切っ先に片方の髪が疎らに散る。
何の表情も讃えないまま拳を振った、一辺倒の唇に歯を立てる。
囁かれた言葉にプツリと赤い血が流れた。
指に確かな手応えを感じる。
嫌な感触。同時に、眼前に眩いばかりの光が差した。
思わず、埋め込んでいた手で相手の服の裾を掴む。]
[ チカチカとする視界に眉を顰めて、唐突に引きずられる感覚に目を見開いた。
倒れこむ肢体につられて片膝をつく。
再び目くらましとは異なる輝きを見る。
その行く先に、顔を上げた。
鮮明になった視界には、此方へと羽を広げるシャンデリアが。]
[脚に、胴に、左の手の上に、シャンデリアの微細な装飾が突き刺さる。]
殻を……破らなければ……、
[ ぶつぶつと本で読んだ一説を繰り返す。
そうして、先まで服の裾を掴んでいた相手に向かって。]
殻を破らなければ、雛鳥は生まれずに死んで行く。
[子供の声が混ざった耳障りの悪い二重音が笑った。
…の記憶の中の「ルカ」が笑った]
リヒャルト、殺しなよ。
[薄っすらと笑みを浮かべる唇が、唯一自由な片手が、相手の足を掴もうとする。
決して離さないように。
剣の切っ先を、見据えた。]
[天使の背に乗って空へと高く舞い上がる。
それはすがすがしく心躍る体験だった。
いつ魔物に襲われるかわからないという状況でなければ、もっと楽しめるのだろうけれど。
湯煙立ち込める高さから抜け出せば、視界が広がった。
黒い結界が渓谷全体を覆っているのが見える。
あれを抜けさえすれば、魔物の脅威も減るだろう。]
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