情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
………
[周囲から伝わる目覚めぬ花精達の話題。
広いようで狭いこの街だ、話題は直ぐに広まることだろう。
治療中、となれば医者でもない自分達はそれこそ出来ることはない。
あまり気にしていないように見えるリヒャルトに倣い、今は腹を膨らませることを優先した*]
― 大通り ―
[辺りには不穏な囁きが行き交い始めていた。
一連の出来事になんだか胸が詰まったような気分になってしまったけれど、食べ物を捨てるのも良くないからと、食べ掛けのクレープはどうにか全て飲み下した]
……何が出来るわけでもないんですけどね。
[道の片隅で木陰に座り込む。
専門知識もない以上、やるべきことは普段通りに過ごすこと、なのだろうけど。
わたしの普段通りってなんだっけ、なんて作家を夢見るだけの花精は考える]
[博物館は図書館同様、『資料集め』と称して赤髪の花精が入り浸っている場所のひとつだった。
実際には何か特定のものについて調べたいということはなく、物珍しいものを眺めたり解説を聞いたりするのを楽しんでいるのだとは、学芸員にもとうに気付かれていることかもしれない。
それでも、フレデリカはこの熱心な来客を常に歓迎してくれるので、赤の花精もまたそれに甘えてしまうのだけれど]
珍しいですね、フレデリカさんがこの時間に博物館を離れてるなんて。
[金髪の花精に駆け寄りつつ、常連として気に掛かったことを口にする。
この学芸員は基本的に、お昼も家から持参して、博物館内の休憩スペースで食べているはずだ。
無論厳密なルールがある訳ではないだろうけれど]
『そうね。
でも、クララちゃんも気付いてるだろうけど、この騒動でしょう……。
何があったのか確かめたいというのもあって、ちょっと出て来たの』
[そう言って、フレデリカが視線を送るのは貼り紙があった方角]
『それにちょっと、気になってることもあって。
うちの資料にも当たってみないと……』
フレデリカさんのところ?
既にファミルさんが医術書を持ち出したりしてるみたいですけど……。
『ううん、ちょっとした勘よ。医術だけで解決するのかな、って……。
全然的外れかもしれないけど、手掛かりは増やすに越したことはないでしょう?』
[そう言って微笑むフレデリカの表情は前向きなもの。
釣られたように赤の花精も微笑んで]
そうですね。古文書に意外な答えが、なんてこともあるかもしれないですし。
[博物館の収蔵物の数々を思い浮かべながら、何処かにヒントがないか、などと夢想した*]
― 診療所 ―
というわけで、今、上にある分は持って来た。
[踏み込んだ診療所は、事態への疑問を抱えた花精たちが詰めかけ騒いでいた。
それを、『ここで騒いでも解決にならんし、ただの邪魔だぞ』の一言で両断した司書は、挨拶もそこそこに医師へと鞄を差し出す]
……これより古いものは、地下書庫にあるが。
必要か?
個人的には、医術書よりも記録書を当たった方が分が良いのでは、と思うが。
[過去に同様の事例がなかったか、あったとしたらその時はどうしたか。
それを調べた方がよいのでは、という思考の一端を零す]
ああ、わかっている。
そちらは、私の領分だ……力を尽くす。
[零した思考に同意を示した医師に頷きを返した後、改めて集う花精たちを見回して]
……不安になるのは已む無しだと思うが、医師殿も全力を尽くそうとしているんだ。
その邪魔をするのは、効率が悪いと思うぞ。
[平坦な口調のままきぱっと言い切り、診療所を出る。
その後どんなやり取りがなされたかは気にした様子もなく。
ただ、診療所に籠もっていた熱が冷め、集まっていた花精たちが散り始めたのは確かな事。*]
─ 仕立て屋 ─
[>>17クララが気に入った本は、創作を志す彼女らしいと思えるものだった。
会話の流れでした問いに返った答えも、たまにはそんなこともあるだろうと納得できるもの。
快活な彼女にしては珍しい笑顔だったのは少し気にかかったけれど、すぐに話題が移っていったのでそれ以上問うことも無く]
お茶はこっちからお願いしたんだから気にしないで。
気にかかるなら、また時間がある時にお茶に付き合ってほしいな。
[来客はあまり腰を落ち着けない人が多いから、クララのように他愛ないお喋りをしてくれる人はある意味貴重で。
来てくれるだけで礼になると笑うと、店を後にする彼女を見送った]
─ 仕立て屋 ─
[そうして、また一人の店内に戻ると先まで漂っていたお茶の香りも次第に薄れ。
程無く、嗅ぎ慣れた甘さが漂い香るばかりになる]
…香り自体は嫌いじゃないんだけどなぁ。
[溜息をついて向けた視線の先、扉越しにあるのは自身の本体。
目の覚めるような黄色の、大きなラッパの形をした一輪がこの香の出所だ。
茎に触れれば刺さりそうな棘は危ないから店先に出さず自室に置いているのだけれど、それでもここまで届く程強い香りは良し悪しという所。
甘やかさは不快じゃないけれどもう少し控えめだったらよかったのに、と思いながら先程やりかけていた刺繍を再開して品物を引き渡す相手を待っていたのだが]
─ 仕立て屋 ─
…さすがに遅いな。
午後の営業前には取りに来るって言ってたのに。
[今日受け取りに来ると言っていたのは雑貨屋を営む友。
自分の体形に合った仕事着が欲しいと言って依頼してきたものだ。
出来上がったらすぐに着たいと言っていたから、引き渡しも昼までには終わると思ってクララの誘いを断ったものの。
パイを食べてあったから空腹という訳ではないが、そろそろ昼食とは呼べない時間になると思うと流石に待っていられない。
そもそも、友は理由もなく約束を反故にするような花精でもないのにまだ来ないのがおかしいのだが]
─ 仕立て屋→雑貨屋 ─
……買い物ついでに届けに行くか。
[まだこの時は、何かが起きたなんて考えは無く。
雑貨の製作で忙しくて、こちらまで来られないのだろう位しか思ってはいなくて。
大通りから離れた立地であるが故、街中に広がる動揺もまだ届いておらず]
カトレア、居るかい?
取りに来るって言っていたけれど、お昼ついでに届けにきたよ。
[来訪の報せに雑貨屋の扉を叩いて友に呼びかけるも、中からの返事はない。
裏からまわって工房に入ろうかと思考が動いたと同時に、その声がかけられた]
『エルナ、カトレアと約束してたの?』
あ、こんにちは。
うん、カトレアに頼まれてたものを届けに来たんだけど…
原因不明の、病?
カトレアが眠ってるのも、そのせいだ、ってこと?
『…多分ね。
あの子、店から出たところで行き倒れるみたいに眠り込んでたから。
なんとかうちの中まで引きずって、布団に寝かせはしたんだけど』
[そう言いながら、彼女の家の中に入るとたしかにスヤスヤ寝入っている友の姿があった。
頬を触っても身体をゆすっても起きる気配もない彼女に落胆しているこちらの肩に、花精の手が労わるように乗って]
『長の通知を見る限り、出来る事は無さそうだから側にいても仕方ないと思うの。
いつ起きるかもわからないみたいだし、お店に戻った方がいいわ。
カトレアが起きたら、エルナのところに行くように伝えておくから』
…そ、か。
それじゃあ、私は失礼する…
あぁ、そうだ。
カトレアをここまで運んでくれてありがとう。
[気遣ってくれる花精に、友を保護してくれた礼を告げると頭を下げて。
その場を辞した私は、花精から教えられた通知の内容を正確に知りたいと掲示板のある場所へと足を進めた*]
またそんな、色気より食い気ーみたいな顔して。
恋すると楽しいと思うよ。(もぐ)喧嘩もしたりするけどさ、ただ仕事して、食べて寝て...(もぐもぐ)釣りしてって、それだけじゃ寂しいじゃない?(もぐもぐもぐ)
[ 僕、みんなに楽しく生きてもらいたいんだよねー。などと、持論を展開するものの、ライスボールと分けてもらったサンドイッチに、食い気全開で齧り付きながらでは、激しく説得力に欠ける ]
ぷはー、冷えたりんごジュース最高!
[ ごくごくと飲み物を一気飲みしてから、ようやく、その口も、一休みとはなったが ]
……君、は。
もう少しだけ、遠慮というものを学ぶべきだと思うんだが、どうか。
[手を振る姿には、と息を一つ吐き。
それでも、無視する事なくそちらへと向かい、最初に向けたのはこんな突っ込み]
食事はちゃんとすませた。
……直後にこの騒ぎで、予定は大幅変更になったがな。
[それでも問いには律儀にこう答えていたが。*]
― 大通りの露店 ―
[ライスボールと焼き魚サンドを交互に、合間に水出しのお茶を口に含み、飲み下す。
その繰り返しの中で、確認するようなリヒャルト>>64の様子に気付いたが、突っ込まずにそのまま流した。
占い師として色々相談を受けるリヒャルトとは言え、そうペラペラと人のことを喋りはしないだろう、と。
その辺りの信用は一応ある]
今のお前にそれを言われたくは無いな。
[どう見ても色気より食い気な様子のリヒャルト>>67にはしっかりと突っ込み仕返した]
どんな過ごし方をしたいかは人それぞれだろ。
[恋なんてものは気付けばしてるようなものだ。
気付いてから努力すれば良い]
……いや。
一服するのは吝かではないが、それをいただくのは遠慮しておこう。
[味がいいのはわかっていても、さすがに飲みかけは受け取れない。
故に、返すのは辞退の言葉。
口調がいつになく棒読みなのは、まあ、已む無しか。*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新