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[ 困惑顔のリヒャルト。
笑っている理由が分からないから、だなんて想像もしていない。
もし「なぜ」と聞かれても、たぶんコンスタンツェは笑って誤魔化すだろうけど。]
吸う……じゃないね。舐めるだけでもいい。
どうしてそんなに死にたがりなのさ。
[腕の中で動く身体を、少し強い力で抱き締め直す。
"どうして"と、問う口調の最後が震えた。
理由はわかっていた。]
コンスタンツェの主はリヒャルトしかいないのに、代わりはたくさんいるだなんて。
………リヒャルトは頭はいいのにばかだなぁ。ほんとに、馬鹿だよ。
[今日、リヒャルトがこんなにも弱々しいのはどうしてだろう。
否理由はわかっていた。
明日はリヒャルトの、20歳の誕生日。アインパール家の呪われた吉日。
それが苦しくて、相手の背中越しに表情を暗くするのだ。
抱きしめて、柔く細い髪に指を通しながら。
リヒャルトが首筋に歯を立てるのを待つ。
もし血を摂ってくれたならば、素直に腕は離すつもりで。]**
[なんでもない>>204と言われてしまえば、それ以上追及できるわけもありません。
ついで投げられたそっけない言葉と、憮然とした表情には キツく眉を寄せ。
――けれど。彼が倒れこんできたのなら、心配するしかないじゃありませんか]
……だいじょうぶですか?
こんなところでなく、ベッドをさがしたほうが……、
[ああ、彼とはじめて会ったときも、こんなふうだったかしら。
ドロシーは抱きしめてくる彼の背を撫でながら、そんなことを考えます。
あの時はまだ、お屋敷の床だったからいいですが。
ほんとうなら、こんなほこりっぽい場所にねそべるなんて、いやなんですよ?
とはいえ つらそうな従者を、ほうってなんておけませんから。
多少のことは、我慢してさしあげましょうね]
[泥の重みに膝を折った天使の手を掴み、引き寄せる。
傷ついた蛇体が陽を求める蔦のように天使の身体へ伸ばされた。
気づけば周囲を包むのは泥ではなく不定形な闇へと変わる。
───オマエを離さない
ナーガの意思が周囲の魔素と反応し、世界に極小の変異を引き起こしたのだ。]
[こんな時でさえ、守ってくれようとした翼。
真摯に切実に想い向き合ってくれる言葉。
繋いだ手の温かさ。]
オマエは太陽だ…
[熱に掠れた声で呟き、引き寄せた手を己の額に当てる。
祈るよう、許しを乞うように。]
[人の姿に似ていても、口の中には小さな毒牙を秘めている。
獲物の身体を侵し、痺れさせ、身体の自由を奪う毒が。]
このまま、 離したくない …
[どこへも行くなと息だけで呟き、ぬくもりに抱き着き絡みついたまま安心したような眠りに落ちていった。]
[魔力の配給は終わった。
だが、完全に使役する程の力が循環していると思えなかった。]
コンスタンツェ、離せ。
[要件は終わったのだから、と肩を押す。
先程よりは力が入っていることは、それだけで分かるはずだ。
礼を言う素振りなど片隅も見せず、横暴に我がままに、振る舞う。]
………時間は、あまりないんだ。
だから、早く。
[抜け出せたのなら剣を探して。
どちらにせよ相手を見据えたのなら休憩する素振りも見せずに促しただろう。]**
[赤い蛇身がうねり、拘束された天使の身体を這う。
掠れた声が太陽と名指して天使を求めた。
切ないほどに真摯な祈り。
その口元に運ばれた指に鋭い痛みが走る。]
──…っ !
[反射的に身体を強張らせたものの、天使は努めて平静を保った。]
[ギィは不意打ちに投げ出された先でひとりで戦うことを強いられ、水の冷たさに弱って縋ってきたのだろうと思う。
馴れ馴れしい接触には罰を与えるのが常だが、それとこれとは話が別だ。]
…怖がることはない。
[傷ついた隷魔に言い聞かせ、身体に巻きつくを許して癒しの光を注ぐ。]
[ほどなくギィは眠ったようで、身体がくってりとなる。
だが、天使にのしかかる重みはそればかりではなかった。]
…っは、
[身体が引きずられ、横ざまに膝を崩す。
麻痺毒だろうと見当はついたが、故意に噛まれたとは思っていない。
朦朧としているうちにしてしまったことだろうと。
自身の傷を癒すことは不可能だ。
敵に見つからぬことを願いつつ耐え忍ぶ。]
[この地の異変は看過できぬ規模だ。すぐにも天に伝わり、対策がなされるだろう。
天使はそれを疑わない。
眠りに逃避することもできず、手を抜くということもしない天使は、この間にも神具の行方を探した。
だが芳しい反応は得られないまま。 不安が胸をかすめる。
もはや神具は破壊され、あるいは闇の手に落ちてしまったのだろうか。
いずれにせよ、こうなってしまってはギィが保釈されるということはあるまい。]
[毒におかされた感覚はいよいよ鈍くなり、天使はギィの身体を潰さぬように苦心しながら、泥から艶やかな闇に変じた室に横たわる。
視線の先には、このまま、と甘えるように零して無防備な眠りについたギィの顔があった。]
主よ、 願わくば この者が苦しまぬよう──
グ…
[自分と主人とを別つようにバリアが現れる。この勢いのまま、ぶつかればウェルシュだってタダでは済まない筈。だがそれで攻撃をやめようと思える程の理性は残っていなかった。
ガラスの割れる音がして、バリアが消える。
全体重を乗せた突撃はバリアによって弾かれたが、薄い障壁から少女の元へいくらか衝撃は伝わっただろう。]
[崩れた体制を空中で立て直して、再び主人に向き直る。
翼を大きく羽ばたかせると、砂埃や羽が飛び散って渦を作った。
渦の大きくなるにつれて、巻き上げられる物質が硬化していくのが分かる。
ある程度まで渦が大きくなると、硬化させた自身の羽と共に打ち出す。
巻き上げられた物体がぶつかり合ってバチバチと電気の音を響かせながら、暴風が少女を襲う。]
[ 先より強い力で押し返す腕に合わせて、首がぐらんと揺れる。
切られた傷口はみるみる塞がっていくのに、胡乱な眼は地面を見つめていた。
不可抗力で腕を離せば、抜け殻のような人間の身体がそこに座り込んだまま。
剣を抜いて先を急ごうとする相手の声で、ようやく我に返った。]
ぁ、うん……早く行こう。
[剣を持てるようになるまでに回復した相手に笑みを浮かべる。
それは、少しぎこちないようにも見えるだろうけれど。
立ち上がって先行く相手の背中を追う。
落ち葉がリヒャルトの着物に付いているのに気がつけば、くすりと笑って払う為に手を伸ばし、]
[芳しい風の吹く丘の上で穏やかな日差しを浴びながら微睡む。
そんな夢を見ていた。
地底にある一族の棲家では、めったに味わえない贅沢。
ぬくもりに包まれて、癒される。
身体も癒され心も満たされて目を開けば、腕の中には眠る前と変わらぬ天使の姿があった。]
─── いた。
いなくなってなかった。
[喜色は、郷愁の色も宿す。]
あの時、目を覚ましたらひとりだった。
それがどれだけ寂しかったかわかるか?
あの日からオレはオマエを探していたんだ。
ずっと、ずっと探して、天界にも行って、
やっと見つけて、オマエを地上に誘い出して、
[絡ませた蛇尾で天使の肌をまさぐる。
全てに触れたいとばかりに絡みつき、うねって鱗を滑らせる。]
ようやく、こうして、オマエに触れられたんだ。
オレの太陽。
オレは、おまえが欲しい。
欲しくて、欲しくてたまらない。
オレのものになれ。
[解き放たれた欲望のままに告げ、確かめるように幾度も舌先で天使に触れた。
頬に、耳に、唇に、真っ赤な舌が濡れた痕を残していく。]
[夢を、見ていた]
[ただ、シェットラント様と共に旅をする夢]
[首輪はなく、鎖もなく]
[泣いたり、笑ったり、喧嘩したりしながら]
[長い長い旅を続ける]
[それはそんなに強欲な夢なのか]
[それとも、奥底の願望を見透かされていたのか]
[一瞬、受け止められた、と勘違いした。]
っうわぁ!!
[だが元々光の翼を出現させ、飛ぶのに力を割いてしまっていたのがまずかった。
ガラスが割れる硬質な音と共に衝撃波を喰らい、後方へ大きく吹き飛ぶ。]
くっうう…!!
[彼とは違い、緊急時用にと考案したが実行に移したことはなかった飛行術だ。
彼が体制を立て直す間も翼はもがき、ぐるぐると無様なダンスを踊ってしまっていただろう。]
うぇる、――……っ
[最後に見たのは。
物量のある嵐と、散る火花と、その向こうに居る親しき従者の―]
――――
[正面からまともに暗い、上空へ打ち上げられた。
同時に光の翼は形を失い、甲冑も粉々に砕け散る。
意識は闇の彼方へ飛んでしまった。
堕ちて行くのは、ボロボロのドレスを身に纏う、非力な少女の躰、だけ。*]
夢を見ていたんだな。
[目覚めたギィの吐露に、そんな理知的な判断を下したけれど、やけに具体的な説明と計略の告白に眉を顰める。
どこか心をざわつかせるその言葉を追いやるように命じた。]
回復したのなら、起きなさい。
この地は、おまえにとってもわたしにとっても良からぬもの。
毅然として対処せねば。
[天使を獲得せんとするギィの口調に報復の色がないことは見てとっていた。
身体を這い回る鱗と舌の感触は、麻痺のせいで鈍いままに未知の刺激を与える。
天使はぎこちなく身体を躙らせた。]
純粋なる者よ、
陽の温もりを求める本能がおまえの中にあることを疑いはしない。
けれど、それは欲望の形で発露してはならないものだ。
ただ、感謝をもって応えなさい。
わたしは神のしもべ。
おまえのものにはならない。
[互いを尊重し、交わす視線と承認で満足しなければ、それ以上は罪となろう。
そして、この天使は他の者よりなお厳しい洗礼を受けているのだった。
かつて一度、無垢なる魔を慈しんだゆえに。
諭して聞き入れられぬのなら体罰をもって遇するつもりだったが、ギィの耳に見慣れた煌めきがないのを知って表情を曇らせる。
少しばかり、切ない。]
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