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―???―
[空には満天の星。
それを見ながら、ああ晴れたんだ。そう思いながら足を進める。
行き先は娘の家から一番近いゲルトの家。
何故そこに行こうとするのかはわからないまま、歩く映像をみている。
やがてゲルトの家にたどり着けば、扉をノックする。
しばらくした後、ゲルトが出てきた。
眠そうに目を擦っている。
娘はその光景をぼんやり見ていた。]
「……パメラ? どうしたのこんな夜遅くに……」
[そう言いながらゲルトは1つ、大きな欠伸をした。]
オ腹、スイタノ……
[娘は一言そう言った。]
「そりゃ難儀。でもわざわざぼくの所に来なくても……」
[そう答えたゲルトは此方を見ると目を大きく見開いた。
次の瞬間、叫びながら娘を突飛ばし、林の方へ逃げ出した。]
待ッテ……
[娘はその後を追う。]
[一回瞬きをすると、景色が変わっていた。
先程まではゲルトの家の前にいたはずなのに、気が付いたら今は林の中。
目の前ではゲルトが走っている。
どうしたの?
そう尋ねようとすると獣の息遣いが聞こえた。
まさか……。
娘は蒼くなり、走りながら目の前のゲルトを呼び止めようとする。]
ネエ、待ッテ。
[ぼーっとした顔で必死に逃げるゲルトの後を追う。
ゲルトは此方を振り向く。その顔には恐怖の色が宿っていたか。]
逃ゲナイデ
[来るな!と叫ぶゲルト。
するとゲルトは木の根に躓いた。
起き上がろうともたついている間に距離を縮め、やがてゲルトの目の前に立つ。
此方を見たゲルトは恐怖に目を見開いていた。
娘は右手を振り上げる。
するとその手は人の手から、その身体にはおよそ似つかわしくない大きな、獣の手へと変貌する。]
「ひっ……あ、う、うわああああああああ!!!」
[叫ぶゲルトの頭へ、娘は右手を力強く降り下ろした。]
[瞬きをすると、また景色が変わっていた。
目の前には赤い頭巾を被った男が横たわっていた。
星に照らされ、頭巾の合間から見えるのは金髪。
それからゲルトだと言うことは容易にわかった。]
(ゲルト、その頭巾似合わないわよ)
[何故頭巾を被っているのか不思議には思わず。
似合わないと思いながらもそれを外すことはしない。
目蓋が重くなった娘はそのまま目を閉じた。]
[クララの戸惑い>>212>>213を感じて、ペーターは今度こそ胸が痛くなった。
クララはこんなにも、ペーターのことを「1人の人間」として認めてくれている。
そうして、心を痛めている。
ペーターはゆるゆるとかぶりを振った]
クララさんがそう言うなら、それは僕だって同じだ。
僕も、クララさんのこと何も知らない癖に、勝手に怒って……
僕は、ずっと自分のことばかりで……
[言葉が、気持ちが、後から後からあふれた。
こんなに支離滅裂では伝わるものも伝わらないだろう。
そう冷静な自分が囁くのに、止められない。]
だって…僕は……僕は……
[頭の中で沢山の事が交差する。言えることも言えないことも。
零れそうで、苦しくて、伝えようとすればするほど、その方法がわからなくなる]
[倒れたたゲルト≪獲物≫をぼーっと見つめ、動かなくなったのを確認すると、娘は四つん這いになり口をゲルトの喉元へ。
口を開き、首筋に犬歯を立てると、そのまま食事を始めた。
やがてお腹が満たされると立ち上がり、フラフラと家の方へ歩き出した。]
……ごめん、なさい
[結局、言葉はそこに戻ってきた。
けれど、そこで立ち止まることはもうできなかった。
ペーターは知ってしまった。
自分の中にある、ただ「島が嫌いだ」という気持ちの他にある、もう一つ。
失いたくない気持ち。
だから、ペーターは顔をあげた]
…話……。話が、したい。
僕は……喋れないことも、たくさん、ある、けれど…
それでも、あなたと、話がしたい。
[ペーターの頬を、涙が伝って、零れ落ちた。]
赤ずきんは首を傾げながら母親に訊ねました。
「もし、頭巾を外したらどうなるの?」
母親は赤ずきんを優しく抱き締めながら答えました。
「お前は、お前ではなくなってしまうかもしれないね。
だから、そうならないよう、頭巾を被ろうね」
起きているときも。出掛けるときも。寝るときも。
絶対外さないようにしようね……――
―道―
…重っ。
[包み紙に入った十冊もの本を、雨に濡れないように自分が着ている合羽の中に入れて歩けばお腹が鳴った。
図書館で集中して資料を読んだりクララやディーターと話していたから気づかなかったが、そう言えば朝食しかまだ食べていない。
まだオットーの無事を確認していないし、オットーのパンが食べたいな…と思ったところでぎゅっと目を瞑った。]
(なに俺はいつもみたいに呑気なことを考えてるんだ。オットーは”人狼側”かもしれないのに…っ。)
[まだ、会いに行く勇気が出ないまま、風が吹き荒れる中を走った。]
[クララはペーターの話しに耳を傾けていた。胸に置いた手から伝わる心臓の鼓動がやけに大きく感じた。
ペーターは何かを伝えようとするけれど必死だった。辛そうで、苦しそうで、それなのに。
顔をあげたペ―ターの目元に光る涙を見てクララは嬉しくなった。
一瞬、涙は煌めいたかと思うとすっと引いていく。
きっと涙は目の縁から零れて頬を伝っていったのだろう。]
ねえ、ペーター。そう思うなら、謝らないで。
[手を伸ばせば濡れた頬に触れただろうか。
クララは目を細めて口元を緩ませた。戸惑うような、困ったような、そんな笑み。]
うん。わたしもね、ペーターと話しがしたい。
考えたら、わたしたち。お互いの事を何も知らないんだもの。
だから、すれ違うのは当然だよね。
―10年前:人狼視点―
[緑の服を着た男は海の側で待っていた。
嵐は過ぎたとはいえ、未だ雨風は強い。
だが飛ばされない程度だ。何とかなるだろう。
そう思って呼び出したのだ。]
「お待たせしました、何かご用でしょうか?アルビンさん」
[後ろから声が聞こえ、振り返ると小さな同胞の母親の姿。]
「…まさか、本当に来るとは思いませんでた」
[そう言いながらフッと鼻で笑った。
まあ、呼び出したのは自分なのだが。
訝しげに此方を見る女の視線に気付くと、アルビンは真っ直ぐ見詰めた。]
「騒ぎを起こしたくありません。単刀直入に言いましょう。
娘さんを迎えに来ました」
[何のことだかわかりますよね?
女の顔は恐怖でひきつっていた。が、それに構わずアルビンは続ける。]
「迎えに来たのはいいんですがねえ…。
誰かさんが術をかけてしまったらしく、今のままでは同胞として迎えられないんですよねぇ…」
[そこまで言うと、アルビンはにっこり笑って女に尋ねた。]
「あの術、解いてもらえませんかね?」
[術さえ解いてくれれば危害は加えません。そう付け加えて。
しかし返ってきた返事はNOだった。]
「うちの娘を人狼として引き渡す訳にはいかない」
[そう気丈に答えて見せた。
アルビンは真顔に戻ると溜め息を吐き、右手を横に伸ばした。]
「……仕方ありませんね」
[右手は段々変化していき、やがて大きな獣の手へ。
それを見た女が息を飲むのとアルビンが間を詰めるの。
どちらが早かっただろうか。
アルビンはその手を女の心臓目掛けて突き刺した。
温かい液体が手を染める。
足で身体を押さえ、手を引っこ抜くと女はそのまま後ろへ倒れ、荒れ狂う波に浚われた。]
「大人しく頷けば、死なずに済んだものを…」
[そう呟くと、もう一人が迎えに行っているだろう同胞の元へと足を進めた。]
[クララはどんな話しをするべきか考える。
迷う様に視線を彷徨わせれば再び視線は窓の外へと。
すると、確かに其処は暗闇が支配していた筈なのに、晴天の予感のように上空には一閃があった。]
あのね。昨日、ペーターには島に来た理由に海を見たいからだって言ったけど、
それだけじゃなくって、此処の星空も気に入ってるのよ。
今夜は見えないみたいだけど、
明日は満天の星空が見えるかしら。
[無邪気にそう言っては、嬉し気にはにかんだ。**]
[オットーに会ったら今の自分はどうなってしまうかわからない。
図書館に入って行った時に聞こえたディーターの言葉が、クララの言葉が頭を駆け巡る。]
『……そうだな。守るため、ってーんなら……殺さなきゃ、なんねえな。』
『私がどうなっても構わないけど、……守るためならね。』
[ずっとずっと親の仇を討ちたかった。ずっとずっと”人狼”を殺したかった。
だけど、”オットー”を殺すために自分は毎日ナイフを振り回していたわけじゃない。
まだ確信があるわけじゃない、だけど全てを繋ぎ合わせればそうとしか思えなくて、でも確信があるわけじゃ…。
思考が行ったり戻ったりする。
今日みたいに何事も起こらず毎日が過ぎてくれとただただ願いながら、息をするのも忘れてがむしゃらに走った。]
[クララの手が、頬にふれた>>224
涙で濡れた肌に。ペーターに、触れた。
クララは、笑っていた。>>225
満点の星空のような、そんな笑顔で。
そのときペーターは、奇妙な幸福感の中に居た。
ただ全てが大丈夫なのだと、そんな不思議な確信に満ちた、幸福。
伝えれば、伝わる。
伝えられたことが、届く。
そんな確信。
ペーターは頬を撫でるクララの手に、自分の手を重ねた。]
…僕の名前は、ペーター。ペーター・プロント。
この島の子ども。この島が嫌いで…でも、島の皆が、嫌いになれない。……大切たと、思ってる。
11歳の、子どもだ。
[ただ、当たり前のことを、ありのままに。]
―自宅―
はぁ…はぁ…。
[結局、オットーとゲルトの無事は確認しないまま自宅へと帰って来てしまった。]
(ゲルトの家は明日行こう…)
[嵐や台風の後に、歩道に倒れた街路樹などを片付けるのは若い男の仕事だった。
自分とゲルトは定職に付いていないので、率先してしなければならない。
面倒臭いな…と思った。作業じゃなくて、惰眠が好きなゲルトを起こさねばならないことが。]
-道-
[ペーターは、道を歩いていた。
このまま右に曲がれば、自宅。
左に行ったのならば、ヨアヒムの家がある。
ペーターは、ずっと前からそうすることが定められていたかのような自然な動作で、左へ曲がった]
[占いをするためには、いくつかの「作法」がある。
最も重要なのは夜に、一人きりになれる場所で行うということだ。
ペーターは、ヨアヒムの言葉に甘え、今夜も彼の家に泊めてもらうつもりだ。
ペーターは今夜、占いを行わない。
何故なら、答えは簡単。必要が無いからだ。
ーー見つけるべき人狼は、いない。
それが、ペーターの出した「答え」だった。]
-ヨアヒム宅-
[窓からは灯りが見えた。きっと彼は家に居るだろう。
ーー今夜は少し、素直になれそうな気がする。
そんな軽くなった心のままに、ペーターはヨアヒムの家のドアをノックした]
ヨアヒムさん?
僕だよ、ペーター。
今夜も、泊めてもらってもいい?**
―10年前:人狼視点―
[緑の服を着た旅人風の男は、パメラの家の前に立っていた。]
『やっと見付けた。小さき同胞、我らが妹』
[そう人狼特有の"声"で囁く。
しかし、中からは返事が来ない。
母親の手によって掛けられた術。
そのせいで、"妹"は人狼としての能力を封じられているのだ。
ニコラスは溜め息を吐くと、扉をノックした。]
「だあれ……?…ママ?」
[中から聞こえてきたのは怯えたような小さな声。
ママかという声にできうる限り優しく、裏声を使って返事をする。]
「そう。ママだよ。この扉を開けて頂戴」
[しばしの沈黙の後、再び小さな声が聞こえた。]
ペーター…っ。
…もちろん!
[勢いよく扉を開けると、なるべくいつも通りの笑顔を浮かべて出迎えた。
その後ペーターに、ゲルトと…オットーに会ったかさり気なく訊いて全員の無事を確認すれば心底安堵し]
(やっぱり人狼はいないんだ…。オットーも…。)
[そう思えば、いつもの調子でペーターと一緒に食事をしたり、「俺が選んだんだけど、こういう本読む?」と訊きながら図書館で借りてきた本を渡してみたりして。]
俺、明日は早めに起きてゲルトの家に行くよ。
あいつなっかなか起きないからさ…。
[寝る前にペーターにそう告げてから、眠りについた。**]
「…ウソ。
ママは出掛けるとき、ちゃんと鍵を持っていくもん」
[そう答えられニコラスは溜め息を吐いた。]
「…嘘をついて悪かったね。僕はママのお友達だよ。
君の面倒を見てくれって頼まれたんだ。この扉を開けてくれないかな?」
[嘘を認めながらも、また嘘を重ねる。
するとまた小さな声が返ってきた。]
「…ママに、知らない人が来ても扉を開けちゃダメだよ、って言われた」
[そう言われてしまい、深い溜め息を吐いた。
躾ができているのも困り者だ。
どうしようかと悩んでいると、海の方からアルビンがやって来た。]
「首尾はどうですか」
「それがね。中にいる子やぎちゃんは慎重でね」
『記憶も戻らないみたいでねぇ…』
『そうなんですか?』
[アルビンがここにいるということは、パメラの母親を始末してきたということなのだろう。
参ったと言う風に両手を上げながら、念のために囁いてみる。しかし中からは返事がこない。
やはり記憶は戻っていないらしい。]
『参りましたね…母親は今頃、海の藻屑ですよ?』
[アルビンは頭をかきながら唸り始めた。
術者を殺せば術が解ける。そう思っていたのだが。
どうやらそれは思い違いだったらしい。
死んだ後まで。忌々しい術者≪母親≫だ。]
「この家を壊す訳にはいかないんですか?」
[そう言いながら扉に手をつく。
この程度なら、ちょっと力を使うだけですぐに壊れそうだ。
しかし、ニコラスは首を横に振る。]
「それは駄目だよ。妹は記憶を失っているんだよ?
僕らの本当の姿を見たら、きっと騒いでしまう。
それで誰かが来たら、それこそ問題になってしまう」
[アルビンはうーーん……と再び唸り始める。]
「強引にでも、記憶を呼び覚ます他、なさそうですねぇ…」
「どうやって?」
[それは…とアルビンはちらりと扉を見る。]
「それは…本能を呼び起こさせるしかないでしょう」
[三大欲求の1つ、食欲に。
そう答えるとニコラスは溜め息を吐いた。]
「…できればやりたくないけど…それしかなさそうだね…」
[自分の命を危険に晒すことなど、出来うるかぎりしたくない。
だが、本当にそれしかなさそうだ。]
[娘は知らない。
自分のせいで10年前の騒動が起きたことを。
母親に掛けられた封印のせいなのか、お陰なのか。
何も覚えていなかった。**]
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