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[血の親は何処か他に意識を移しているようだ。
いつにない様子に違和を覚えたが、彼女が蝶を通じて何を見たのかは男には分からない。]
……。
[男は自らの手の甲に牙を立て皮膚と肉を割き、疵を作る。
疵口から溢れ、零れ落ちた血を前にして男は口の中で呪を唱え。]
――……。
[吸血鬼となった男の手には愛用の武器はなかった。
行方を捜索に出た教会に回収されたのか、それとも誰かに拾われて売りにでも出されたか。
どちらにせよ、男がその地に赴いた時には戦斧はなく。
――だから男は新しく武器を作る事にした。]
[気になる方向へと進む。]
広間か、魔の眷属と棲家とはいえたいした物だ。
しかし肝心の眷属達は何処だ!?
[向かった先に眷属の姿は見えず。
己の敵はいまだ見つからなかった。]
[材料は自らの血液。
古代文字で紡がれた呪文の詠唱によって男の目の前に現れたのは、
鉱石の如く固い物質で出来た黒い柄に刃渡りが三尺程もある巨大な三日月状の斧刃が取り付けられた
刃の色はその材料を示すが如く、薄らと真紅を帯びていた。]
君の剣技は人としては稀に見る能力だと思うけれど──それでは届かない。
[事実の宣告に見せかけた挑発。
そして、その場に留まったまま、「騎士」の次の攻撃を待った。
誘い込もうとするごとく。
実際、ここよりは有利な戦場へ移動したいのだ。]
― バルコニー ―
「聖女」に「騎士」に「修道騎士」に、
もうひとつ「神子」、か。
あとはなにが出てくるんだろうね。
[バルコニーで行われている戦いに、未だ手を出す心算はない。
ゆらりと揺れ動く蔓は騎士の動きに追随するも、
指揮者の指が振られるのを待っていた。]
[ 胸の前で聖光ロザリオを両手で包み、静かに祈った。
場を清め、使徒が彼本来の力で戦えるように。
……野茨を押しのけて、石を割って、蒲公英がぽつり、ぽつりと咲いた。 ]
[ ユーリエは知らないが、しかし、感じてはいる。
使徒であるこのソマリは、ユーリエを供物と考えていることを。 ]
[自分の血液で出来たそれは、男の手によく馴染む。
戦斧の柄を握り、滲む血液を舌で舐め取った頃には、疵は殆ど塞がっていた。
――教会に属していた頃、人体実験による効果で得た再生能力よりも遥かに早い速度に男は眉間に皺を寄せた。]
[薙ぎ払う剣先を、敢えて硬い板金部分で受け。
金属を叩き、弾き返す打音、切っ先が表面を引っ掻いていく叫声が連続して一音となる。
不安定な体勢からの一撃は、鎧を切り裂くには至らず、打撲を与えるのみ。
確かに耐え切れぬものではないが、それでもきつい振動は伝わる。]
まぁ、それはそうですねぇ。
私も人里近くに住んでいたことはありましたが、この身を保つための糧は頂いていましたし。
[目の前の男>>204へ同意するように頷き、どこか楽しそうに笑う。]
教会の人間は、神を盲信する愚か者ばかりだと思っておりました。
貴方とならいい酒が酌み交わせそうです。
[それが実現しないことを知っていながら、夢を見るようでもなく、ただ感じたことをそのまま零した。
そこに先程までの敵意はなく、すでに戦闘する意思のないことを示している。]
貴方には、誰か大切だと思う方がいますか?
友人や家族、恋人、誰でも構いません。
[普通だと答えた男>>206に最後の問いを投げかける。
引き千切られた髪は力を失ったように地へ落ち、そのまま風に攫われていく。]
吸血鬼にだって、そういった思いを抱く者はおります。
だから私は、人間と吸血鬼の差なんて、大したことではないとも思うのです。
その感覚は、私には分かりませんが。
[同胞について語るにしては、どこか遠い響きを持った音が響く。
男にとっては人間も吸血鬼も、害を成す存在であることに変わりはないのだ。
そこにあるのはただ、無関心に近い嫌悪である。
肩を竦める動作には、侮蔑と自嘲の色が混じっていた。]
[初撃はほぼ痛み分けに近い。
どちらもこの程度の打撲傷で動きに影響が出る身体はしていない筈だ。
寛ぐ城主が気になるが、この状態では如何ともしがたい。]
[悪戯のようにたった一本残った髪が、彼の剣の付け根に巻きつく。
魔の気配を宿したそれのせいで、剣へ纏う聖の力は弱められているだろう。]
貴方が約束を守ってくれること、期待しておりますよ。
ではまた、生きてお会いできることを楽しみに。
[勝手に約束だと言い表し、緩やかに目を閉じる。
戦った男の名を聞くこともなく、顔を見るために振り返ることもなく、己が血の落ちた地面を踏みしめ歩き出した。]
― 観戦中 ―
[茨のリスは、ひらと舞う黒蝶に首を傾げて、髭そよがせる。
風纏う騎士が城主の弟に切りかかるのは黙ってみていたけれど、
足元の茨を押しのけて芽吹いた蒲公英には驚いて、
小さく飛び上がり、より濃い暗がりへと逃げ込んだ。]
……
[続々と仲間が前庭へ、城内へと向かっていく中でオズワルドはひとり、そこに立っていた。
声。足音。ぶつかる金属音。
風が運ぶ、僅かな鉄の匂い。]
[>>212>>223アプサラスに声を掛けられたのは、戦斧が男の手の中に収まった後か。
その内容を吟味した後、考えている事をそこから読み取ろうとするかのように自分の褐色の奥を覗き込む彼女の視線に気付き。
それに対する男の答えは。]
――少し偵察に行ってくる。
[使い魔を使う事は出来るが、間接的な方法を男は好まない。
自分の居場所は血親たる彼女になら手に取るように分かるだろう。血によって結ばれた縁は人間には出来ぬ事も可能にさせる。
何かあれば呼べ、とは言わない。
彼女が自分に遠慮する事などないだろうと思うから。
サロンにいた頃に感じた七つの気配を導にして、血親に留められなくば男は塔を後にしようと。]
―城内―
[行く手に立ちふさがるのは吸血鬼でもなく、その血子でもなく、散るのは蔓と紅い――野茨の花弁。]
…――
[赤――、朱――、紅――。
焼けて灰の粉となり、散っていくその色に、何かが呼び起こされる。
星々を映し出す鏡のような湖面、沢山舞う小さな灯り、そして薔薇のような深紅の髪の――]
― バルコニー ―
謝ることはないよ。
おまえはよくやった。
[謝罪を紡ぐ我が子に言葉を掛け、立ちあがる。]
おまえが尽力してくれたおかげで、
私もずいぶんと楽になった。
―――ふふ。あとで一緒に稽古をしよう。
おまえと剣を交えるのも、きっと楽しい。
[神の使徒らを退けた後のことを当然のものとして口にする。]
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