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あのね、
私がいくらこの学園に相応しくないように言われても、ここにしか私の居場所はないんです。
私は継母に疎まれていますから、生家に戻れば事故と見せかけて殺されてしまうでしょう。
郷里から遠く離れたこの場所に逃げて、かつ、とるに足らない人間だと思わせるために愚かな振る舞いを重ねる。
そうしないと生き延びることができない──情けないですが。
[ そっと唇を噛む。
虚実の入り混じった身の上話にリヒャルトはどう反応するだろう。*]
― 5年前/魔法学園都市 ―
[どぎまぎするこちらに対し、リヒャルトはまるで理解していないような表情を向けていた>>152。
もー、と怒りたい気分だったが、この状況でそれをやれば更に墓穴を深くする。
それに、と、下を見下ろせば少しだけ頭が冷えた。
リヒャルトの魔法がしっかり支えてくれているとはいえ、危険な位置にいることに変わりはない]
はい……。
よろしく、お願いします。
[大人しく身を預けると、あとはリヒャルトが魔法を操るのに任せた]
[対岸についた後は歓迎の言葉と同時に、慣れない魔法を使う時の心得についてもたっぷり聞かされた。
リヒャルトみたいな無茶はしちゃ駄目、なんて言には、苦笑を浮かべるしかなかったけれど**]
魔法は、羽根も生え揃わない雛が遊び道具にできるようなものじゃない。舐めていると痛い目を見るぞ。
[ 最後まで、とことん厳しい視線と口調で言い切った教師が、実は前日に赴任したばかりで、クラスを持たないために出迎え役を任されたのだとか、実際は飛行魔法を点数評価する規定などは無いのだとか、そういった事実がリヒャルトに伝わるのは後日の事。
知って抗議されたとしても、男が動じることはなかったが。]
リヒャルト!!加減を考えろと言っただろう!?これは魔法のコントロールを覚える訓練で、限界を測るテストじゃない!
[ 何の因果か陰謀か、結局、最初に受け持つことになったのが、リヒャルトのクラスで、以後毎日のように、教室に響き渡る怒声が名物扱いになるのに日にちはかからなかった。 ]
[ ようやく歳を重ねて、リヒャルトにも多少は落ち着きが出て来たかと思った頃、今度は、帝国から投げ込まれた爆弾のようなドロシーの巻き起こすトラブルと、そのトラブルに頭から突っ込んでいくリヒャルトの衝突が新たな学園名物となった。
衝突が収集のつかない騒ぎとなれば、仲裁に駆り出されるのはやはり教師の役目で...]
とんだ貧乏籤です。
[ ぼやけば、リヒャルトの入学時の裏を知る学長からはとても生暖かい視線を向けられた。 ]
「コントロールこそ未熟ですが、重複魔法詠唱を難なくこなした上、水の魔法が切れた直後の立て直しの素早さはあの歳の子供とは思えませんでした。リヒャルト・ターゲリートの才は間違いなく本物でしょう」
[ あの日、学長にそう告げたのは、間違いなくこの教師であり、結局のところ、その評価は、その後も変わってはいないのだから。]
― 過去の一幕 ―
[問い返しに向けられたのは、曖昧な笑み。>>157
その内心を知ったら知ったで、突っ込みが飛んだだろう……とは言うまでもない事か]
…………。
[語られるドロシー側の事情。>>158
入り混じる虚実を判別する術は少年にはない。
だから、そのまま聞いて、そのまま真っ直ぐ受け止めて]
……ま。
ここしか居場所がない、っていうのは、ある意味じゃ、俺も同じだけど。
[ぽつ、と漏らすのは、今まで誰にも零した事のない部分]
にしたって、もーちょい、やりようってのがあるだろー。
医療班沙汰とか、備品の質流しとか。
そんなの繰り返してたら、ここにも居られなくなるのがオチだってば。
[後者に関しては流される方もどうなんだよ、とかも思うがそれは置いといて。
苦言めいた言葉を向けた後、は、とひとつ息を吐いた]
えーと。
言い難そうな事情、話させたのは、ごめん。
[そこは素直に謝るものの]
……でも、やり過ぎてる、と思ったら、俺は遠慮しないで止めに行くからな。
そこは、はっきり言っとく。
[そこだけは譲れないから、はっきりきっぱりそう告げて。
その意志を貫いた果て、思わぬ形の別れ>>156となる事は、この時はまだ知る由もなく。*]
― 魔法学園・城壁上 ―
なかなか、育ったもんだ。
[ 8年前と比べれば、遥かに力強く空を駆ける若者の姿に男は藍色の瞳を細める。彼の成長に大きく関わったのは、今、真っ直ぐに向かおうとする先に待つ存在だろうとも男は気付いていた。
フレデリカ・アルマリッヒ...生まれも育ちも性格も、凡そ重ならないはずなのに、リヒャルトとの間には、確かに無二の絆があるのだと、傍目にも判る少女。きっとこの先に待つ過酷な道でも、彼女の存在はリヒャルトの支えとなるだろう。]
― 回想/1年前 ―
[戦いの仕方を教えて欲しい。
そうロヴィンに志願したのは、首都陥落やそれに伴う避難民受け入れが一段落した頃合いだった。
家族が戦火に巻き込まれた者も多く、学園内の空気は重苦しい悲しみに満ちていた。
ロヴィンもまた、家族を亡くした一人だとは、囁かれる噂の中にもあったけれど]
――はい。
戦いに向いてないことは、自分でもわかっています。
[それは才能というより、心構えの問題だった。
フレデリカが戦闘系魔法をほとんど学んでいないことは、その習熟度を知る立場であれば知れたことだろう]
でも……このまま何もしないでいることは、どうしても出来なくて。
誰かが戦わなきゃいけない時に、そこに居る資格すらないのは――やっぱり、嫌なんです。
[言いながら、体側にある両手をぎゅ、と握る。
その胸中にあるのが誰の姿なのかは、もう既に知られたことかもしれない]
強く――は、なれないかもしれないけど。
せめて、背中を向けないでいられる自分で、いたい……。
[こんな時に何を、と思われるかもしれない。
それでも、状況に流されるばかりの自分より、一歩でも前に進みたかった*]
それはそうと、リヒャルト君も、他に行くところがないなんて…、
これはもう、フレデリカちゃんの婿になる運命としか!
[ 唐突にそっちに話を持っていく。
何やら特別な関係っぽさを感じる二人だ。
フレデリカは奥手なところのある子だし、リヒャルトはリヒャルトで鈍いところがあるから、ここは後押しが必要だと思う。*]
― 五年前・帝都震撼 ―
[クルーザン帝国の初代皇帝が堅実に国を動かす人物であることは、近くで見るようになった数年でもかなり実感出来たように思う。
時代が時代なら、とても人気のある皇帝になったことだろう。
だが時代が悪かった。
情勢が悪かった。
先のこと、民のことを良く考えていた皇帝だったが、刹那を求める者達にはその行動がじれったく、不満に思われていたようだ。
男もまた、その身に宿す業を活かせぬ日々を退屈思っており、少なからずの不満を抱いていた]
俺の剣は護りの剣じゃあねぇんだがな。
[いつだったか、ぼやいた言葉を聞いた者がいるかもしれない。
人を斬る業を持ちながら、
自分を活かせぬ立場に縛られている現状に満足しているはずがなかった]
[そんな折だ、宮中が騒がしくなったのは]
《ウル》関係の施設が反乱者に奪われただぁ?
[厳重に管理されていたその場所がこうも簡単に奪われるなど思いもしなかった。
明らかに反乱者への協力者・離反者が多い。
相当不満が溜まっていたということなのだろう]
やれやれ。
剣を振るえる状況なのは良いんだが。
[さて、身の振りはどうするか。
情報によれば反乱の首謀者は若い軍人だという。
首謀者が皇帝を狙うのは火を見るよりも明らか。
皇帝が討たれるならば、次の皇帝はその人物となる可能性は高い]
(今の皇帝と次の皇帝、どっちがマシか、だな。)
[正直なところ、魔法の才がなくとも出世出来るこの国は居心地がいい。
ただ、今の皇帝は男の使い方を理解していない。
戦場に出さず、功績だけを見て傍に置いているのがその証拠だ。
次の皇帝も同じならば、どちらが上に立とうが男にとっては同じことなのだ]
陛下の部屋の前で待ち構えるぞ。
[とはいえ、近衛長という立場である以上、その思考を部下の前でひけらかすわけにもいかず。
体裁は保ちつつ、首謀者と顔を合わせるのを目的として待ち構えることにした。
他の近衛兵を引き連れ、首謀者が現れるだろう皇帝の部屋の前へと現れる]
…お前、《ウル》の被験者の、……ファミル、だったか。
[首謀者の姿を見て、記憶の姿と照らし合わせる]
……反乱を為して何とする?
お前の目的は一体なんだ。
[問いかけは実にシンプルだ。
相手に示したい主張があるなら、聞くのが手っ取り早い。
今の皇帝に忠誠を誓う一部の近衛兵にしてみれば、何故そんなことを聞く必要があるのか、と思うかもしれないが、男は判断するための情報を相手へと求めた*]
― 学園上空 ―
……っ!?
[移動の途中、届いた声。>>149
ただならぬ響きを帯びたそれに、嫌な予感が積み上がる。
急ぎ、空を翔けた先に見えたのは、人の橋を渡り駆ける姿>>151]
いや、無茶だろそれ!
[思わず突っ込みが先に飛んだが、それどころじゃないのは一目瞭然。>>169]
風よ集え 唸り上げよ。
鋭き咆哮 その響き刃と変えて。
切り裂くがため 疾く、翔けろ!
[鈴の音と共に吟ずるのは、乱舞する風の刃を生み出す呪歌。
焦りと、蓄積しつつある疲労からやや精度を欠くそれは実質牽制目的のもの。
ここで、本格的にやり合う余力、なくはないが、それをやっていては恐らく離脱し損ねると思うから]
……フレイ!
[今はただ、真っ直ぐに絆の先へと手を伸ばす。*]
― 対ドロシー ―
[こちらの姿にドロシーは何を思うのか。
獲物を見る目は炯々と輝いているように見えた>>169]
――や、
[ようやく開いた口だが、歌を紡ぐ暇があるはずもなく]
やめ、……
[代わりに零れたのは懇願めいた声。
喉が潰れる痛みはなかったが、それを幸いと言っていいのかどうか。
的確な圧迫に、視界はあっという間に暗くなる*]
[――しかし、その刹那]
[声が聞こえた気がした。
それは、絆により繋がった、音ならぬ声でなく>>177]
――――!!
[数瞬でも長く、意識が保つことを願いながら、その声の先へ必死に手を伸ばす*]
― 過去の一幕 ―
あー、うん。
それは構わない、けど。
[こんな事情、広めるべきじゃない、と思うから、内緒にしてほしい、という願い>>170には一つ、頷いて。
それじゃあ、反省文仕上げるか、と思った所で、思わぬ言葉が飛んできた。>>171]
へ?
いや、なんでそこでそうなるわけ?
[どこまでも真っ直ぐな少年は、同時に、どこまでも天然鈍感である。
きょとり、碧の瞳を瞬かせて問う様子は、完全に素とわかるものだった。*]
― 城壁上 ―
[ 城壁全てを崩し尽くさん勢いで飛来する投石を睨んで腰に下げたサーベルの柄を軽く握り締める。
一年前、陥落した首都から辛うじて落ち延び、一報を伝えた使者は、父の部下でもある魔導師団の伝令だった。彼は、父の最後の様子をも男に伝え、その愛剣を決死の覚悟で確保して形見として手渡してくれた。 ]
『この剣だけしか…御遺言を残される事も叶わず…』
十分です。親父殿は遺言など残す人じゃない。
[ ただ残された剣の重さだけが全てだと、男は知っている。 ]
帝国の死神、か。
[ レオンハルト・ヘンカァ...その名を知らぬ者は、今やこの大陸には居ないだろう。その死神と対峙して、父が稼いだ時間は僅かでも、決して意味の無いものではなかったはずだ。
その蹂躙の刃を逃れて、この地に首都陥落の報せを齎した伝令の姿こそがその証拠。 ]
『人にはそれぞれの役目というものがあるのだ、ロヴィン。私とお前の役目は違う。それは当然の事。私は私の為すべき役目を、お前はお前の為すべき役目を果たせばいい。』
[ 父はきっと、その言葉通りに、命を賭けて己が役目を果たしたのだろう。 ]
俺の役目はまだ、終わっていない。そうだろう?親父殿。
軛より放たれし者 自由なる疾風
清涼なる息吹にて 我が翼を支えよ
[ 足元に飛来した投石に、城壁が崩れる寸前、再び空へと身を運び ]
冷たき石くれ 命を宿せ
昏き闇裂く 流星の如く
降りかかり 降り注げ
[ 続く詠唱は、崩れた城壁の瓦礫をそのまま石飛礫として、帝国軍の頭上に降り注がせる。 ]
魔法は一つの技能だ。
強い力だけが有用なのじゃない。
使い方次第で弱い力も強者を退ける技に成り得る。
[ けれど、と、教師が最後に伝えたのは ]
フレデリカ、最後に勝つのは、戦いに勝った者じゃ無い、戦いを生き延びた者だ。君は決して、それを忘れるな。
[ それを彼女が忘れなければ、彼女の対もまた、それに倣うだろうから。* ]
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