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[ あてがわれた品を身につけたウェルシュに、アレクシスは肯定的な感想を伝えた。
自分では見ることのできない位置にあるものだから、客観的な視点はありがたい。
最後の手直しとばかりに触れられた時、かすかな金属音がしたのは聞いたが、施錠されたとは気づかなかった。]
ありがとうございます。
[ ひとつのチェックを通過した安堵感で、つい、儀式ばった口調を忘れてしまう。
けれど、アレクシスの口から「あなたはもう世俗の人間ではなくなる」と指摘され、はっとした。
アレクシスがその言葉に帰すものが己の希望と異なることなど知るよしもないけれど。]
[ 新たな着衣として示されたのは、季節感も用途もバラバラなラインナップだった。
正直、戸惑いが先行するが、喜捨された品とみなしてという説明には道理があって、腹をくくる。]
これ、を
[ 酒場の従業員風の服を選んだが、選択肢はあくまでもテスト用だったらしく、アレクシスは最後に本命を持ち出してきた。
「あなただけのために用意されたもの」であるという。それを拒む理由はない。
黒革のベルトが全体をシャープなイメージにしている白の軍服。
今しがた首につけたバンドともマッチしている、と思いながら、袖を通した。*]
[視界を塞げば、自然と他の感覚が鋭くなる。
周囲の音をよく聞こうと集中させた耳に肯定の言葉が届き、それだけで尖った神経が落ち着く心地がした。
すっかりと心許している自分を自覚しつつ、導かれるまま肘に掴まる。
触れた指先に、今度は意識が集中した。
捕まる腕が揺れ、離れていく感覚がある。
いくらか慌てて、追随した。]
[最初の内は視界を塞いで歩く感覚に慣れず、歩幅も小さく探るような足取りになった。
相手の歩調に合わせれば小走りに近くなる。
時折は導く腕を強く握ってしまい、息吐きながら緩めることもあった。
それでも少し歩けば慣れてきて、普通に歩けるようになる。
腕から伝わる意図を読み取り、素直に歩けば危険はないという理解が、理性ではない部分にまで浸透した。
なんのことはない。目を瞑って歩くだけだ。
触れた指先から伝わる揺るぎなさに落ち着きを取り戻し、ためらいを振り捨てる。]
[だが次第に周囲の様子が変わった。
床の質感は変わらぬまま、不規則なうねりが足元に現れる。
踏み出す先の不確かさに緊張が増し、掴む指に僅かに力が籠った。
それだけではない。
進む先からなにか不穏な気配が漂ってきた。
なにが、とはわからないが、確かに"なにかがいる"
敵意までは感じないが、良くない感じがする。]
── 監督官殿。
[注意促す声で呼びかけ、剣に触れて確かめ、手を離して一歩前に出ようとした。
守る。
その一念で動く。*]
[最初に提示した3つの品からウェルシュが選んだのはシンプルなお仕着せだった。
きっと似合うと思う。他のふたつも、なかなか捨てがたい。
裸に毛皮を纏わせるのも良い。肌に食い込むほどにぴったりとした服を着せて、上から愛でるのもいい。
後で試してみようか、と心のメモに書き留める。
最後に渡した拘束衣を身に着けるさまを、嬉々として眺める。
早くあの服の性能を存分に発揮したい。
疼く心を押さえながら、自らも服を纏った。
峻厳たる白の装いが、内心を包み隠す。]
では、今日はもう部屋で休むとしましょう。
それとも、食堂を覗いてみますか?
[軽い食事ならば部屋でも取れると説明したうえで、食堂もあると明かす。
私の聖騎士が何を喜ぶのか、確かめるのは良いことだろう。*]
[ 恋人同時のように絡めた腕は、多くのものを伝えた。
視界をふさがれるという環境変化にも懸命に対処しようとする雛の努力は、健気であり、崇高ですらあった。
むろん、「もっとゆっくり歩いてほしい」などという甘えが口にされることもない。
魔改造されたエリアの異変を感じ取る知覚の敏感さは、これから先、どれほどの武器となるか、楽しみなほどだ。
今はまだ、雛であるが──
そう差し置いたのは間違いだったと、すぐに気づいた。]
[ 密度を増す魔気を察知したエディは、指揮官を守ろうと身を呈したのだ。
目が見えていないくせに、腕をほどいて剣を握る。
聖なるかな。
彼の一念に意表をつかれたものの、
その警告で自分も臨戦態勢に入ったという態をよそおう。]
── sanctifica me. (われを聖ならしめ給え)
[ 堕天した身には皮肉でしかない引用だが、エディにとっては聖句の一節。
裂帛の気合で瘴気をおしやって道をひらくと、エディを抱きかかえるようにして魔改造されたエリアを抜けた。
そこで、目隠しを外す許可を与える。** ]
[ アレクシスが着替える間、直接、手をそえることはしなかったけれど、
使ったものを片付けるなどして、身の回りの世話めいたことに努めた。
この後の予定について意見を聞かれ、食堂案に票を投じる。
食道楽というわけではないが、乳製品は好きだった。
生まれは遊牧民だから、などと語ったら、アレクシスを混乱させてしまうだろうか。
わざわざ猶子に迎えまでして一族から聖騎士を出したかった恩人の手前もある。
黙っているしかない、か。**]
[こちらが身支度を整える間、ウェルシュは特に命じずとも物を片付けたり、何かできることは無いかと目を配っている。
その様子に、軽く感動さえ覚えた。
魔界では考えられない献身ぶりだ。
これまであまり人間と関わって来なかった魔にとって、人間の細かな違いなどよくわからない。
元が遊牧民だろうと海の民だろうと、そうですか、程度の感想しか抱かないだろう。
けれども己のものと定めたこの人間が、ひたむきで、素直で、純情であることは理解した。
魔界の隅々を探してもまずお目に掛かれない資質だ。
その愛らしさに、もう夢中になっている。
生来の気質のまま愛でたいのか、魔としての性赴くまま歪め蹂躙し、堕ちていくのを楽しみたいのかはまだ判然としなかったけれど。]
[魔界における黒鱗の魔は、縄張りも配下も持ってはいなかった。
一匹狼といえば聞こえはいいが、単に面倒だったのだ。
ひとり気儘に魔界を行き、気まぐれに下級の魔を喰らい弄び、心赴くままに生きてきた。
今回、魔王の誘いに応じたのも、面白しそうだったからだ。
逃げ散り恐怖するだけの下級妖魔を嬲るのも飽いてきていたところ。
人間を、それも聖騎士と呼ばれるものを飼う。
興味を覚え、試してみるのもいいかと思った。
飽きたら喰ってしまえばいいか、程度に思っていたのだが、
既にこの人間に嵌りそうな自分がいて、
それもまた面白い。]
― 廊下 ―
[食堂へ行きたいと言うウェルシュを連れて歩いていく。
遠くから聞こえてくる物音は、他の魔が人間と遊ぶ声だろうか。
早く思うさま楽しんでみたいものだ。
なんて思いながら歩いていると、前方になにかが見えた。
誰かと思えば、偏屈者の堕天使だ。>>103
以前、たまたま出会った時には、からかい甲斐のない面白みのない相手という程度の印象だったのだが、今はなにやら人間を抱きかかえている様子。
しかも、人間に目隠しまでさせて、なにをしているのだろう。]
お久しぶりですね。こんなところでお会いするとは。
この時間までなにか、訓練ですか?
[なにして遊んでいるの?とわかる相手にはわかるニュアンスで聞く。
そういえば名前も知らない。お互い様だろうけれど。]
[烈風が耳元を吹き抜けた。
そんな感覚だった。
聖句の一節が監督官の声で綴られたかと思うと、身体で感じるほどの気迫が放たれる。
思わず振り返れば、瞼の裏に眩い光と翼が見えたような気がした。]
あ… 、
[言葉が形になるより先に、温もりと圧が体を包む。
監督官の腕の中にいるのだ、と気づけば不思議と鼓動が早くなった。]
[抱えられたまま暫く進み、そこで目隠しを外す許可を得る。
それほど距離があったわけでもないのに荒くなった息を整えながら白布の結び目に指を掛けたとき、初めて聞く声が耳に入ってきた。>>107
自分たちの他にも誰かいるのだ、という当然の事実をこれまで失念していたことに気づく。
目隠しの布を解き、畳んで監督官に差し出す。
「この修道院には、なにがいるのか」という問いを口にする機会を逸した、と感じながら、新たな声が聞こえてきた方を向く。
そこでまた、目を見開いた。]
ウェルシュか。
[おそらくは声を掛けてきた方の、細身の男については知らない。
監督官なのだろう。己の隣に立つひととずいぶん雰囲気は違うけれど。
彼の横にいる人物には見覚えがあった。
最初に聖騎士の訓練を始めたときの同期だ。
自分はそのあと一度団を離れて修養の旅に出て、別の場所で再び訓練生となったから、一緒にいた期間は半年ほどだろうか。
短い間だったが、同い年なこともあり、王子だったことを知らずに接触してきたこともあって、親しくしていた。
懐かしいと思う。
彼と同じ時に聖騎士になれるのは嬉しいとも思う。]
[ 腕に収めたエディの鼓動を感じる。
早打ちするそれは、恐怖のせいではない。
何故ならば、彼の肢体は硬直してはいなかった。
信じて、身を委ねている。
かくも無垢な魂。
すぐにも天に召し抱えたい。否、それは天使の発想だ。
この者を天に奪われてはならぬ。
それには── ああ、
穢せばいいのだ。
卑劣な発想に我ながら葛藤する。 ]
[ その時、衣摺れのような、あるいは蛇の息のような、シュッという音がして、近づく者があった。
知らぬ顔でもない魔族が、したり顔で挨拶を投げかけてくる。
まるで邪念に呼び寄せられてきたかのようではないか、と思わず顔をしかめた。
以前の出会いも、そんなタイミングであったと思い出す。 ]
必要なことをするまでのこと。
[ 話を長引かせないよう冷徹な返答をしたが、他にも伏兵がいた。
彼がつれている人間は、エディの知己であるらしい。
若いふたりが言葉を交わすのを手をこまねいて見守る。*]
[ 慈愛の眼差し(?)でウェルシュの働きを眺めていたアレクシスが、浴場を後にして食堂へと案内してくれる。
この方は、どんな活躍をして来られたのだろうか。
そんなことを聞くのは僭越かな、などと思いながら彼の背に揺れる黒髪を追っていたら、不意にその歩みが止まった。
肩越しに覗くと、前方に、厳正そうな顔つきの凛々しい青年の姿。
綺麗だと吸い寄せられる反面で、畏怖も覚える。
いかにも聖騎士の鑑といった風情であった。
だが、視線はそこに長くは止まらなかった。
彼が庇護するように腕を置いているのは、"白馬の王子様"だったのだから。]
[ 聖騎士を目指す者たちが集まる場所で得た友達だ。
最初にかけた声は「この馬、君のか! いい馬だし、よく手入れしてるな」というもので、周囲の連中が硬直していた。
聞けば、彼はどこぞの王族なんだと。
「そうか。えらいな、君。」──王族だけど自分で馬の世話をするのはいいことだと褒めたつもりだったが、周囲はさらに引いていた。
けれど、彼は屈託なく応じてくれた。
家の事情だかなんだかで、すぐにいなくなってしまったのは残念だったけど、ここで再会できるなんて。 ]
おまえ──、怪我を?
あ、違うのか。良かった!
[ エディが包帯のようなものを手にしていたから、心配になって声をかけたけど、大丈夫そうだ。
彼が"聖騎士の鑑"と一緒にいて、お揃いの服を着ているのを見れば、最終考課の最中であることは自明である。
自分だって、アレクシスと同じ白い服をもらった。
互いに頑張ろうぜ、と拳で合図してみせた。*]
変わらないな。君は。
[久しぶりに会うけれども、屈託なく接してくれるのはあの時も今も変わらない。
ウェルシュの顔を見ていたら、つられて笑っていた。
「えらいな」なんて飾らない言葉で話しかけてくる相手が新鮮で、あの頃は何かといえば一緒に遠乗りしていた気がする。
ここで会えたのも何かの縁だろう。
聖騎士になれば自分は遠くへ行ってしまうから、再び会うことはないかもしれないけれど、あるいは。…もしかしたら。]
叙勲式で、また。
[お互いにまだ候補生である以上、長々と立ち話はできない。
共に正式な聖騎士になろう、と約して、拳の合図を返した。*]
なるほど。
必要、ですか。
[堕天使の反応はけんもほろろ、取りつく島がないの見本のようなもので、やはり面白くない。
けれど連れていた人間同士が親しく話し始めたのは意外だった。
どうやら知り合いらしい。
堕天使がそれを黙って見ていることに興味を引かれる。
人間の友誼など気にせず、さっさと離れていくかと思ったのだが。]
彼らも知り合いのようですね。
親しい者が同時にここを訪れるとは、これもお導きでしょうか。
[魔王の。
作為があるのかないのか、いまひとつ掴み切れない"委員長"のことを口にする。
享楽的で気まぐれで、こんなブームにうつつを抜かしていても、揺るぎのない魔界の王である。
全て仕組まれていてもおかしくはないし、それも面白い。]
[若者たちの話が終わるタイミングで、ウェルシュの肩を抱き寄せる。]
私たちは食堂に向かうところですが、
よければ、ご一緒にいかがですか?
[しれっとした顔で、食事に誘ってみた。*]
村の設定が変更されました。
[ 唇をほころばせるエディは、なんだかとても格好良く見えた。
「叙勲式で」と言われて、思い至る。
彼に感じたのは、聖騎士たらんとする自負の凛々しさなのだ。
懐かしさでつい昔のように話しかけてしまったが、それでは進歩がないということなのだろう。]
ああ、また。
[ 自分も背筋をキリッと伸ばしてみる。
エディが次の機会を口にして拳をあわせてくれたのが素直に嬉しかったから、目はキラキラと笑っていたろうけど。
また駒を並べることができたらなぁって。]
彼をよろしくお願いします!
[ エディの指導者にも敬礼をしておいた。]
[ アレクシスが、エディの指導者を食事に誘っている。
久しぶり、とは言っていたが、それほど仲がよさそうな感じはしない。
ならば、エディに興味を持ったんだろうか。
えっと、嬉しいような、心配のような。*]
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