情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
ただし、先に言っておく。
相殺という形にしても、海峡使用料は払わぬ。
賠償金は一時のものだが使用料は払い続けねばならないという理屈は別にしても、
俺が納得せん。
俺がウルケルに求めるところはただひとつ、
海峡の、完全なる自由な通行だ。
それ以上は望まない。
アンティーヴ領も、ウルケルに戻されることになるだろう。
民に報復が行われないよう、提督とストンプ候で目を光らせておいてほしい。
ウェルシュ・ストンプの名は、扶翼官から聞いている。
ウルケルが停戦に応じるよう、尽力してくれる人だと。
[信用する、ゆえに妥協はしない。]
俺はウルケル海軍を凌駕することができなかった。
帝国のメンツにかかわるから、公文書にはそうは書けないが、自分でわかっている。
ヒューペンタール提督ある限り、ウルケルの海は守られよう。
頼もしいことだ。
海路を開放したところで軍事的脅威を退ける力があるとわかった国民は安堵するはずだ。
帝国海軍恐るるに足りず、
ウルケルが帝国の友たらんことを、俺も望む。
友に嘘があるのは良くないことだ。
[同じく真っすぐな視線を返す。//]
……、艦をお引き願いたい。
[ひとつ、念を押すよう音を繰り返して。]
扶翼官のこと、分かりました。
───が、今は艦をお引き願えませんかな?
このまま彼らがカルボナードに到着すれば、どうしても、
首都にも民衆にも力づくの印象を与えるのが避けられんのです。
それは…、まあ。ちと厄介でしてな。
ウルケルはそれなりに、頑固者の集まりでして。
[つるりと己の頭に手をやった。
それなりに、ゲオルグ自身もウルケルの人間である。]
ふむ。それは困りましたな。
払えぬか───…
それは、 呑めませんな。
[ゲオルグはひとつ息をつく。
その瞳に、鋭い烈気が閃いた]
呑めぬ理由は、我がウルケルが独立した一個の国であり、
グロル海峡が我らが国の領土であるからであります。
………陛下。
陛下は失礼ながら、お幾つまで健在であらせられるつもりですかな?
地上に輝く太陽にも永遠はなく、
我らウルケルがモルトガット帝国と歩みを共にする以上、
時には太陽を覆う嵐と対峙する必要もありましょう。
───そのリスクには、相応の敬意…対価が必要です。
喩えそれが形式の上のものに留まろうとも、
海峡使用料はお支払いを頂きたい。
そうでなくば、呑めぬ。
…これはウルケルの誇りに関わる問題です。
[素っ気無いほどの口調で、そう言い切った。
表情は緩められることなく厳しい顔が皇帝へと向けられる。]
友とは互いに尊敬しあい、
たとえ立つ場所が異なろうとも───…
生死を分かとうとも、強く心に繋がるもの。
[幾つかの、顔が瞼の裏を過ぎる。
親友を喪い泣いていた中尉、大切な人を思い出せずに思い悩む青年の顔、かつて酒を酌み交わした…遠い戦友]
決して一方が一方の上に立つものではありません。
陛下がウルケルの誇りを尊重なさらぬならば、友情は成立しえぬ。
この海は我らが故郷、我らが誇り。
それを、最後まで意地と共に守り貫くこととなるでしょうな。
[そう言い切って、口を閉ざした//]
民の心証を慮るのであれば、扶翼官には満艦飾で入港させてもいい。
だが、終戦交渉のためにカルボナードへ向っている扶翼官を止めることは停戦の趣旨に矛盾しよう。
[何一つ諦めたわけではないことは、先に伝えた条件からも知れるはず。]
海は領土ではない。誰にも属さない。
[他国の前を事前通告もなく軍艦を通らせたりはしない礼儀はあるが、海の所属に関する概念に関しては平行線だと伝える。そして、]
金で購えるのがウルケルの誇りか?
[ゲオルグの主張に従えばそうなるが、まさか、と。確かめるように問う。//]
先に通行した巡洋艦は4、戦艦は1とお見受けしたが、
これをそのまま差し向けずにあるならば、構いはしないが、
[どうかと、これはひとつ確かめる間]
… 残念ながら、意見は分かれたままのようだ。
これが船乗りとの違いでしょうかなあ──…
確かに海は領土にあらず。
なれど、この海峡は我らの故郷。我らの庭。
そう易々と、外の者をただ通すというわけにはいかんのです。
否、誇りは金で購うものには非ず。
なれど誇りを尊重する形のひとつが、金の形を取るのもまた事実
なれば問おう。
モルトガット皇帝、アレクトール・スライ・モルトガットIV殿。
貴殿は我らが故郷、我らが誇り、
これまで誰にも明け渡した事のないその場所を無償で通らんと欲するに、その誇りを購うに何をお示しになりますかな?
…───まさか外洋の通行自由。
などと、つまらんことを仰せにならんかとは思うが。
[挑発するかのように視線を上げた//]
戦艦は止める。扶翼官の船はもともと商船だ。武装もほとんど残っていない。
そもそも交渉人が見た目、優男だぞ。心配はしなくていい。
[交渉艦隊は、そのまま差し向けるのでなければ構わないとの言葉に同意して譲歩する。
船乗りの話については、うなずき、理を説いた。]
ウルケルの商船は帝国周辺に自由に出入りしている。
提督も訪れたことがあるのではないか?
実のところ権利の侵犯ではなく、不平等の是正なのだ、これは。
とはいえ、ウルケルが戦争を経て明確な結果を望む気持ちは自然なものだろう。
なんだか、結納の相談をされている気分だが。
[ふ、と吐かれた息は、強さをそのままに言葉に変える。]
──帝国はウルケルと二度と戦争を起こさぬと誓おう。
[“誇り”に対して”誓い”で応えると告げる。]
ウルケルの独立不羈たる精神を尊重し、無二の友人として共に歩むことを、
俺と俺に続く帝国代々の皇帝が守るべきものとして定める。
その誓いを疑うのは、我らの誇りを傷つけることと同義であると。
それと、これはまだふわりとした
帝国とウルケルの間に不可侵の友好条約が結ばれたあかつきには、
戦争がなければ居場所のないウルケル傭兵たちに別の仕事をと考えている。
いわば海上救助隊とでもいおうか、海の守護者というか。
おまえたちの才、埋もれさせはしない。
[共にある未来が欲しい、と素直な声で告げる。//]
[ 風が凪ぐ、今だ戦の名残に泡立つ波を鎮めるように ]
.........
[ 見つめる先に、人影が出て来るのが見えた>>231恐れも迷いも無い、確かな足取り、曲がらぬ意思と力を持った ]
ああ、やっと会えたな。
[ 男の目でも、相手の顔は見えない。声もやはり、届きはしない。けれど、確信があった ]
[ す、と男は片腕を上げる、肩と腕には激痛が走ったが、その腕は揺らぐことなく。
二指もって型作り、贈るのは、オルヴァル式の敬礼だった* ]
あの見た目に誤魔化されくはないものですが。
…砲をかさに進むというのでないならば、容れましょう。
[肩竦める調子で返す応えは是。
それにつけても思い返すに、彼を優男というのには語弊がありすぎるだろうとは。]
確かに。いかにも商船は自由に出入りをしておりますな。
私も立ち寄ったことがあると…、
さて、陛下にはお話を致しましたかな?
──── 、 やれやれ。
[ふ。と、ゲオルグの肩から力が抜けた。
顔から厳しさが消え、代わって微かな笑みが口元に浮かぶ。]
敵いませんな。
ご存知かな、皇帝陛下。
ウルケルは海軍の国──…更には商業の国でしてな。
ゆえに、誇りは金で売れるのです。
[軽く、先には否定した言葉を悪戯めいた表情でこう告げて]
だが、不平等を仰せになるはご尤も。
──── 承知した。
我らが誇りに帝国の誓いが得られるなら、
…───金を欲しがる連中の口は、塞いで差し上げよう。
[背筋を伸ばし、姿勢を改めて礼をした。
受け入れると、その声と仕草で彼に示して]
はは!
[皇帝の
若者らしい、ゆめだと思った。遠い遥かな夢だろう、今はまだ。
けれど…ひょっとしたら、いつの日か実現してしまうのかも知れないとも思う。この、力強き
いや、失敬失敬。
なあに、陛下。残念ながら、我がウルケルの取引相手も対戦相手も、貴国には限りませんでな。取引は未だ幾つか──…ですが、
[けれど。そうなれば将兵は死にはすまい。
いつかの恋人たちのように、不幸に死に別れることもない。
それは…素敵な未来だとも思えた。]
ですが、いつか。
いつかそんな日が訪れたなら───…
愉快でしょうなあ。**
― 水路 ―
[皇帝と提督が会談の核心に移った頃、
水路を行く4隻の巡洋艦もまた、戦闘を停止していた。
司令塔にいる扶翼官は艦隊の停止を命じたのち、
陛下より別名あるまで待機する、と告げる。
そののちは、自室にて休むと言って、奥へ下がっていた。]
[自室の寝台に腰を掛け、じっと耳を澄ます。
届く声に時折答え、共に悩む。
それは皇帝と、半身と作る理想の未来のための、最後のひと仕上げだ。]
───ウルケルが誇りを言うのでしたら、
我々にも誇りはあります。
譲られた勝ちを喜ぶとお思いでしたか?
私たちが海峡使用料を払うことになれば、
勝ちを譲られた屈辱をいつまでも忘れ得ぬことになります。
ゆえに、誇りには誇りを。
───傷つけられたままで、友好関係は築けませんよ。
[声には乗せず、ただ呟く。]
-巡洋艦ナハティガルにて-
[男は右手を伸ばす。手首、巻かれた緑の紐。]
なぁ、艦長。
俺の親父の事、知ってたよな。
[もっとも医療の必要な場所で医療を。最前線で治療行為を行い続けた医師。]
親父は、俺の知っている範囲で、もっとも命を軽んじてる人間だった。
――ただし、自分のね。
[己が死ぬことなど少しも恐れていなかった。他者を助ける為なら、自分が犠牲になる事すら喜んだろう。
そしてその父親に育てられた息子も、ごく自然にその心が身についていた。]
これね、まじないなんだよ。
昔はまだ大丈夫、戦えるって自分に言い聞かせるまじない。
今は――ここにも命があるって、ここの命も守らんとならんって言う、自分に言い聞かせるまじないだ。
[緑の紐。ここに命があると示すそれ。
過去、『自分の命も守れ』と言ってくれた人との約束を守る為の、まじない。
約束を破るのだけは、怖かった。]
しかし、本当、難しいね。
自分の命を守るのも、人の命を守るのも。
[ふ、と艦長が笑う。
ありがとう、と。
「ナハティガルを守る選択をしてくれてありがとう」と。
爆発するまで戦い続けるという選択肢もあったはずだ。
戦う事を誇りとするなら、それこそ選ぶべきだったのかもしれない。
しかし、それはほぼ確実な死を意味する。
艦と、乗員たちの、死を意味する。]
守らなきゃならんだろう。
この艦を守ろうとする奴らの気持ち、俺が殺せねぇっての。
[「ありがとう」と再度の言葉。
「ありがとう、副艦長」と。
艦長の言葉に、男は目を丸くし、噴出すように笑った。]
今更、副艦長言われても違和感すげぇや。
いいよ、“先生”で。
――俺は、そういうもんだから。
[男は目を細め、口元に笑みを浮かべた。]
[そのまま、男は待っていた。
海は今までの争いが嘘のように静かで。
既に何らかの答えを告げているようにも思えた。
それでも男は待つ事にした。
知らせてくれる声を、待つ事にした。
ナハティガルも何かを待つように、ゆったりとした鼓動のまま、海上にてゆらりと揺れている。*]
ウルケルの誇りは金で売れる、か。
強かなことだ。
[お国柄の違いというものか。
だが、アレクトールの知る誇りも、帝国とウルケルとを問わず、この戦いを戦い抜いた者たちの中に見出せたと思った。
自らの血を流して戦う信念、それは立派な誇りとなろう。]
では、戦闘停止命令を。
[信号弾にあわせて、命令書をしたため各戦線へ送る。
西の海での戦いは、この時すでに沈静化していた。
かつて同じ陣営で戦い、その後、長く分たれていたにも関わらず、相手を信じることができた心強き者たちは、自ら戦いを止めたのだった。*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新