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ただ……、
貴方の炎が、余りに苛烈だったから。
私は不安にもなりました。
会わなかった此の五年の月日は、
ロイ兄様を如何様にか、変えてしまったのではないかと。
………杞憂、だったみたいですけれど。
[ブラバンドで発せられた演説の内容を
脳裏に浮かべ、柔らかく呟く。
一方で。彼を今まで支えてくれた人が
その炎を正しく導いてくれたのかもしれないとも、思う]
私の意思…ですか。
[ゆっくりと、微笑った]
同じですよ。貴方と。
ナミュールの未来がより良い形であることが、
常変わらぬ私の願い。
[互いの生まれと育ちは火と水ほどにも違い、
思い描いてきた国の形も、まるで違うだろうに、
ふたりとも、願うものはただひとつなのだ。
ただナミュールのためを思い、ここまで来た。
一度別れた道が、ようやく再び出会う場所まで。]
俺は、英雄の器なんかじゃないよ。
[向けられた言葉に、ゆるく首を横に振る。]
いくつもの仮面を付け替えて、
自分と他人を騙し続けてきただけの
せいぜい、道化がいいところだ。
威勢のいい言葉も、強硬な態度も、
だいたいが計算づくで───
───ただ、でも、
仮面を捨てた方が人の心を掴むことがあるってことを、
つい最近、実感したかな。
[脳裏に浮かんだのは、ブラバンドで演壇に立った時の光景。
話し終えた時の、温かで力強い熱は今まで感じたことがない種類のものだった。]
だから、これからは素の自分でいこうかと思っている。
[シメオンには釘刺されたし、クレメンスのおっちゃんにも心配かけてたし。そんなことを思いつつ。]
俺と、君の願いが同じなら…
やっぱり、君には姫王として立ってもらいたい。
君に、今よりも負担を強いることになるかもしれない。
だけど、ナミュールにはやっぱり君が必要だ。
これから、ナミュールは外に向かって開かれる。
今すぐじゃない。でも、近いうちだ。
その時、みんなの支えになれるのはやっぱり君なんだ。
巫女姫を心の拠り所として抱いていれば、
外の国に対しても、媚びず流されず、誇り高くいられる。
それに、
俺が推し進めようとしている変革からは、
弱い人たちが零れ落ちてしまうかもしれない。
それを指摘して、掬い上げられるのも君なんだ。
どうか俺たちの上に立ってほしい。
必ず、支えるから。
[真摯な顔で膝をつき、手を伸ばす。
貴人に誓いをする騎士さながら。]*
それを言うなら、私だって同じです。
[くすくすと朗らかに笑う]
まあでも、あれですね。年季。
巫女姫の役、やっているの長いですから。
[仮面を捨てたと言うクロードを見て。
ふと思い出したように胸元に手を当てた。
宝珠を片手に乗せて。
空いた方の手で懐から懐紙を摘み出す]
でも、あの時は其れが最善だと思いました。
だから――――謝りません。
後悔は、飲み込んで糧にし。
強く、前を見据え。
犠牲を生かさんと――――… 先に、進むことが。
遺志継いで生き残った私たちにとって
大事なことだと、思いますから。
違いない。
[年季。その言葉に頷いて、笑う。
ほんとうに、素直でなく生きてきたものだ。
そんな感慨の前に、ひと房の髪束が差し出された。]
あいつ、変なとこ鋭かったからなぁ。
見えてたんだろうな。
俺と、君の、足りないところ。
[声の調子は落ちはしたが、昏く沈むものではない。]
あいつの命を奪ったのが君なら、
あいつを死地に送り込んだのが俺だ。
でも、その道を選んだのは、あいつだから。
その選択はあいつ自身の、あいつだけのものだ。
俺たちがそれを侵すことなんて、できないんだ。
……キールは、強いな。
[謝らないと言う彼女を、眩しげに見やる。
その、前を向く眼差しの強さを。]
俺は駄目だったよ。
全部抱え込んで、俺のせいだって言って、
どうしようもなく落ち込んでた。
クレメンスのおっちゃんに言われなかったら、
ずっとあのまんまだったろうな。
ここに来るまでに何人も死なせたし、
何人も殺してきた。
バウマン先生、マッキントッシュ先生、
フィオンに、…ユレ先生も。
彼らの死が必要なものだったと強弁するつもりはない。
ただ、俺は、この戦いを起こした責を持つ人間として、
彼らの生き様を刻み、共に先へ進みたいと思っている。
……、ふふ。
[なんだか可笑しくなって、笑った。
変な笑いが、込み上げた]
ねえ、ロイ兄様。
学館で議論した時のこと――覚えていますか?
ほら、
私の目論見――――…当たっていました。
[議論を言い負かしたかのような。
やっと、兄に追いついたような。
そんな心地が、なんだか可笑しくて、嬉しくて]
ふふ、…… は、 っ、
[いろいろ。回り道をしたり、
多くの犠牲を生んでしまったり、
もっとこうすれば良かったとか
ああすれば良かったとか、 沢山たくさん あるけれど。
それでも――――…
やっと。報われた心地が、雫になって頬を濡らした]
此のナミュールの為に。
私たちの愛しい祖国の為に。
壊さず。護り。
新たな変化の風を得て、
四季世豊かな未来へ繋ぐ 其の為に。
だから、――――…支えてください。
皆が笑顔になれる
私の隣で、紡いでください。
クロード・ジェフロイ…、 ロイ兄様。
[あたかも姫に添う騎士のように、伸ばされた手に。
深い想いを篭めて、手を重ね合わせた*]
もちろん、覚えてる─── ……?
[5年前の議論に触れて笑う彼女に、つられて笑う。
そうだ。自分も、他の皆も、ナミュールのたくさんの人が、巫女姫を信じている。]
こいつは、してやられたなぁ。
[これは負けを認めざるを得ない。
でもそれは、すがすがしい心地のする負けだ。]
[彼女の頬を濡らした雫に指を伸ばし、拭い取る。
涙を握りこんだ拳を胸に当てて、彼女の決意を聞いた。]
きみのとなりで つむぐねがい
[紡がれる唄に声を合わせ、
重ねられた手を、しっかりと握る。]
君にはしてやられたけれども、
俺の思いはあのころと少しも変っていない。
君だけに全てを背負わせたりしないと約束するよ。
共に行こう。
豊かで美しい、俺たちのナミュールのために。
クロード・ジェフロイは、
シルキー・カノエ・ナミュール陛下の御為に。
ロイ兄さんは
気が強くてお転婆だったキールのために。
力を尽くすことを、誓おう。
[格式ばった口調はすぐに消え、悪戯な笑みを浮かべる。
でも、誓いの言葉だけは、掛け値なしの本心だった。**]
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