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……────。
[幾重にも重なる偽りの天の歌声が空に響いた。>>164
その響きは天の嘆き、天使への哀悼の歌。
どこか物悲しくも美しく空気を震わせるそれに、
一糸乱れずあった天使の動きに変化があった。
以前にも人の子は見たであろう、
その音を受け、固まったように動かなくなる者がある。
或いは徐に光に変じる者があり、
或いは見当違いの方向へと光を投げつける者すらあった。
そうした混乱は以前よりもより大きく。
人の子らが目にするだけの余裕があれば、
下級天使らの惑乱の様子を目にすることが出来たであろうが。]
………、なるほど。これか。 賢しい真似を。
[大天使は僅かに目を見開き、そして少し笑ったようだった。
ただ。天使の側にとってもこれは”初めてではない”
天上の響きにて天の子から齎されし警告、
それがこれかと思い至れば大天使の動きもまた素早かった。]
──── Ad luceant.
[輝きへ戻れ、と。躊躇わず下された命に従い、
下級天使らが幾体も連続して光へ戻る。
その輝きが連なって、天にカーテンを掛けるかのように広がった。
それは時ならぬ
輝かしくもどこか不安定な光が空を覆って、]
────────
[天の防壁を割り、一条の光が飛行戦艦めがけて落ちた。
眩い輝きは大天使そのものの姿を取る。
偽りの天の響きをもものともせず、背を逸らし腕を掲げる。
慈悲深き天上の声が、人の子の上に降る。
やがて大天使が手にした光の槍が、
空を漂う飛空戦艦めがけて振り下ろされた。*]
[やがて始まった戦いを食い入るように見ていたのだが、
そのうち、いてもたってもいられなくなって、御船の中を歩きだした。
守りを任されたのだから、なにかしておきたい。
御船の中を歩むうち、光の気配と霊感に導かれてたどり着いたのは、
下級の天使たちが"生まれる"場であった。]
[そこには、形作られたばかりの天使がいた。
まさに生まれつつある天使もいた。。
そして、形を成す前の、天より滴る霊質もあった。
そ、と触れれば柔らかく形を変える。
己とも響き合うそれは、干渉も容易と思われた。
あ、と思いついた顔で、もう一度窓のある場所に戻る。]
おぅ!
[ 何があっても諦めるな、と、鼓舞するマチスの声に、拳突き上げるその姿に、希望を抱いて声をあげるその一団の中に、コンラートの姿もある。
破壊されたアンライエンと違って、トラオムングの操縦席は一つ、副操縦士を置かない仕様だ。だが、操縦室には一人きりでも、これから飛ぶ船にはマチスも含め、多くの兵が乗船する ]
届かせて見せるさ。
[ 操縦席に体を固定する前に、コンラートはぎゅ、と拳を握る。
次に手を開いた時、そこには数枚の純白の羽がふわふわと踊っていた ]
Circuito
[ 言霊に応じ、白い羽根は、すう、と、白い光に変じながら伝声管の中に吸い込まれていく ]
相変わらず、いってえ…
[ 襲う痛みに、はあ、と、息を吐いて、操縦席についたところで、マチスからの声が届いた ]
[引き延ばされたような静寂の中、天から下りて来た光を見る。
大天使の象をしたもの。]
…母上
[以前にも、脳裏を満たした想いだった。
あの時は、アデルとの戦いで消耗していたから、幻覚だったのかもしれないと思うことにしたのだ。
けれど、再度、確認しても、母の面影を濃く見出せる。]
…そんな姿で、おれの前に立つな。
[六翼の天使は、背を逸らし腕を掲げる。
圧倒的なまでに、澄んだゆえに見えざる玻璃の刃のような。]
[震える左手に握った半壊のガンソードが、青く輝き大天使を指す。]
我が友に、
[銃声一愁。
オートマタの背が老婆のように曲がり、ダーフィトの上に覆い被さって包み込む。]
[直後。
閃光が至る場所。
そこには、青いオーラをまとう造りものの左手だけが、転がっていて、
次の瞬間、
── 大爆発した。***]
[やはりこの距離からでは、何が起きているのか、
つぶさに知るのは難しい。
もどかしい想いを抱えつつ、作業を始める。]
In nomine Domini ……
[祈りが織りなされるに従って、
御船の周囲に光が漂い、息づくように明滅した。*]
だ、が…
[ 操縦桿を微調整し、トラオムングの先端が真っ直ぐに大気の壁を突き破る角度を維持して支える ]
押し通るぜっ!!
[ 大地の軛を離れ、トラオムングは、ぐんぐんと上昇していく ]
[力失ったかに見える飛空戦艦、
その艦上に、空見上げる者がある。>>177
それが何ごとかを呟くのを、大天使はチラと目に映した。
そのままではすぐに忘れ去ってしまいそうな些細な光景だ。]
…… ?
[ただ。何かが心の隅に引っ掛かった。
その者の傍らにあるモノ、あれは人の子ではない。>>180
では何か。……何か、そう。
人ならぬ不可思議なもの、操る者の話がなかったか。]
…───── なに、を 、
[それはこの地上に於いて初めて、
大天使の声に緊迫の色が含まれた瞬間であったろう。
飛空戦艦に突き立てた光の槍を引き、
六翼の羽ばたきを以て全速で飛び下がる。
青い輝きが、大天使の身を示している。>>180
咄嗟に目前に両の腕を交差して、]
天の輝きは我が身と共にあり。
主よ、我を救いたまえ────…!
[ばさりと、翼が包み込むように大天使の身を覆う。
刹那、─────音と光が、世界を満たした。*>>181]
― 天の御船 ―
[しばらくの後、
天の子の姿は御船の外にあった。
御子を運ぶのは、天使たちと同じ輝きを放つ魚──
──鯨に近い形を持つ、空を泳ぐ巨体だった。
これならば、翼の戦車より広くてずっと乗りやすいし、力もある。
師父と共に飛ぶのにも、具合がいいと思われた。]
[トラオムングが上昇する傍ら、高高度ではダーフィト率いるカルカリアス号と天使の軍勢との戦闘が続く。
煌く光が眩しい]
…………
[船体にかかる圧に耐えながら、視線は窓の外を見詰めた。
陽動を引き受けてくれた
[戦場の細かな状況は見えない。
分かるのは光と、放たれる砲撃の行く先くらいだった]
[ふと、真剣な表情で見詰めていたマチスの顔が息を呑むような表情になる]
[ そして ]
[ 目指す空の彼方から、ローレライの歌を響かせるカルカリアス号に向けて一筋の光が降るのが視界に入る。
大天使の光の槍が、戦艦を貫き ]
ダーフィトッ?!
[ 数刻の静寂の後、大爆発の音と光が、空を駆け上り続けるトラオムングにも届いた ]
[胸ポケットからプリズムを取り出して握り締める。
半分まで染まっていた薄蒼の増加速度が急激に増えた。
今や3/4ほどまで、薄蒼に覆われている]
ダーフィト、ワァズ……
[カルカリアス号に乗船していた者達もどうなったのか、ここからでは確かめる術が無い。
気になりはしたが、マチスが為すべきことは現場に駆けつけることではなかった]
”よーそろー”
進め、俺達の目標は
カルカリアス号が作ってくれた
[動揺の走る乗員達を叱咤するように声を上げた*]
──────…、く。
[爆音。それに幾つもの爆音が続けて響く。
巨大な艦は、かつての栄光を誇る飛行戦艦は、
爆音とともに崩れ地上に墜ちつつあった。
それから少し離れた空域に、大天使の姿がある。
煤けることもなく、爆発に衣焼かれた風もない。
……けれど。
大天使の周囲に、淡き光が煙っていた。
良く見れば、身を庇った腕の先が輝きの中に形を失っている。
淡く煙立つ光はその身を急速に癒しつつあるようだったが、
それでも消し切れない傷跡が、衝撃の大きさを物語る様子だった。]
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