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私、戦いたい。
『…はっ。なに言うかと思やぁ。
バカ言ってんじゃねぇよ。言ったろ。軍人の仕事は軍人の仕事だ』
うん。
でも、軍人さんは、軍人さんの仕事は、人を殺すときがあるから。
人が、人の作った道具で人を殺すなんて、そんなのヤダ。
私にそういう風に教えたのは、おじぃでしょ。
『…だからって、なんでお前が戦わなきゃならん』
ほかの人たちも、さっきのおじぃみたいに言うから。
人が、人を殺すのは仕方ないみたいに言うから。
だから、私がやるの。ほかの誰もやろうとしないことなら、まず自分が動かなきゃ。
これもおじぃが私に言ったんだよ?
『だーくそ!ああ言えばこう言いやがってっ!!
誰に似やがったこのガキ!』
おじぃでしょ。
『……〜〜〜〜〜っくそ。
…できるつもりか? それこそいつも言ってるよな。できることをやれって』
うん。
だから、これは戦いたいっていう報告で連絡で、どうすればいいかな?っていう相談なの。
できるとこから手をつけてこうって思うから、まずは連合軍の人たちが協力してくれるって言ってた蟻退治から始めようって思うんだけど。
私一人じゃ、また急ぎすぎちゃうかもしれないし。
危ないことしちゃうかもしれないし。
だから、相談。
[アリーセさんに協力のお願いをしたのは、まずその一歩>>35。
でも、まだまだきっと足りてないから。
大阪での一戦で、連合軍にも小さくない被害が出てたのだって、間違いないし。
当初の目的だったAIUの協力だって、結局は取り付けてない。
…ただ、あのビルに攻め込むためのおとりに使われただけっていう気がするのは考えすぎだろうか?
……いいや。考えたって仕方ない。
それでも、連合軍があの計画に協力するって言ったのは事実。
だったら、思いっきり利用しちゃうんですからね]
『…まぁ、ここまで言われちゃなぁ…
へいへい分かった。わーかったよ。
知恵くらいなら出してやるよ』
やった!ありがとおじぃ!
『ただし、動くのはお前で、責任者もお前だ。言ってる意味分かるか?』
……うん。
[責任を持つってことは。大雑把に言って、“悪いことが起きたら私のせい”ってことだ。
例えば計画の途中で人が死んだら、私のせい。
…重たいなぁ。
でも、それが、やめる理由になんかならない。
やりたいことのために必要なら、背負う。
だいじょうぶ。死なせなければいいんだから]
分かってる。やる。
−呉・Rainbow Arch社 整備スペース−
バルタさん!バルタさぁーん!
[そのときバルタさんはどうしていただろう。
声をかけて、駆け寄って、息を整えて。
近くに社長さんもいたなら、紹介してもらって、自己紹介を交わしたりもしただろう]
んっと…お邪魔にならなければ整備を手伝わせてほしいなって。
重機操作でも部品の組み付けでも道具の保守整備でも何でもやりますから、お願いします!手伝わせてくださいっ!
[深々と、頭を下げる。
だってそれらの傷は、自分を守ろうとしてくれたからついた傷だ。
どんな形であれ、直す手伝いがしたかった]
あ、と。そうだ。
それと、これ。
よかったら見てみてください。
どれもウチの自信作です。
気に入ってもらえたのがあったら、どれでもひとつ、今回の護衛報酬ってことでお渡しします。
それ以外のでも、割安でご提供させていただきますから、考えてみてくださいね!
[言葉とともに、分厚いカタログを差し出す。
糸川くんに使ってる、軽くて硬くて熱にも強いセラミック装甲板や、多少出力を調整して一般規格の動力源にも接続しやすいように改良したジェットエンジン。
他にも、動力不要の刃物としては最高の切れ味を誇る長船さんとこの刀剣類もあるし、いつか中尉さんにオススメした変り種兵器の数々もあった>>0:234。
あとあとアリーセさんのとこにも持って行くつもりだけど…陸戦艇となると、規格が合うかなぁ…?]
それからこれ。
申し訳ないんですけど、よかったら心当たりに配ってもらってもいいですか?
[もうひとつ取り出したのは、ビラの束。
内容は、蟻退治作戦の概要だ。
おじぃが読んでた新聞紙見て、閃いた。
紙媒体使ってたくさんの人に知ってもらおう、手伝ってもらおうって。
だから、近々アリーセさんにも、傭兵仲間の人がもしいたら、声をかけてもらえるように頼みに行くつもり]
−それから数日−
[蟻退治のために、文字通り走り回った。
バルタさんの白騎士さんの整備が済んだら、次は協力者集め。
予定通りにビラを渡して、大阪で広報を請け負った会社の人たちにも同様の依頼。
あの、広報のときの一件で叱られるかと思ってたら、逆に喜ばれたのは、半裸のおじさんをぶら下げて町を練り歩いた姿が、テロリストの検挙に協力した民間人として報道されたかららしい。
おじぃが言うには、連合軍と多企業の看板背負って歩いてるところを大勢に目撃されてるから、揉み消すよりはプロパガンダに利用されたんだろうって。なんだかなぁ…
でも、利用されたら利用し返してやるって決めたので、プロパガンダも大いに真似させていただくことにした。
反攻作戦のライブ中継だ。
その話を持ってTV局各社を回って。
取材してもらうことにした。取材料も多少なり入ってきたから、そのお金はまるまる傭兵さんを雇うのにまわして、それから取材の話を持って、防衛能力を持った民間企業各社を回る。
ウチやバルタさんのRA,シュテルンさんが所属してたグローセンハンクみたいな、連合軍から防衛手当てをもらってたとこだ]
[TV中継されるってことで、自社の技術をPRするチャンスだからってことで、そっちの方からも協力者をどんどん募る。
そうなってくると、作戦に参加する企業の利用者や関係者たちから口コミで、反攻作戦に参加する人は正義の味方!みたいなイメージが出来上がってくるから、そうなってきたら今度は連合軍以外の軍隊さんにも話を持っていく。
異国の地で肩身の狭い思いをしていただろう軍隊さんは、活動しやすくする意味でも、イメージアップって大事らしいっていうのは、おじぃの助言。
そうでなくても、侵略者からの防衛を謳って日本に駐留してるんだから、これだけ反攻作戦が有名になってきて動かなかったら大問題だ。
そうやって、いろんな人たちが集まるようになってくると、どさくさ紛れの同士討ちもちょっと怖いけど。
その辺は、複数の報道陣がライブ中継してくれるとこが抑止力になるらしい。
そりゃ、生中継で世界中に見られてる中で、仲間を撃ったらまずいよね]
[そうやって、あちこちを回る、私の脚になったのは―――]
『S・糸川くんだ』
…え?
[おじぃに唐突にそう切り出されたときは驚いた。
糸川くんにはもう乗せないって言われてたし、当分触るのも、見るのもダメって…]
『言ったろ、S・糸川くんだ。糸川くんとは違うのだよ、糸川くんとは』
…なにその屁理屈。
[思わず苦笑い。しばらくぶりに会った糸川くんは、なんだか着膨れしたみたいに一回り大きくなっていた。透き通るドームを開けて、コクピットに収まる。
コクピットの座り心地は、前と同じに思うけど…]
『一回りでかくして、できた隙間に立山のヤロウんとこの接着剤を封入してある。
これでグルーガンの弾切れはほとんどねぇし、仮に装甲が万が一抜かれることがあっても、突き破ってきたヤツを接着して硬化、装甲の一部にできるって寸法だ』
[ぱたたたたっとパネルの上で指を躍らせて、おじぃの言葉を確かめる。…あれ?これって…?]
『…隙間が足りなきゃ、でかくすりゃいんだよ。バカ孫め』
[パネルに映し出された内部構造。その各所に、私の考えてた衝撃吸収構造が追加されてた。…消すとか言ってたくせに。おじぃのヤツめ]
『でかくした分だけ重量も増えてるからな、ジェット一基増設してある。
バランスの取り方がだいぶ違うぞ。うまく使え』
ん、分かった。
[おじぃに言われてシミュレータ起動。言われたとおりだいぶ重量も増えてるけど、出力も延びてるから、速度だけ見ればむしろ上がってる。
それに。うん。こっちもやっぱり、私が弄ってたモーションデータが組み込まれてる。
ためしにちょっとシミュレータ上で動かしてみる。
うん、これなら、ちょっと慣らし運転すればなんとかなるかな]
……ありがとね。おじぃ。
『……ふんっ。問題点が分かっててほっといたんじゃ技術者の名折れだからな。
テメェのためじゃねぇや。糸川くん完成のためだ。思い上がんじゃねぇ』
あははっ。
…うん。絶対行こうね。宇宙。
『おう』
[それが、みんなの夢だから。
みんなの夢を見るために。遠い空に手を届かせるために。今は、足元を。地球を。なんとかしよう]
…行ってきます。
『おう、行ってこい紗々』
[向かう先は、私が駆け回ってる間に連合軍の人が見つけてきた巨大ネスト。
その所在は、九州、鹿児島、桜島。
旧世紀のそのまた前から、ずっと活動を続けていた火山の根っこ。
そこに、極東のあっちこっちから集まった企業の人、傭兵の人、軍隊の人が集まってきている。
侵略者をやっつけるっていう、ひとつの目的のために。
発起人ってことで、私が命名を任された、その名も―――]
―契約成立の瞬間に>>39―
大げさでもなんでもないよ、多分。
国がどうだ、とかそんなちっちゃい範囲での物言いじゃなくて
誰かが死ぬのは嫌だ、ってのが肝心なんだよ。
「真に世界へ虹の架け橋を掛けているのは、彼女なのかも。」
[社用の通信で社長の割り込みも交えつつ。]
……言えてる。
[これは参った、自分達が掛けるはずのものなのにと
冗談めかした笑みを浮かべて呟く。]
おっと、それは勿論さ。
自分が動けなくなっていざという時に守れないとか……
悔しい思いをする事になるのは。
それは痛い程解ってるつもりだよ。
もうダメだと思ったら、お前引き摺って逃げるから
安心してて。
[続けられた言葉に、>>40ほんの少し目を細めて告げた。
薄くなった視界の中には、焼きついて離れない光のような姿と
変わり果てた母、同じ様に帰らぬ人となった船の客達。
なんとしても守り通してみせるという気持ちは強いが、
サシャの言う事も道理だ。
逃げると言えば安心出来ないだろうが、きっと
サシャはツッコミを飲み込んでくれただろうと信じている。
[そのようなやりとりがあって、無事護衛の契約を
結ぶ事が出来たのである。>>41]
―それからの呉にて>>49―
「ひゃあああ」
うっわぁ。
[社長…ローズマリー・タチバナとバルとが並び、大きく口を
開いて間の抜けた声を上げていた。]
「えーっと、これなんていうんだっけ。
至れり尽くせり、だったかしら。」
[白騎士の整備スペースは適当な所を借りられたらと
思っていたのだが、まさかここまで整えられているとは。
また、社長とサシャが互いの自己紹介を終えた後に
差し出されたカタログ。>>50
護衛報酬としてここからひとつ、貰えるらしい……。]
「えっ、じゃあこの装甲板。」
まだ終わってないから!
……サンキュ、メカ長と相談して購入するのも考えてみる。
だって武器欲しいじゃん、武器。
[沢山の支援と、整備の手。
白騎士の整備は普段の倍の速度で進んでいた。]
―整備の間―
[バルは整備の知識がほとんど無いので、
整備中はハッキリ言ってただの置物と化す。
そこに丁度良い仕事をサシャから預かったので>>51
社に入るまで訓練を受けていた、パイロットアカデミー時代の
友人に片っ端から当たってみようと、
ビラの束を抱えて文字通り走り回っていた。
幸いな事に、サシャと共に行動していた所が報道で
取り上げられていたらしく>>52
話自体はすんなりと聞いてもらえた。]
あの烏賊みたいなのに乗った子、お前も見ただろ。
あいつは、誰もやらない一番シンプルで大切な事を
でっかく掲げて、その為に今フル回転してる。
……いいもんじゃねえ?何処の誰かもわからないけど、
そんな「人」が死ぬのは嫌だって言えるの。
[なかなか首を縦に振らない者も多く居た。
無理強いにはならない程度に抑えつつも、それでも彼女の
助けになって欲しいと、懇々と語り歩いた。]
「ほら、普段蟻相手に一番撃墜稼いでるの機銃座組じゃないですか。」
「なんで、今回は俺達が撃墜トップ狙ってやろうって話になりまして。」
…で、なんでベースがローバー。
確かあれ、重作業用のやつしか無かったと思うけど。
「むしろ、重作業用じゃ無いと取り回せませんよ。
所詮重機ですから、馬力にも限界ありますし。
…それに、安定性かなり高いですから多少揺れても問題ないのが大きいです。」
…そりゃそうだけどさぁ…
[不満は色々有るけれど、スイッチ入っちゃってるし多分言っても止まらないだろう。
仕方が無いので止めるのは諦め(実際、戦力としては地味に役に立ってしまうだろうから止めにくいし)、
甲板上から降りないようにと念を押す。
…ソニックブーム発生器のような飛び道具なら安全だろう。一応。]
―整備の終わった白騎士―
「はい、説明行くわよ。
まず、白騎士側の追加装備だったホーミングミサイル。
アレの数を50から80に増やしました。
その分バックパックが少し後ろに大きく出ちゃったけど、
重心が傾く程でもないから大丈夫。」
[何分、集団で動く蟻が相手だ。
1回しか使えなくとも、その際当てられる数が多くなるので
あれば、多少の重さは苦になるまい。
バルは大人しく頷き、続きを促す。]
「頭部と右腕の損傷はクレモトさんちの手があったので
ありがたい事に完全修理完了。
ほんとは90%くらいの修理率のままになるかと
思ってたんだけど、本当に有難かったわ。」
[剥がれた装甲も、断線していた部位もすっかり元通りだ。]
「主な連絡事項はそれだけ。
フォームアップ後のエネルギー消費率は相変わらずだけど、
ここ一番という所で使えば問題ないはずよ。」
[コクピット内から見下ろす整備班、そして油まみれの社長。
休み無しで整備に当たっていたのだろう、疲れ切った
表情を大きく映し出している。]
ありがと、メカ長。
後は任せて。
[さあ、ここからはバルの番だ。]
―クライナー・テラー、ブリッジ―
「で、止めれずに帰ってきたと。」
…戦力としちゃ十分だし良いかな、と…
「…参戦宣言してる余所の傭兵団に何言われる事か…
何処のオデッサ戦車ですか。作業機械に砲持たせるとか。」
最初テクニカルで戦ってたアタシ達が言えた義理じゃないと思う。 あの頃の武器は、残骸から剥いだ動作保証も無い火器だったし。
「…そういう意味じゃ、今更ですね。」
そうそう。だからそんなに怒らなくても…
「それとこれとは別問題です。」
[…そう。こちらから声をかける>>51までも無く、
幾つかの傭兵団は作戦を知ると協力を持ち掛けてきた。
最も、義だのなんだのじゃなく純粋に『稼げる仕事』と見なして集まって来たらしいけれど。]
[出撃前、火山の根元にて。>>57
大小さまざまな機体が並び、極東全国から集まった傭兵達が
出撃の合図を今か今かと待っている。
その中で。]
あーあー、聞こえる?
こちら白騎士SILHOUETTE、ひとつだけ言っておかなくちゃ
ならない事があるんで、通信繋がせてもらった。
[その声はクライナー・テラーとS・糸川くんへ。
今回の作戦に於いて、ひとつ重要な事に繋がる可能性のある
話をしておこうと]
えーっと、今回の作戦で大量の水が発生する場合。
その時に白騎士の動作が鈍っても、構わず作戦を進めてくれ。
機体自体には何の影響もないから、助けは不要だ。
[水が苦手なのは白騎士ではないと、遠回しに告げる。
それがパイロット本人に関わるものだと気付く者は
気付くだろう。
しかし改めて問われる事があるならば、きちんと
水が苦手なのは自分自身であると告げるだろう。]
あ。
あいつら、来てる。
[友人達と再会した時に聞いていた機体名、
集まった中からそれを見つけ出し、槍を振り上げて
挨拶とした。]
「サッちゃんがケガする事があったら承知しないからね。
……ついでに、あんたも。」
はいはい、有難く胸に刻んでおきますよぉ。
それじゃ、地球防衛組合…行って来る!
[出撃の合図が高らかに宣言され、>>58
そのネーミングの彼女らしさに、笑顔を浮かべて
移動を開始する。
サシャを守り、彼女が知る者を守り、
彼女が守りたいものを守る。その為に。]
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