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小賢しいっ。
[艦体を揺らすヴァイスメーヴェを庇うように、ヴァイが敵巡洋艦の前に躍り出る。
敵艦2隻に対し、放つのは装填の完了した主砲1発と、直後に舵を右に切っての左舷の副砲3発。
しかしそれは片方の敵艦を足止めするに留まり、もう片方の敵艦がヴァイスメーヴェに接近するのを許してしまった。
舵を真直ぐに取り、加速せんとした矢先にヴァイスメーヴェの左舷側を敵艦1隻が塞ぐ>>423]
ちぃっ!!
[右へと舵を切るが、十分に速度も出ていない状態では微速の旋回にしかならない]
[舵を切るが故に加速も出来ないその隙に]
しまっ───!!
[前方を取られ>>424、ヴィクトリアは目を剥いた。
遅れて装填が完了した左舷副砲が、右へと艦首が揺れたのに合わせ、前方から迫り来る榛の巡洋艦へ火を吹く。
それでも止まらない榛を避ける術などなく]
[旋回していたために、榛の先端がヴァイスメーヴェの左舷先端へと突き刺さっている。
衝突の衝撃にヴィクトリアは舵に覆い被さるように倒れた]
げほっ…!
…状況…報せ……
[意識が飛ばなかったのは救いか、直ぐに身体を起こして咳き込みながら状況を確認する。
元々微速だったのもあり、ヴァイスメーヴェはほぼ停止状態。
その周囲を榛以外の敵艦を引き離さんとヴァイが牽制を始めていた]
悪い…ちょっと、離れる。
[傍らに待機していた、ヴァイスメーヴェの元々の操舵士に一度委譲し、ヴィクトリアは操舵室を出て甲板へと出る]
[深々と艦体に突き刺さった榛の角。
そこに向けて声を張り上げた]
ルカ─────ッ!!
[ウェルシュは近くに居ただろうか。
短い指示でも的確に艦を動かす手腕。
怯まず相手へと飛び込んでくる度胸と判断力。
榛に幼馴染が乗っていると、ヴィクトリアはほぼ確信を得ていた//]
―海域北東:第三艦隊 水雷母艦アストラ―
『アイグル少佐より、報告!』
[届けた連絡兵は最初、予想外にアストラが近くにいたことに驚いたようだったが。
呆然としたのは一瞬で、すぐさま大事な内容>>421を話し始める。
若干早口になっていたのは、ヘイゼルの様子が気になっていたからだろうか。
報告を終えた今 、若い兵の視線は海伝いの戦場──巡洋艦の周りへ気遣わしげに向けられている。]
ストンプ候が…。
[成る程、確かにそれは留意すべき事柄だった。
ロー・シェンは受け取った事実を噛み締める。
しかも…
ストンプといえば、ウルズの名字でもある。
彼女に縁の者が乗っている其の艦を、少佐は止めると言っているのだ。]
────… 何をするつもりだ、ウルズ。
[その答え>>424は、程なくして出た。]
[幼馴染みの二人がようやく、
長い年月を経て再会したことを
ロー・シェンはまだ知らない。
けれど…なにがなんでも相手艦を止めんと
正面から突撃した様は、
────… そう。
かつて聞いた彼女の覚悟と、似たものを感じたの*だった*]
― 前庭海域中央/第三隊 巡洋艦ヘイゼル ―
[それは戦場にこれ以上進むなという無意識の警告でもあり、
あいたいという言葉にできない願いでもあった。
ガアアアンという耳を打つ金属音に、めりめりと剥がれるような音が重なった後、爆発音が続く。とうとうボイラーが悲鳴を上げ黒煙をまきちらしていた。]
…。
[中に戻れという部下を振り切り、甲板の船首近くに居た身体は奥へと飛ばされ。
激しく壁に背を撃ちつけながらも、まだ息はあった。]
う……。
[気を失っていたのは僅かな間。
呻くようにして目を薄くあけると、ウルケルの巡洋艦に榛の衝角は深々と突き刺さり、周囲には血と煙の臭いと、慌ただしく動く人の姿が見えた。
だがそれはこちらも同じ。
榛は無残にも剥げ、鈍色を晒し、衝撃で死人を作り、今なお船体は揺れている。
怒号や悲鳴、慌ただしく駆ける人の足音が遠い中、無事だった部下らが走り寄り、体を起こすがそれを遮り、戻り脱出を指示を出す。]
後で行く。
私は、まだ、やることが…
[ふらりと部下の手をすり抜けるように、刺さった衝角がある方へと、故郷の船へと近づくと、
懐かしい声が、忘れられるはずのない声が届いた。]
っ…りあ
リアあああああっ!
[やっぱり乗ってたのか――そう思って泣きそうになった。
弟の声も聞こえてくる。そこに向かって足が、一歩と進んでいく。]
ウェル……っ
[どこかで駄目だという声がする。
それでも懐かしい声は、抗えない誘惑のようで。]
ばかあ!なんでそこに居るのよウェル連れて!
なんで……っ
[顔を抑えようとして、ぬるとした物が手にかかり、手を下ろすと指が真っ赤になっていた。]
ぁ…
[気付けば自分は血まみれで、片腕が変な方に曲がっている。
それなのに、不思議と痛くはない。
一歩、足は進む。懐かしい人に向かって。]
[もう一歩、出した足は前ではなく横に落ちた。
もう一歩、踏み出したはずの足は、後ろに下がった。]
……ぁ れ
[突き刺さった船の、互いの甲板はそれほど遠くはないのに。]
……… ………ぁ
[ぐらりと視界は空に向かい、
ドンという音と共に後ろに倒れた^]
― 会戦海域北東/巡洋艦ヴァイスメーヴェ ―
[甲板には焦げと血の臭いが漂っていた。
悪天候たる霧雨や風があるにも関わらず、そこに留まっているかのように感じる。
榛が慌しいのと同様、ヴァイスメーヴェでも甲板に居て衝突に巻き込まれた者達の救助や後方船への輸送が行われていた。
ただ、ほぼ停止状態にあったのもあり、衝突箇所周辺以外の影響は思ったよりも少ない。
けれど、大きく穴が開いている以上、このまま交戦を続けるのは難しそうだった。
少なくとも、荒々しいヴィクトリアの操船には耐えられまい]
[叫び声に返る、懐かしき声>>438。
10年以上も聞いていなかったもの。
込み上げて来るものをぐっと堪える]
ばかばか言うなっ!!
ウェルシュはアンタに会いに来たんだろうが!!
[未だ姿の見えない声>>439に、込み上げるものを押さえ込みながら声を張り上げる。
足は当然、榛の方へ。
見咎める者も居たが、呼び戻す声は当然無視した]
[互いが噛み合い、ひしゃげた艦体の上を無理矢理登る。
ウェルシュが苦戦するようなら手を貸して、榛の甲板へと移り込んだ]
ルカッ───……!?
[ようやく会えると思った矢先。
甲板に倒れる姿>>440に絶句する。
その姿は衝突の衝撃の強さを物語っているようだった]
ルカああああああああ!!!
[堪えていたものが抑えきれずに溢れ出す。
傍らに膝をついて覗き込めば、零れる涙が幼馴染の頬に落ちた]
そんっ な、
やっと やっ と、
会えた のに ッ
[紡ぐ言葉は嗚咽に混じり、途切れ途切れに零れ落ちる]
[幼馴染の乗る艦を攻撃することに躊躇いはない。
それによってどちらかが死ぬかもしれないことだって覚悟出来ていた]
[自分達は軍人だ、後悔はしない]
[けれど]
[大切な人を護れず死なせてしまうことは、胸に大きな棘として深く突き刺さった**]
(ここを突破しても、その後の問題がある。
この勢いだと大回りしか出来ないんだし、
何より水上戦力の基本は、遭遇した敵よりも強い事、
っていうのは習ったでしょ?
水上戦は不確定要素が大きいんだから、
無理な突破は止めるべき。
仮に突破するにしても、
操舵手の腕がよっぽど良いか、他より足の速い艇じゃないと。
そうなると、成功率は更に下がって――…)
[「だったら自分で操縦する」とか言っていたような気がするが、少しだけ、さっきの状況に似ていてる気がして懐かしかった。
王道と称された通り>>2:8、士官学校時代から教科書にあるような戦略を好み、結果戦略の面では8割ほど言い負かした。逆に直接の戦闘訓練の際には、8割ほど負け越したが。
幼馴染の口調がだんだん荒くなってくるのに、指摘されるまで違和感を覚えなかったのだからいかに長い時間一緒だったのかがよく解る。
良いコンビになるだろうと言われていたし、そうなるだろうと思っていた。
もう永遠に見る事のない夢だ。]
[動かない視界の中に、懐かしい顔が飛び込んできた。
急いで来たのだろう、息は荒く二人とも涙目で。
二人とも泣いてるのに、胸の奥が暖かい。
会いに来てくれたのが、会えたのが、ただ嬉しかった。]
…リア ウェル
[弟が覆うようにして体を抱きしめたので、
幼い時のように、包むように腕を回そうとしたら、
片腕しか持ち上がらず添えるだけになってしまった。
いつもは炭で汚されていたのに、今日は自分の血で汚している。
それに、背中が厚い。
子供の物ではない厚みに、薄く笑った。]
大きく なっ …
[大きくなったねといったつもりだったが、言葉が途中で掠れて。]
[会いに来たと、船を造ったと、あの約束の通りに
そう口にしたなら、それを沈めた事にごめんなさいと謝った。
手紙も来なかったと言われたらなら、それにもごめんと謝った。
弟にも手紙を書いていた。
だが三度綴った手紙に返事は帰ってこず、書くのを止めてしまった。
(宛先が家だから仕方ない、か。)
一番高い可能性は彼の母親が手紙を捨ててしまった事。
低い可能性は3度とも事故にあった事。
それよりずっと低い可能性は…弟に忘れられた事。
諦めずに手紙を書き続ける事も、幼馴染に確かめる事も出来たのだろうが、しなかった。
どの可能性が正しかったのか、結論を知るのが怖かったからだ。
3番目なんてありえなかったのにと、腕の中の弟を見て思い、思い出す。自分は案外臆病者なのだと。]
[倒れたわりに痛みは無いが、何故だか急速に眠くなってくる。]
はっ …はっ …ぁ
[もっと喋りたい事はあるはずなのに、
言葉の代わりに出るのは呼吸音ばかりで。
でもまだ、もう少しと。
ふり絞るようにぐっと、ウェルシュの背から手を離して、ヴィクトリアの肩近くに手を置いて。]
りあ おねが
…ロー殿に、伝え
第三かん隊 ろー・シェン・みーリン 代将 に
わたし は、
[帰りたかったけど、裏切りたくも無かった。
何方も選べずに、だからどちらも選んだ。
迷い悩みながら選んだ道の果てに、
ウルズと同時にウィズルカとして死ねるのだから。]
願い どおりに 生きた と
[後悔は、ない。]
リア
[視界の中から二人の姿が消えてゆく。
目は開いているのに、そこに燈る光が、急速に消えてゆくのに自分では気づかないが。
これが死かと本能で悟り。]
いきて
[それが、口に出せた最後の言葉。]
[それはまだ弟が産まてもおらず幼馴染と出会うよりも前の事。
父親に手を引かれてアンディーヴを訪れた事があった。
幼すぎて、なぜそこに居たのかも、
どうして父親と一緒だったかのかの理由も知らない。
ただ今ほど父親を嫌いではなく、
どこにでもいる親子のように手を繋いで、
ストンプとは違う街並みを珍しそうに下から見上げ、
時折だれかと会話している父親を大人しく待っていた。]
[誰かに頭を広い手で撫でられると無邪気に笑い。
もらった葡萄のひと房は、自分が半分。
背伸びをし、めいっぱい片手を伸ばして、
残りは父親と、葡萄をくれた人の口に運んだ。
疎らな記憶の帰り道、大きな父の手を握る反対の手には青色の切り花が握られていた。
青色の可憐な花は母親に渡すとたいそう喜ばれ、枯れるまでひっそりと母子の部屋の窓に彩を添えていた。]
[遠く離れた帝国の小さな部屋。
良く眠る老女の傍で咲いていた、青い花の花弁が一枚、
風も無いのにゆられて皺のある手にそっと、
重なるように落ちて―――**]
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