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[巨人と竜との争いに、その他の生き物がついてこれるはずもなく。
周囲は竜が放つ炎と、巨人が暴れまわるお陰でいつかの時のような様相を作り上げていた。
>>195再び放たれるゴブリンたちを、空高く飛ぶことで避ける。
そうして巨人へと近づいた。]
[>>196コボルトが放つ矢は鱗を傷つける事はない。
ただ鬱陶しいと思った竜は尾を振り回し小枝のように叩き落とした。
>>197竜の意識があちらそちらと向けられる中、巨人が塔を掴み大きく振り回してくる。
それもゴブリン共と同じように避けようとしたが。]
っ く!
[老いた竜もまた動きの鋭い生き物ではもはやない。
掠めよろめいた所に追撃され、固い竜の背に当たり、攻城塔は音を立てて崩れてゆく。
巨体が傾く。だが今一歩の所で竜は空へと踏みとどまる。]
はっ… おおおお!!
[再度の咆哮。再び周囲の大気を使い、今度は氷の刃を作り出しそれを降らせた。
炎よりは鋭く、だが隙間の多いそれが逃した敵もまた多い。まして今は魔王の位置取りやらは完全に失念していた。
大気の一部を削り取るようにして術へと変え、空白となった空へ補う様に風が周囲の大気を運ぶ。同時に雲をよび、大戦の周囲の天候は目まぐるしく変わってゆく。]
あの時の若造が、ずいぶんと成長したものだ。
[上空から味方を援護しながら飛ぶ白い翼を一瞥し、
そちらへ背を向ける。]
おまえの首はあとで刈り取ってやる。
それまで良い子で待っているといい。
[嘲笑うような声は、別に相手に届かせるつもりはなく。
コカトリスの翼を竜へと向ける。]
[竜が吼えると、空がうねった。
雲が集い、渦巻く。
誰もが竜を恐れつつ、同時に惹かれるようだった。
太古の力の精髄であり──残滓。
カレルを乗せた純白の翼持つペガサスは、小さな伴星のごとく竜の回りを巡ってからギィへと向き直る。
そこに見出したのは──]
― 巨人と竜 ―
[竜の背を打ち据えた攻城塔は一撃で砕け、
木端とコボルトらを地面に振りまいた。
巨人は無手になった手と上空にいる竜を見比べた後、
ぐっと腰を落として手を地面についた。
全身のばねを効かせ、巨人は蛙のように跳びあがる。
竜へと手を伸ばしたそこへ、氷の刃が降り注いだ。]
[おおおん、と悲しげな声を上げながら、
全身を切り裂かれた巨人は苦し紛れに両腕を振り、
そのまま地面へ仰向けに落下していった。
大地が震動で大きく揺れ、周囲に地割れが走る。
その時だ。
魔王の乗るコカトリスがそこへ現れたのは。]
そこの竜―――!
……もしやディルドレ…か?
[問いには驚きと歓喜が混ざる。]
ディルドレだな?そうだな!
よくもまあ、みごとに老いさらばえたものだ!
[怪鳥に乗る魔人は、竜と相対しながらもちらりと視線を王子に向ける。
歯牙にもかけないという態度を取りつつ、
そちらとの間合いを計ってもいた。
竜が何を第一と考えているか。
それは、少し考えればわかること。]
― 出立・カトワールへ ―
[2通の新書を受け取れば、男は魔術師と共に転移術にて目的の場所へ向かう。]
[転移術の最中の奇妙な感覚 ―それは錯覚かもしれないが― がどうにも落ち着かない。とはいえ馬で乗り込むわけにもいかないから仕方ないとはわかっているのだが。]
……着いた、か。
[見回すも、魔物の姿はひとまずは見当たらない。
男はこわばってた身体をほぐすように大きく息を吐き、いつでも抜ける様にとサーベルの柄に手を掛ける。]
さて、目当ての人は何処やら?
[叶うなら、エトヴァルトも連れ帰りたいものだ、と思いながら男は慎重に町中を往く。]
[>>211紙一重の所で巨人を退けた竜ではあったが、使った力は多大で空に在るのがやっとの状態でもあった。
>>212近づくなとばかりに放った氷刃の雨は、それでも魔王の接近を押し留める事は出来ずに。]
かっ ハッ…
[咳き込むように息吐く所にかかる声に、竜は顔を上げた。]
ギィ……!
[友の宿敵、ひいては因縁の相手へと竜は吼える。]
貴様に後など、ない…!
[魔王に放置されたカレルは、ペガサスをさらに上空へと駆けさせる。
そこで、竜が招いた雲から雷光を呼び込むのように剣を掲げた。
人間が稲妻の直撃を受ければ命はあるまい。
だが、竜と妖精の加護を受けている今、雷の力はカレルに従った。]
[老いさらばえとの声には思わず口の端が上がりそうになった。
男が見ていただろう
それでも、美しいと形容する変わり者がいることを竜は知らない。]
久しいな赤毛、
お前は随分と健在なようで腹立たしいくらいだよ。
[数千前と変わらぬ姿に言いながら、竜は青銀の目でひたと睨んだ。
だが力を振るい、背をしたたかに撃たれた竜の力は著しく衰え、あと一撃、二撃が限界だと竜自身が感じていた。]
せえええぃやああ!
[視界を灼く閃光を剣の先に受け、ギィ目がけて振り抜く。
迸る雷撃は、さながら竜のブレス。
だが、その出力にカレルの剣は折れていた。]
[>>215睨み会う最中、ギィの視線がこちらから一度外れる。
それを追うように見た先に見えた者は―――]
っ、まさか…!
[魔王が何を考えているか、悟った竜はその視線の先、遮るように空を駆けようと。]
[ペガサスが上空へと駆け上がる。
それを横目に確認して、コカトリスを緩やかな螺旋を描くように上昇させた。
いつの間にか湧き出した厚い雲が空を覆い、時折稲光が走る。]
ははは。
ロルフのおかげで、ずっと眠っていたからな。
[睨む竜へ楽しげに笑ってみせる。]
おかげでおまえの死に顔を拝めるというのだから。
そこはロルフに感謝してやってもいいな。
[笑いながらコカトリスを上昇させ続ける。
その頭上から、天の雷霆が打ちおろされた。]
― 封印の洞窟前 ―
[男が駆ける間にゴブリンシャーマンの呪は完成する。
杖から放たれる禍々しき色をした霧。
徐々に広がり行くそれに対し、男は霧を斬り裂かんとファルカタを下から振り上げた。
駆ける進路が僅かに色を取り戻す。
その隙間を駆け抜け、男は振り上げたファルカタをゴブリンシャーマンに対して振り下ろした]
せいっ!!
[ゴブリンシャーマンは咄嗟に受け止めんと杖を掲げかけたが、男は構わず力で押す。
頭から膝にかけてを走った刃の軌道は、直後、昏い液体を噴出し地へと落ちた]
よし、これで───
[残るゴブリン達も散るだろうと、振り返ろうとした刹那。
男の視界がくらりと揺れた]
っ、 まさか、
[身を襲う感覚に総毛立つ。
男はゴブリン達の状態を見ることなく、地を蹴り洞窟の方へと駆けた。
ゴブリンシャーマンが放った霧は毒霧だったのだ。
意識が揺れる中、男は霧の影響から逃れるべく洞窟の半ばまで進む]
拙いな……先に解毒か。
[洞窟の半ばで壁に背を持たれかけ、男は揺れる意識の中、自らの額に右の人差し指を当てた]
慈しみの念は聖なる光
癒しの力 その身蝕むものを浄化せん
[男の身が薄桜の光に包まれる。
じわりと身を温かさが包み、早まっていた呼吸は徐々に落ち着きを取り戻した。
そのまま男は腰を下ろし、刹那の休息を取る。
ゴブリン達が追ってこないのは毒にまかれたからなのか、洞窟に入るのを躊躇したからなのか、男には知る由も無いこと。
洞窟の奥底で魔法陣が発動したことにも、男はまだ気付いていなかった]
[電撃は確かに魔王の体を焼いた。
だが、体中に稲妻の名残をまとわりつかせながら、
魔王は倒れることなくコカトリスの背にあった。
上空の王子を見上げて、にやりと笑う。]
炎よ、我が敵を撃て!
[短い詠唱とともに、手の先に炎の槍を生み出す。
それは一直線に王子へと飛んだ。]
[同時に、地上で待機する魔術師たちへと合図を送る。
王子への攻撃に気が逸れるだろう竜を貫くべく、巨大な石槍がいくつも生み出され、空へと一斉に解き放たれた。]
止めろおおおお!!!!
[>>226竜がギィとカレルの間に立ちふさがり、炎の槍を受ける。
魔王から放たれたそれは竜には小さな棘だが老いた身体を縫い留めるには十分で。
>>227同時に下方から放たれた石槍に、竜はその身を貫かれた。
しまったと思う間もなく。一度喰らえば全ての槍が突き刺さった。]
― 刹那の夢 ―
ロル ロル
[王宮をふらふらと、王の名を呼びながら歩く娘が一人いた。
悲しげな、悲壮な顔で歩く王宮外の人間を追い出そうと兵が集まる、娘はそれらを一切と寄せず跳ねのけて、とうとう王の寝所の扉の前までたどり着くと、そこに立った。
青銀の目にはいっぱいの涙を浮かべたまま。
今すぐにでも飛び込んでしまいたいのを我慢しながら。
中から、お入りの声が聞こえるまで娘はそこで待っていた。]
[やがて扉は開かれる。
王の寝室には王の縁者や医師が居たが、王はそれらに退席を促した。
反論もあっただろうが、王はそれらを制し、娘の来訪を歓迎した。
娘は王が横たわる寝台の傍らに膝をつく。]
ロル…
[竜には一時、人には長い時を経て。
死期を間近にした変わり果ててしまった友の顔に、竜は涙するしかなかった。]
どうして人間の命はこんなに短いんだろう。
まだ、まだたったの数十年しか経ってないのに
ロル、いやだ
死なないで、あたしの友達
[すっかり細くなってしまった手を、しわがれた指を、竜は握りしめたた泣いた。]
[死にゆく友は先に行く事を謝罪した。
同時にまだずっと長い生を得られた自分の事が羨ましいとも言った。
残してゆく国は平和だが、まだまだやる事があったとも。
そして、聖剣の事も。
それらひとつひとつの心残りに、ひとつひとつ竜は頷いてから。]
約束する
あたしはこの国にいるよ、ずっと
ロルが作った国にいるよ
あたしの命が続くまで、
ロルの子を、ロルの子孫を、
ずっとずっと見守ってるよ
やくそく…
ロル、あたし…
[そして最後の時を、竜は友と共に過ごした。
もっと言う言葉もあったはずなのに、言葉は何も出てこなかった。
言葉交わさずとも幸せだった空気は、この場においては悲しみしか纏わない。]
ロル…!!
[そして握った手の先から、友の力は抜けてゆく。]
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