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[>>137遠くで悲鳴が聞こえる。
でも声はカークのもので、
いつの間にそんなに遠くに行ってしまったのかと、
朦朧とする意識のなかで、
握っているはずのカークの手首を、ただ強く握りしめた]
え ま
[上手く声にならない。
それでも名を呼ぶと、ねずみはカークへと飛び移る。
その頭上で、周りを威嚇するように。
それは、仲間が次々と袂を分かつ中で、
このやりとりが、万が一でもカークが魔物扱いされることを恐れる心を、ねずみが汲んだもの]
[>>139きつく抱きしめられると、
ようやく幼なじみの腕の中にいると知る]
か く
だ い ぶ
[おちついて。
だいじょうぶだから。
目は貸すんでよく見えないけれど、感じる体温に、
ああ、やっぱりカークは温かいなあなんて、思う]
[ナイフは痣の上から胸を貫いて。
無防備だった少年は即死でもおかしくないのに。
まだこうして考え事が出来るのは自分が勇者だから、では、決してないはずだ。
ぱらぱらと。
ばらばらと。
記憶の頁はまだ止まらずにめくれていく。
――ああ、そうか。
ぴたりと止まった記憶の頁に、微笑む。
懐かしくて、いとおしくて、大切な、一コマ]
[手を、伸ばす。
記憶の頁がたどり着いた先、
「フィオン」と最後に呼ばれたときと同じように。
今度は自分が、カークの立場で
謝り続ける彼の頭を、撫でるために。
上手くできたか、わからない。
手はもう冷えて、感覚もない。
「泣くな」とかつての彼のように口にすることも
出来なかったから。
ただ、思って――
そうして、手を、下ろした**]
あーっはっはっはっは!!!!
あの顔!最ッ高だよ、ひーひー。
そりゃショックだよねえ。
大事な大事な幼馴染を自分の手で殺しちゃったんだもんね。
勇者が勇者を殺すなんて傑作だよほんと。
[からからと笑いながら足を組みなおす。]
イェンスがやられちゃったみたいだけど、勇者の一人は死んで。
もう一人の勇者は心がズタズタ。
あとは風使いのババアと人形遣いの女、ボンクラ聖職者と壊れた人形か。
あ、あと能無しの女も居たな。
……何処まで楽しませてくれるかなぁ。
[肘掛に頬杖をつくと、楽しみで仕方がないという笑みを浮かべた。]
[タチアナが叫ぶ声が響いたかも知れない。
それも、あまりの出来事に遠い遠い意識の外でのもののように、右から左へと通り抜けてしまう。
ただ目の前にある現実を見つめる。
殴り飛ばせば良い?
泣き喚けば良い?
足を引っ張っているのはあなただと罵れば良い?]
……。
[否、フィオンはそんな罰を与えるなど望む筈が無い。
そんな事くらい理解している。]
― 地下4階 ―
手下に、生前腕の良い職人がいたようだ。
気に入ったのなら、他の部屋用にも作らせる。
[主人に渡した山犬のラグや毛布は思った以上に気に入られたようだ>>79。
目の前でごろごろぬくぬくしている様子は、決して口には出さないがとても微笑ましく思える。]
白虚星は…イェンスは、このままでは長くは保たないと思うが…本当に、いいのだな。
[劣勢な様子に再度問い直すと、助けに行く必要がない旨>>89返答が戻ってくる。]
…それも、そうか。
[納得し、石板の戦いに視線を向け直す。]
勇者を勇者に屠らせるとは…思った以上に愉快な見ものだった。
手段も結末も鮮やかだ。
いい仕事をしたな。「エレオノーレ」
[>>135セルウィンが興に乗ったのか愉しそうに笑い続けている。
勇者…それも、万が一仕留め損なうと脅威になる可能性が高いフィオンが葬り去られている。
さすがに鳥呼びは止め、名前にすることで紫忌星の活躍を称えた。**]
[そう理屈では解っていても、やはり耐え難いものがある。
ギリギリの所で持ちこたえている精神力も、時にはふつりと
力が緩み]
……っ…。
[じわりと浮かんだ涙を拭う。
一体に何があってこのような悲劇が起こってしまったのかは
未だ解らないが、大きく息を吐いて冬の人形を抱いた。]
[冬は生命の眠る時。
再び生命満ちる春が巡るまで、安らかなる眠りを過ごす時。
言葉をほとんど紡がない少女は、常にこうして旅立つ者を
見送って来たのだ。]
[そして、今も。**]
早く此処までおいで…たっぷり遊んであげるからさ。
[笑みを湛えたままモニターを見詰め、頬杖でない方の手を振りかざすと人差し指で頭上にくるりと円を描いた。
すると、フロアの至る所に黒紫色に光るグロテスクなぶよぶよした塊が姿を現した。
それらは呼吸をするように、瘴気を放ち続ける。
しかしこれらは普通の瘴気ではない。
甘い香りを帯びた瘴気。
それは紫忌星たるエレオノーレにのみ扱う事の出来る、特殊なもの。
この瘴気に触れたものは、全てエレオノーレの掌の上。
瘴気の中に身をおけば置くほど、体力は奪われ、支配は強くなって行く。
天国を見せる事も、地獄を見せる事も、意のままに。]
う、う
[ぶわっと涙が溢れる。
そうして、フィオンの手は床に落ちて]
――――っ…
[彼の命が零れ落ちていく。取り返しの付かない過ちに、声なき声を漏らした]
…・・・・
[そうして、抱きしめるフィオンの体から、熱が失われていくのを感じながら。
ぬくもりが消えきらぬうちにその体を離し、そっと横たえた。額に掛かる前髪を撫でようとして…自分の手が血に濡れていることに気付いて、ぎゅ、と掌を握り込んだ。
胸に付きたてられているナイフを、抜き取る。
傷口は聖痕があった場所。子供の頃、勇者の証だとお互い見せ合って、笑いあった。
その時と同じように、右掌を傷跡…聖痕に合わせる]
……。
[フィオンの血がついたナイフを納めると、頭上のねずみに話しかける。]
…エマ。ありがと。
大丈夫だから、お前は…、フィーについててあげて?
[賢いねずみは意図を汲み取ってくれ、とん、とん、と軽快に床に降り立つと、フィオンの傍らに立ち、此方を見上げてくる]
…ごめんな。
[血に濡れていない指先でそっと頭を撫でた]
[やがてゆっくりと立ち上がる。
その場に居た仲間たちに、掛ける言葉は持ち得なかった。言い訳も、申し開きも出来るわけがなかったから]
…・・・・・・
俺は、エルを助けに行く。
[ぽつりと呟き、歩き出した**]
― 回想・谷の入口 ―
[>>0:325>>0:334 カークとフィオン、
幼馴染の《勇者》二人が顔を見合わせ、頷き合い、闇を孕む門へと近づいて行く。 ]
あの向こうは、あるがままの風は、もうない……
[ 先刻のため息と同じような幽かな呟きを口の中で噛み締める。
何を心得るべきか、覚悟を決めるべきか、己に言い聞かせるが如く。 ]
だが、息吹がこの胸内を渡る限り、
……風は、我と共にある。
[ 深く息を吸い込み、胸底から吐き出すと、
風笛のような響きと共に、とがった小さな唇から聖呪が光の粒を伴い迸っていく。
拙い足で進む自分よりも疾く、先へと進む仲間たちが見えない風の翼に加護されるようにと。>>1:1 ]
― 回想・谷の入口 ―
[ やがて見えてきた入口の、その佇まいに眉根を潜めた。 ]
セルウィン、なぜそんなところに座っているの、バルタザールも、
[ 続く言葉を考えあぐねた。
悠然とした二人の様子は、決戦に向かうべく先程までの戦士のものとは何かが違う。 ]
なに、……エレオノーレ!?
[ セルウィンとバルタザールの傍らに蹲っていたタチアナとエレオノーレ。
少年の小さな体がゆらめくように立ち上がり、溶けていく。
黒紫色のねっとりと流れる雫はひと固まりに集まり、尾長の鳥……のような形を取った。
その《鳥》が、この変異にも眉ひとつ動かさないセルウィンの腕に止まる。 ]
ちがう、鳥じゃない……
翼王の眷属にはあんな姿のものは……
……《魔》?
[ もはや、疑いようもなく、彼らは
《敵方》なのだと、その言動に思い知らされても、魔による一時的な支配もあるのだろうか、と考えている。
何をすべきか、
この場で、戦力を別たれた味方の守護を強めるべきか、
それとも風の偵を放ってあちらに行った者たちを探るべきか。
一瞬の逡巡の間に飛び出そうとしていたフィオンをヴェルナーが引き戻している。
常にヴェルナーと共にあり、その行動を制御しているフレデリカの異常は、ふたりの動きに紛れて最初はまったく目立たなかった。 ]
イェンスが……?
[ フレデリカを喪って機能を停止していたように見えたヴェルナーが不意に動き出し、傍らに歩み寄った弟の首を締め上げ、彼こそが《犯人》だと告げている。
周囲に寄り集まって来た魔物>>18
命を食らう呪の花、ねじくれた枝を腕のように突き出してこちらを捉えようと蠢く立ち枯れの木、
そうして、からくり人形の魔物。 ]
機械人形……?
[ ヴェルナーの腕から噴き出す苛烈な鉄の焔がそれらを
焼き尽くしていく。
それを助けるべく風の矢を送り、還る風が足元に吹き寄せた赤い花弁を見下ろした。 ]
術や力、姿形を写し取る魔……?
[ 震える花弁を指先でなぞると、風にほどけるように最期の一片が消えていく。 ]
操られている訳ではなく、
そうか……。
それでも、胸が痛む、
その戦いを見守るのがつらく、たまらなかった。
姿を奪われて中にあるのは別のものとはいえ、
イェンスを、弟を、
やはり今は元の彼とは違ってしまっているのだとしても、他でもない、《兄》がその手で斃そうとしているのだから。
弟……
エレオノーレ……?
[ ヴェルナーとイェンスの勝敗はすでに明らかだった。
風の矢を送る手を翻し、上向けた掌から吐息を闇の向こうへと送り出す。
しかし、千の目と万の耳を宿した偵知の風が一つ下の階層に辿り付く一足前に、勇者の一人がもう一人の勇者を手に掛けるという悲劇は起こってしまっていた。** ]
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