情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
次の日の朝、語り手 が無残な姿で発見された。
夜が明け、悪夢は現実のものとなった。
人狼は確かに存在するのだ。そしてその血腥い牙で我々を狙っている…。
人々は苦悩の末、最終手段を取る事にした。
投票により、1日に1人ずつ疑わしい者を処刑する。
例え無辜の犠牲者を出すことになろうとも…。
現在の生存者は、ジャニュアリー島 、空挺隊候補生 カレル、空挺部隊教官 ゲオルグ、訓練教官 フェリクス、カランサテ国 王子 ミヒャエル、陸軍諜報部候補生 セルウィン、陸軍諜報部教官 ソマリ、某国少尉 訓練生側 ベルティルデ、某国少尉 教官側 オズワルドの9名。
次なる訓練内容はこうだ。
【 mission3 尋問訓練 】
・訓練生は尋問への対処を学ぶこと
※何を聞き出したいか、どんな尋問方法をとるか、教官にお任せです。
− 宿舎 −
[一緒に来るよね、来ると思った。>>1:101
嬉しいような困るような複雑な心境だ。
元敵国の軍人だとか、得体が知れない相手だとか、監視役だとか、そんな彼我を隔てる障害をどんどん埋められているのは認めざるを得ない。
そして、フェリクスにそうしたいと言われたら拒めないのは、相手が教官だからじゃないのも、事実。]
報告書に書かないでいいからな。
[せいぜい強気に振る舞うのが精一杯だった。]
― 温泉 ―
[着替えとタオル、それとなぜかスコップを二本手にして宿舎から出る。
暫く歩けば豊かな水が流れる川に到達した。]
そのあたりだ。掘るぞ。
[スコップ一本をミヒャエルに渡し、川のすぐ横を掘り始める。]
川の近くから湯が湧いている。
そのままだと熱すぎるし入りにくいからな。こうするんだ。
[ひとしきり汗を流せば、良い加減の湯を湛えた窪みが出来上がるだろう。]
[服を脱ぎ、肌を晒すと、足先で温度を探りながら手製の湯船に入る。]
このあたりがちょうどいいな。
来いよ。
[うまい具合に水と湯が混ざり合った場所を探し出して、ミヒャエルを呼んだ。]
― 温泉 ―
[近くに温泉があるというのは嘘ではなかったけど、入浴には事前に肉体労働が必要だと知れる。>>2
美味しい話はそうそうないのだ。
湯を含んだ砂はそう堅くはなかったけれども重い。]
今時、塹壕堀りなんて。
[文句を言いながら後ろに掬った土砂を投げてゆく。]
[やがて適度な野天湯船ができあがると、周囲は灌木くらいしか視線を遮るものもないというのにフェリクスはパッパと服を脱いで身を沈めた。
大胆な。
今度はその均整の取れたシルエットを観察する時間が充分にあった。
特殊部隊の大尉で、変装の名人で、情が深くて──
劣等感は起きなかったけれど、呼ばれたミヒャエルはズボンの裾を膝まで捲って靴だけ脱ぐ。]
足だけでいい。
[足首の調子を確かめるふりで、湯を跳ねさせてフェリクスにひっかけた。]
― 温泉 ―
[文句を言いながらも体を動かしていたミヒャエルは、いざ入る段になると足だけでいいと言い出した。
気にせず全部脱げよと言おうとした顔に、湯が掛かる。]
…こいつ。やったな?
[頭を振って水気を飛ばしてから、素早く手を伸ばす。
ミヒャエルの足を掴んで湯の中に投げ飛ばすつもりだった。
無論、足の怪我と頭を打たないようにとは一応気を使いつつ、容赦というものはあまり無い。]
[裸足の爪先で蹴り上げた湯が、何か言いかけてこちらを向いたフェリクスの顔に浴びせられる。>>6
なかなかのクリーンヒットだった。
癖のある髪を振り立てて雫を飛ばすフェリクスの姿は大型の獣のようだ。
どこか愛嬌がある──と思ってクスリと笑ったのも束の間、湯の中からフェリクスの手が伸びて来て、半ば引きずり込まれるような形で投げ飛ばされた。]
ぶっ…は! 大人げないっ!
[派手な水飛沫のわりにダメージはなかったけれど、手加減されたことまでは頭が回らず。]
[ミヒャエルの体は思惑通りに宙を舞い、盛大な飛沫を上げて湯の中に落ちる。当然の帰結として、自分も再び頭からぐっしょりと水を被った。]
あ ははははっ。
なにを言うか。
そっちから先に仕掛けてきたんだろう?
[ずぶぬれになった互いの姿に、思わず笑いが溢れる。
腹の底から笑ったのなんて久しぶりだな、と頭の片隅で思っていた。]
[音の漏れぬバンガローで起きた一騒動は収束し。
第三の試練も、報告書は何とかなることだろう。
いつしか微睡みの中に落ちてゆく。
手元を手繰って、適当な毛布を引き寄せて、
朝まで、そのままの姿勢で眠っていた。]
………はよ。
[目覚めは早かった。
ベルティルデが目を覚ませば軽い挨拶をし、
水汲みと散策の戦果をどさっと机に置く。
くあっと伸びをしつつ、果実を頬張った。*]
ん…。
おはよー…
[朝の気配にぼんやりとしながら目を覚まし、オズワルドに返事しながら何時も通りに寝台を降りようとして――]
……あっ!
[自分の恰好を思い出し、慌てて濡れていない方のシーツを引っ張り身に纏う。]
うわああ!向こう!向いて!
[昨日の状況でなら許容出来た格好も、素面の時には大いに恥ずかしい。
慌てて荷物をまるごと引っ張って風呂場へと引っ込むと、ばたばた音を立てようやく服を身に着ける。]
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新