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─ 戦舞台 ─
[男と青年が中央の浮島に現れた頃には、既に氷華と蓮魔の戦いが始まっていた。
氷雪と水と陽光舞う戦場に、未だ幼さの残る声の怒号。琥珀の双眸をすうと細め注視すれば、主を王にせんと舞い踊るのは、年端もいかぬ少年と少女だった。]
どっちも子供じゃねえか。
趣味の悪い。
[多少苛立たし気に呟くと、あちらは、と傍らの青年から声。>>59
彼の視線を追えば、戦う四人のみならず、遥か上空、桜花に支えられ宙に浮く二人の姿。]
ああ。
今、彼処で仕合っているのが氷華と蓮魔。
氷華は見ての通り氷雪を操る。当代は初参戦らしいが、ひとつ前の女帝は王になった事もある。
蓮魔…は、然程面識無えんだが、前回の選にも出てるからな。蓮と水を操ると聞く。
賑々しい花神サマだと思ってたんだがな、なかなかどうして、苛烈なようだ。
[くっくっと低く喉を鳴らして。
笑う獣の瞳には、抑えきれぬ衝動が浮かぶ。争う者達の意志が、その熱が高ければ高いほど、戦の申し子たるこの獣の本能はあっさりと煽られていく。]
そして────、
[そう続けた男の視線が、遥か高みから此方を見下ろすその瞳>>65を射抜いた。
傍らに座す旧知の魔神は、果たして気付いただろうか。
頭が高ぇな。小さく漏れる声。長い犬歯を、惜しげも無く晒して。]
あそこで高みの見物してんのが、闇桜の魔。
俺たちの相手さ。
[獰猛に笑ったのだった。*]
― 戦舞台/上空 ―
[氷華の選びし従華の事は知らぬ身。
故に、その様子には特に思う所もなかったのだが]
……そこは、四君子の気質によろうな。
あらゆる術を持って完全に従える者、寵を持って囲う者……属させる術は、多岐に渡る。
[問いかけ>>64に返すのは、己が知る限りの事]
……俺も、過去には多少の魅了を持って恐れを閉ざす事はしてきたが。
本質を違えるまでとは望まなんだ……。
しかし、それが要、と判じたならば、なされる事もあろうな。
[何やら、微妙な問題発言も交えて返した後。
紺青は、す、と細められた]
……出てきたか、雷華。
[視線向けた先には、旧知の姿。>>67
その視線が傍らの従華へと向くのに気づき、紺青をそちらに巡らせて]
……さすがの気丈さよの。
[睨み返す姿>>68に、浮かぶ笑みが深まる。
それから、紺青は再び、雷華へ向いて]
どれ。
戦の前の挨拶に行くとするか。
参るぞ。
[短く告げて、扇を振る。
ふわり、と風が揺らめき、桜花の足場は下へと降りた。*]
─ 戦舞台・戦闘領域の外 ─
[不意に、傍の青年の気配に僅かな変化。
ちらりと目だけで盗み見ると、変化の乏しい口元に刷いたのは、確かに笑み。>>60
その表情に、眼差しに。
自然、男の笑みが深くなる。ああ、これだから堪らない。]
ンン?
ああ、ルートは来た時に会ってるのか。
…そうだな。どういう術かは分からんが。とうやら
[青年が口にした異変に>>61同意で答え、眉間に皺を刻む。
ああいうのは、あんまり好きじゃねえなァ。詰まらなそうな呟きを聞いてか聞かずか。己は幸いであったと、同じようにその薄い唇が漏らした音>>62に、隣の獣は少し眉を上げ。
それから、大きな手が彼の顎を掬い上げた。近付けた顔は、鼻先が、吐息が触れ合う程の距離。買い被りさ。低い声が囁く。]
…ルート。ルートヴィヒ。
お前はこの譲葉でいちばんタチの悪い男に拾われたんだ。──忘れるなよ?
[とん、と。
指先が胸骨を叩く。心臓の上を。
青年の返事を待たず身体を離した緋色の獣は、上空の二人を見遣り。
気丈にも睨み返してくるナネッテ>>68に喜色を隠さず、あの暇人、オネエちゃん連れて降りてこねえかなーなどと独り言に興じるのであった。*]
我は臨む 高き天空から
我は臨む 広き大地から
我は臨む 清き水辺から
我は臨む 人々の相から
刻の唄 誰が謳わんや
我は征く 其が唄と共に
**
『どっちも子供じゃねぇか』
『趣味の悪い』
[傍らの主の呟き>>66に、ぱちりとひとつ、瞬く。
そうか。
あれは、子供と称される年齢なのか。
12で軍に入った己としては、別段決して幼いと思うような年齢ではなかったのだが、言われてみれば確かに子供の年齢だ。
それを、興ざめと取るのか、わが主は。]
…やはり、貴方はお優しい…
[呟いた言葉は微かに空気を揺らすのみ。
主に聞かせようという言葉ではない。]
[問いに対する返答は、割合あっさりと得られる。>>67
口にされる言葉を、なるほど、と脳裏に刻み。
氷華の従華となった少女。
彼女を眺めていて、思わず口にした言葉は、主へと届いていたらしい。
不意に触れられた手>>71に、思わずびくりとしたのは、単純に不意打ちであったせいである。
その手に上向かされ、金色の瞳と出会うと、こくりと喉が鳴った。
至近距離で、落とされる囁き。]
……。
[一瞬感じた、まるで獣に追い詰められたような錯覚。>>72
しかしそれは、あっさりと身を離されることにより、解除される。
思わず留めていた息を深く吐き出すと、男はついと視線を足元へ落とす。
ほんの僅か、頬に差した朱は、一瞬怯んだ己自身を恥じたもの。]
…決めるのは、私です。
[ぼそり、呟いた言葉は、口の中でもごもごと反響し、明瞭な音を為さなかった。
再度、ため息を付き、ちらりと見やった主は頭上を見上げている。]
[ハルトの渾身の一撃は、氷華に届いたか否か。
仮に届いたとしても、まだそれとは認識出来ぬ刹那。
晴れつつある水蒸気の向こうに、色取り取りの蓮花>>74を見る。
雪覆う白き冬に、似つかわしくない夏花の彩]
…………ふ、
[笑みに似た響きで息を吐く氷華は、かつて足を踏み入れた先代の領域を思い出していた。
先代の象徴花は雪割草、当代の象徴花は柊]
[その二者の共通点は、雪中に在りて常緑*]
[その視線>>72に従い、見上げた先には女性の眼差し。
傍らの主を見ているようだが、その意図は測りかねる。]
我々の相手…
[闇桜、と称された相手の姿を見上げ、小さく繰り返す。
従華と思しき女性の方は、随分と気が強そうだ。
男の国では、女性が剣を取ることは、稀であった。
しかし、決してゼロではない。
女性の身ながら、男の固い身体を易々と掴み、大地へ叩きつける者がいることを、知っている。
尤も、国ではそういった女性は、必ずそれと分かる程度に鍛えていたものであるが。
特異な力を得た者を、ただの女性と侮るつもりは、毛頭無い。
ふと、流した視線の先、闇桜の魔がこちらへと降りてくる>>70様子が目に留まる。]
…こちらへ、いらっしゃるようです。
[主に向けて、抑えた声で囁いた。]
― 戦舞台/上空 ―
ん?
ああ……確かに、そなたには魅了は施しておらぬよ。
[問い返し>>75には、至極あっさり肯定が返った]
……呪に寄りて、心奪われるは不本意であろ?
それに……俺が惹かれているのは、素のままのそなたの心根である故。
それを打ち消すのは面白くないのでな。
[例によってさらりと問題発言を織り込んだ後、魔の意識は下へと向かい]
― 戦舞台 ―
[降りてこないか、と独り言ちている>>72とは知らぬまま、ふわり、雷華とその従華の近くまで舞い降りる。
扇の一閃にて、足場となっていた花弁は周囲に散った]
支度は整ったようだな、雷華。
[呼びかける声は、常と同じく軽いものだが。
紺青に宿る色は、鋭さを帯びていた。*]
― 闇桜の事始め ―
[──それは、幾度前かを数える事も最早叶わぬ遠き刻の事]
[今の世にて『闇桜の領域』と称されるそこは、『銀の桜鬼』と呼ばれる鬼神の領域であった。
領域には、異界より鬼神が連れ攫いし娘が囲われていた。
如月の君、と呼ばれるその娘は自らも鬼神を愛し、その眷属たる桜木を等しく慈しんだ。
鬼神の眷属たる桜木には、ひとつひとつに名が与えられ、その力に従う事が定められていたが。
とある若木が、その理から外れる事となった]
『……まっしろ』
『月の光を受けて、蒼く透き通るよう』
[気紛れが生み出したが如きその若木に揺れていたのは色薄き花。
力弱く、鬼神の目に留まる事のなかった名も無きそれをも如月の君は等しく愛でて]
『名がないの? だから、応えないの?』
『それなら……蒼い月の光の子……蒼月、と呼びましょう』
[邪気なく紡がれし言霊が、後の闇桜に意を宿す事となった]
[名を得た若木は幼子の姿を持って具象し、名づけの主たる如月の君の傍仕えとしての任を鬼神より与えられ。
次なる王華の選の時までは、鬼神の領域にて平穏な時が紡がれていた]
[平穏が喪われしは、王華の選の後。
鬼神の従華として添うた如月の君が命を落とし、寵姫を喪った銀の鬼神もまた散り果てた。
鬼神の眷属たる桜木が枯れ果てる中、唯一残りしが、如月の君より名を賜りし若木。
若木は領域に残る力を己が身に蓄えた後──『譲葉』の地に文字通りの嵐を巻き起こした]
[それは、文字通りの春の嵐。
太刀一振りを携えし若き魔性は、狂気にも似た苛烈さを持って、高見を目指す者たちに挑み、その悉くを打ち破った。
破りし者の血を自らの内に取り込み、そこに宿る力を喰らう様は、狂気の華──『狂い桜』と称されて。
太刀のみを持って
多くの力を取り込みし魔は、やがて強者の一角へと名を連ね──『四君子』が一、『闇桜の魔』の名を得るに至る事となる、が。
『四君子』として、選に臨むその姿からは、かつての狂的な熱は失われ。
月闇の許にて微睡む怠惰なる魔、と。
称されるようになるまで、左程時はかからなかった。*]
― 戦舞台/上空 ―
そりゃそうだけど。
[確かに術で操られるような状態になるのは本意ではない。
ナネッテの性格を看破していることと、更に紡がれる言葉>>82に少し落ち着かない気持ちになった]
(何でこうもさらっと言えるのかしら…)
[人とは駆け引き的なやり取りをすることが多かったナネッテにとって、真直ぐに向けられる感情には戸惑うことも多々ある。
気に入られていることに悪い気はしないが、こうも繰り返されると何とも言えない気持ちになる]
そ、そうなの……。
[そのため蒼月にはそれだけ返し、揺れるのを誤魔化すように、降り行く眼下へと視線を転じた]
― 戦舞台 ―
[降りてくる闇桜の主従>>83をじっと見守る。
主の傍らに立ち、姿勢を正す。]
……。
[しかし、闇桜の魔が主に話しかけている以上、黙ってそこに控えるのみ。
傍らの女性には、ちらりと目をやるが、視線が合えば会釈の一つもしたことだろう*]
来たか、桜の。
[抑えた声が魔神の動向を告げる。>>81
一段と深くなった笑みで、緋色の獣は振り向いた。
上空の足場から降りてきた馴染みの男>>83は、ひらり花弁を撒いて地へ降り立つ。
いつも通り、軽い調子の声。
しかし太刀のように鋭さの紺青が、真直ぐ琥珀を射抜いてくる。]
ふむ。
少しはマシなツラになったな、暇人。
[にんまりと笑うその口元には犬歯。
傍に立つ女性へ視線を移すと、少しだけ表情から獰猛さが消えた。]
調子はどうだ?
退屈は拭えそうかね、その様子だと。
[揶揄する調子で言ってやると、果たして桜の魔神は如何に答えたか。*]
― 戦舞台 ―
[さらりと告げた言葉、それに対する様子>>88に笑み浮かべたのは刹那の事。
地に降りた魔は、優美な仕種で扇を畳み、笑う緋色>>91に一つ、頷き返す]
……ああ。
久しぶりに、『狂い桜』として舞う気になれた故にな。
飽きる暇など、此度は到底持てそうにない、というのもあるが。
[く、と笑う声は微かに熱帯びて]
何せ、飽いたなどと抜かしていては、我が燭たる桜に愛想を尽かされてしまう故。
[冗談めかして告げつつ、傍らに立つ従華>>89へ視線を向けて]
……此度の、俺の対。
『玲桜の燭』と、名付けた。
……よしなに頼むぞ、雷華。
[名を与え、力与えるやり方は既に知られた事か。
手短な紹介の後、小さく名乗りを、と促して。
紺青が滑るは、緋色に従う銀の方。*]
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