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遠慮は一切無用……その全力、
[それまでの軽さとは一転、鋭さ帯びた声が響く。
合わせて弾かれた弓弦からふわりと風が舞い上がり、それは真珠色の煌きを帯びて幻燈師を取り巻いた。**]
― 月の舞台 ―
若いってのは、生まれてからの時間が短いってことだよ。
とはいえ、竜と比べりゃ大概の奴が「若い」から、な。
[ 気にすることじゃないな。と、竜は笑って、それ以上を問うことはしなかった。 ]
ああ、せいぜい気張って証明してくれ。その方が、俺も楽だ。
[ どこか幼さのようなものを感じさせる言動とは裏腹、戦いに関しては、まぎれもない自信を見せる>>21メルヒオルの様子に、竜は目を細める。 ]
ああ、飾りで翼生やすほど酔狂でもねえし、もちろん飛べるぞ。
[ 空でも陸でも、と、言葉を続けたメルヒオルに相変わらずの調子で応じながら、竜は、最初に戦うことになった幻燈師と海蛇竜の方へとちらりと視線を投げた。
あの竜は飛びはしないだろう。けれど、幻燈師の真珠色の翼の方はやはり飾りではないはずだ。 ]
そうだな、折角だから空でやるか?
俺も飛ぶのは久々だからさ。**
― 月の舞台 ―
[己の産まれてからの時間が長いのか短いのか。
それすら判然としないメルヒオルは、ツェーザルの話>>35理解出来ずにいた。
けれど、気にすることじゃない、と彼が笑うため、この話題はここまでとなり]
わかった、じゃあ空で。
[意識は直ぐに『儀式』へと向く。
翼を存分に使う空中を戦場と定め、メルヒオルは背に意識を集中した]
─────………っ!
[メキメキと音を立て、メルヒオルの背に蝙蝠のような皮膜翼が現れる。
ツェーザルの翼とは似て非なる、黒緑の翼]
[ばさりと羽ばたかせれば、メルヒオルの身体が宙へと持ち上げられた]
<現れよ、真なる姿>
[ネックレスとして下げていたランスを鎖から千切り、呪を紡ぐ。
魔力がランスへと集まり、本来の姿 ─── メルヒオルの背丈ほどのサイズとなり手に治まった]
手加減は要らないし、しない。
[宣の後、メルヒオルは上空へと昇っていく**]
― 月の舞台 ―
[力強さのある足取りはエスコートというには優雅さもないが、あえていうなら歩幅合せるぐらいの気遣いぐらいだっただろう。]
この辺りでいいか。
[他もやりあうようだ。少しでも邪魔にならぬ場所。邪魔させぬ場所にと誘った。
それは他よりも、周囲をみやる余裕があったともいえたかもしれない。
アデルの手を離し、間合いを取って向き合う。
腕も足も届かぬが、一息で詰めれる距離ともいえる]
―――……よし、やるか。
[拳と拳を胸の前で突き合わせる。
シュ〜と音をたてて蒸気があがる。拳から発した熱量が腕へ肩へと伸び、隆起した筋肉が赤く染まった。]
喚びだした者としてエスコートだ。
……まずは楽しむとしようや!
[一切の魔力の消費すら見せぬ変化をどう捉えたか。手法は問わない。ただ開始の合図だけを合わせれば、あとはやりあうだけという認識だ**]
― 月の舞台 ―
[同じ舞台に立つ変彩竜――初戦の相手――がこちらを見定め、戦場を選んだ>>35ことは知る由もなく。
蛇竜は目の前の召喚主に意識を集中する。
全力を見せろ、と、叱咤するような鋭い声>>34。
真珠色の煌きに、風の力の気配を感じた]
[このような形で――異界で、しかも主との対峙という形で、触れることになるとは思わぬ力だった。
ほう、と口の端を緩めたのは一瞬。
意識はこの場にてやるべき事へと向けられる]
─ 月の舞台 ─
[>>22筋骨隆々の男の手にしっかりと覆われた自身の手は人の身の温もりを持つもの。
ぐ、と握り合わせた後離された手は、そのままひらりと翻し]
わざわざ喚ばれて堅苦しい思いはしとうないしの。
悠久の時を過ごすに、思う存分羽目を外す機会は見逃せぬじゃろぅ?
[納得がいったかどうかは読めぬものの。
>>24ひとまず頷きを見せた主に笑みを向けた後、暫しの間石を使っての通信に四苦八苦して。
やはり、あまり器用ではないらしいと納得した所で舞台の変化が始まった]
[それが舞闘会の始まる兆しと知っている竜は、人身のままそれを見遣り。
主たる男へと視線を向けたのは、儀式の為、であったのだが]
うむ、そうじゃろうの。
主は察せぬならはっきりと言う方がらしく見えるわ。
儂としても、その方が好ましい。
[>>27苦手だ、ときっぱり言われたそれは容易に察せられたこと。
肯定は謳うように、差し出した手すら好意を雄弁にみせるよう]
少なくとも、主の方には己を示す度胸は充分あるようじゃしの。
儂の方こそ幻滅されぬように気張らねばならんのぅ。
[>>29苦手と言いながら不敵に笑う主に手を引かれ、自分達の闘いの場へと移動した]
[>>38苦手と言った男のエスコートは、無骨ではあったが無神経ではなく。
歩くに苦を感じない程度には堂の入ったものだった。
そうして、他の二組と充分に距離を取った場所取りが出来た、と双方が思えた所で自然と手が離れた。
恐らくは男が思う、互いに利、不利が釣り合う間合いが開けられて。
正面、呪も唱えず魔力も使わぬままに現れた変化に向けたのは、微かな瞬き。
男の血筋か、身につけた甲か、それ以外か。どうして起きたのかは分からぬがそんなのは些細な事だ]
うむ。
なかなかどうして、悪くないえすこぉとじゃの。
では儂も、主の意地にきちりと応えねばな。
[>>39竜の目に映るのは、正面からぶつかろうとする誠意が全て。
なればこそ、誠意をもって返そうと、ぱっと開いた扇が空を舞ったと同時、翡翠色の翼が翻った**]
― 月の舞台 ―
[ 竜が若さについての問答を終わらせたのは、自分の年齢についても実はよく覚えていないからだった。生まれたばかりではないのは確かだったが。 ]
へーえ、強そうだな。
[ 戦場を空と定め、黒緑の翼と、巨大なランスを顕現させたメルヒオルの姿に>>37竜は楽しげにそう呟き、自らの翼をばさりと羽ばたかせた。 ]
手加減、て、なに?
[ 手加減無用の宣を受ければ、以前のメルヒオルの口調を真似るように言葉を返す。
......実は、本当に、意味を知らないのかもしれなかった* ]
― 月の舞台 ―
全力、出して。
[手加減についてを問う>>44のを聞けば、言葉を変えて言い直す。
意味を知らないのか、揶揄っての言葉だったのかまでは分からないが、メルヒオルはどちらにも受け取った。
表情にほんの少し苛立ちが乗る*]
本当の全力出せるかは、相手次第じゃなかったっけかな?
[ 僅かに苛立ちの色を見せる変幻騎士に>>45返す言葉は、やはり軽く、そして曖昧なもの。
それは相手の気を逆なでするかのようにも見えるが、ふい、と一瞬、遠くを探すように紅の瞳が彷徨ったのは、天色の瞳に映ったか* ]
……盟約成立、だな。
さて、傷の手当てもしないとならんし、今のうちに休んでおくか。
[軽い口調で言いながら、重ねられた右手を握って立ち上がる。
ふぁさ、と揺れた翼が風を巻き起こし、転ばぬように周囲を巡った。*]
はい。
……次までに、万全にしなければいけませんものね。
[休息を勧める声には同意を返す。
身に受けた傷を塞ぐのは、術下にある武具のようにはいかない。
とはいえ今回程度のものなら、落ち着いた場に居れば回復はすぐだろう]
[右手を軽い支えに、二本の足で立ち上がる。
周囲巡る風の補助に、密やかな笑みを零した*]
ああ。
万全を持って相対するのが、この場での礼儀……らしいからな。
[返された同意>>48に軽く言いつつ、重ねていた手をそう、と放す。
熱帯びた珊瑚は手の内に握り込みつつ、異空へと繋がる入り口の一つに紫苑色を向けた]
取りあえず、休息場所は用意されている。
準備が整うまでは、あちらで休むか。
[言いつつ、そちらへ向けて歩き出す。
歩みに手を貸す事はしない。
が、立ち上がる時に沿わせた風はそのまま蛇竜の周囲で、歩みを支えるが如くくるりと舞っていた]
― 個別領域 ―
[異空の入り口をくぐり、たどり着いた先は召喚師と竜神のための休息の場所。
その内部は、それぞれの望みや好みに合わせて変化゜ん自在、とは聞いていたが]
……なるほど。
聞いていた通りというか、なんというか。
[たどり着いた先は、小さな島の如き場所。
悠々と広がる水域に囲まれたそこには、座り心地の良さそうな枝を備えた果樹と低木の茂み以外のものはないらしい。
水の中の様子は見て取れないが、恐らくは蛇竜の好みに合った様子になっているだろう。
自身がそうあるように、と求めたままに]
……どれだけの力を場に割いてるんだか……まあ、助かるがな。
[呆れたような感心したような、なんとも言い難い口調と表情でぽつり、と呟いた後]
取りあえず、休むか……。
[ここに来た目的を果たすべく、木の根元に腰を下ろした。*]
[こちらが立ち上がった後、召喚主の手は静かに離れた。
自身をこちらへ呼び寄せた石は、彼の手に握られたまま>>49]
あ、はい!
[休息場所へ歩き出した主を、追うように歩き出す。
化身したばかりよりはやや慣れた足取り。
軽さを感じるのは、周囲を舞う風による安心も加わってのことだろうか]
― 個別領域 ―
[異空の入り口の先。
水に囲まれ小島の浮かぶ空間を見て、蛇竜もまた目を円くした]
すごい。
ちゃんと……水場まで用意されているのですね。
[自らの力により確保するまでもなく。
淵に寄り手を浸せば、それは確かに海水であることが力の気配により感じられた。
碧色で透明度の高い水は、覗き込めば適度な岩場や海藻もあり、まさに海を切り抜いたようだ]
[驚きはあるが召喚主の言葉>>51には小さく頷くに留め。
腰を下ろす主を見るともなしに見た後]
では、わたしも……失礼致します。
[ぱしゃん、と小さく水音立て、海中へ。
一潜りして再浮上する頃には、半身は既に白蛇へ変じていた]
やはりこの方が、落ち着きますね。
[本性そのものでないとはいえ、長年を過ごした姿はやはり身に馴染んでいた*]
― 個別領域 ―
水域は必要、と言っていたからな。
[水に驚く様子に、さらり、と告げる]
この領域は、召喚師が望むように『創られる』らしいから、必要と思ったものはあるとみてよさそうだ。
[のんびりと言いながら、治癒の術を紡いで負傷した所に光を当てる。
半身を白蛇へと変えて寛ぐ様子に微か、笑んだ後。
紫苑色が向くのは、自身の右手]
で、だ。
[軽く言いつつ、翳す手は再び竜のそれへと転じる]
ま、一言で言っちまえば、『親譲り』だ。
この、翼共々、な。
[言いつつ、翼をばさりと動かす。
言っている内容は、わりととんでもないのだが。*]
― 個別領域 ―
そういえば、そのようなことを話していましたね……。
[召喚主の話に頷く。
聞いてはいたが、予想以上に広々とした空間だったのはやはり驚きだ]
[一度身を海中に潜らせた後、治癒の術を使いつつ語り始めた主>>55へ視線を向ける。
ちなみにこちらは術ではなく自然治癒頼りだが、最適な環境が得られたので問題なく完治するだろう。
そうして語りに耳を傾けていれば、彼の右手は再び竜のものへ変じる]
へ……?
[そして、あっさりと告げられた答え>>56。
すぐには呑み込めず、しばしぽかんとした後]
竜のお子……ということ、ですか……?
[それは翼においてもそうだという。
魔界に住まう種族としての特徴だと思っていたが、どうやら違ったようだ]
それって……ありえるのですか……?
[思わずそう口にしてしまったのは、あまりに信じられなかったため。
異界の行き来を阻む壁は厚い。少なくとも、竜にとっては*]
だからさー、とりあえず、お前の
そうすりゃ、傷も治るからな。
[ 痛えんだよこれ、と、ランスの穿った傷を押さえて、竜は顔をしかめて見せる。
無事に魔力を補給できれば、その傷跡に一箇所だけ、天の色の鱗が顕れたのが目に出来る筈だ* ]
さて。
無事に儀式も終わったことじゃし、さっさと舞台を空けねばならぬのぅ。
主よ、もう一度えすこぉとを願えるか?
あちらで茶でも淹れてやる故。
[そう言って個別領域へと続く入り口に視線を向けて。
労いの言葉というには尊大さが隠れない口ぶりで、重ねたままの手から主へと視線を移した**]
― 個別領域 ―
[さらりと告げた言葉はすぐには理解に落ちなかったらしく、次の言葉が紡がれるまで、しばしの間があった。>>58]
ああ、そういう事だ。
いつぞ、この『舞闘会』に挑んだ人の魔導師と、翼持つ竜神の間に生まれた子。
それが、
あり得るのかも何も、実際にここにいるぞ?
[返す口調は、どこか楽し気なもの]
とはいえ……
何せ、生まれる前に竜郷へ戻ったらしいんでな。
ただ、ある程度の時間を魔界で過ごしていたのは確かだ。
[何故戻ったのか、についてははっきりとした事は聞いていない。
ただ、どうしても戻らなければならない何かがあった、という事だけしか知らず、その理由を追求する気もないのだが]
ま、半竜と言っても、竜としての力を振るえるわけじゃない。
だから、そこはあまり気にするな。
[あらゆる意味で、気にしないというのも難しいかも知れないが。
それと知りつつ、軽い口調でさらり、と告げた。*]
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