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霊薬師の娘 エレオノーレ は 軍事顧問 クロイツ に投票した
女子学生 シュテルン は 霊薬師の娘 エレオノーレ に投票した
軍事顧問 クロイツ は 霊薬師の娘 エレオノーレ に投票した
霊薬師の娘 エレオノーレ は村人の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか?
咆哮が止み、輝かしい朝が訪れて村人達は知った。
――全ての人狼を退治したのだ!
─ その日 ─
遠く、曖昧に、人の声が響いてきた。
ざくざくと雪を踏む足音。
ごうんごうんと二重扉を打ち破る音がして。
太陽が落ちて来たかのような、眩しい光が降り注いだ。
「 おおい!
生きてる者は居るかー?! 」
逆光の黒い影が、避難所の中へ呼びかけた……。
クロイツ叔父様
お元気でいらっしゃいますか?
あれから2年が経ちました。早いですね。
其方は如何でしょう。
フリッツやヒルデに会えないのは寂しいことでしょうね。
皆、泣いておられましたよ。
ご安心ください、叔父様の最期はきちんと…あぁ、少しだけ脚色しましたが、叔母様にお伝え致しました。
あぁ、今日突然筆を執ったのは、そう、あれからのことを少し書き留めておこうかな、なんて思ったから。
ブリザードは叔父様がお亡くなりになった次の日に止み、救援部隊が来ました。
2人で生き残れたんです。何とも皮肉なことですね。
私が銃を使ったことも、遺体に疑念が残ったことも、非常事態として片付けられました。
えぇ、やむを得ないこととして、罪を問われることは無かったんです。
私はあれからとても大変でした。
あのブリザードの生き残りですもの。
父と母の遺産を父の遺言通りに私が手にいたしました。
一手に大金をも手に入れた私は、マスコミに囲まれ、痛みも苦しみもない新しい世界に生きることになりました。
それはもう、其処までの14年分を取り戻すかのような素敵な時間でしたわ。
けれど、報道は、私を奇跡の少女として扱うだけでは足りず、何処からかあの避難所に食された後のある遺体があると嗅ぎつけました。奇跡の少女は人食い魔物に書き換えられてしまったのです。14年間籠の中で育ち、それも身体にも心にも痛みを負うのが普通だった私が、そんなものにうまく対処出来るわけがありません。
この世界には、優しく温かい場所なんてありませんでした。
ねぇ、叔父様。
幸せってなんでしょう…
追伸
少将のスマートフォンのボイスデータですが、軍のギィ補佐官にお渡ししておきました。
お二人とも、亡くなった後ですが、軍規違反で懲戒扱い、慰霊金も軍部保険も下りず、叔母様、フリッツ、ヒルデはあの家を出たようです。
連絡は取れません。
何処でどうしていらっしゃるのでしょうね…?
[数日後、練兵場宿舎。クロイツの私室前]
[扉に挟まったままの手紙を、調査隊の隊員が見つけ開く。]
お父様へ。フリッツです。
冬に入り、風邪を引いてないでしょうか。
今日、お爺様から「お父様がもうすぐ帰ってこれる」と伺いました。なんでも、お爺様の部隊の参謀として迎える準備が出来たそうです。
あ、これ秘密らしいです。お父様おゆるしください。
春にはお父様に会えるでしょうか。楽しみです。
お身体にはお気をつけください。
おとーさま。ひるだです。
おとーさまにはやくあいたいな。
ひるだはおとーさまのおかおをおぼえてないの。はやくあえるのがたのしみです。
[読むべき人間に読まれなかった手紙は、そのまま焼却され、宛名の人間のこととともに忘れ去られていった。]
─ IF ─
[死ぬか殺すしかない。
他にない。どうしようもない。
死、死にたくない。死にたくない!!]
ハァハァ……!
[息が荒い。避難所中に響いてる気がする。いや気のせいいだ。誰かに注視されてる気がする。それも気のせいだ]
ハァハァハァハァ……!
[地下へ降りる階段の一番上に、調理室で見つけた洗剤をぶちまける。
これで滑って勝手に落ちてくれれば良し。
そうでなくとも、気づいて足を止めたところを、後ろから突き飛ばして……]
ハァハァハァハァハァハァ……!
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