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― 『舞踏場』近辺・ビル屋上 ―
[鴉が降り立ったのは『舞踏場』へと入る前に訪れたビルの屋上。
その時と同じように形を崩し、人の形を作り為すと、ディークは軽く口端を持ち上げた]
へぇ……観測者に挨拶に来たら、王様までご登場とはな。
[似た気配を持つ2つの姿。
片方の存在感はもう片方と比べるもなく圧倒的なものだったが*]
― 『舞踏場』近辺・ビル屋上 ―
[少女の動きと少年の言葉>>30。
それぞれを見遣り、『影』だと断言する様子には明るい笑みを浮かべた]
流石、と言ったところかな。
アンタがセラフか。
[少女から聞いていた呼び名を口にし、少年を見遣る。
呟かれた言葉には虚を突かれたような表情をした]
…気に入り?
俺が?
[『あの方』との接点はほぼ無いに等しい。
一方的に知られることはあろうが、言葉を交わしたことは無いためにそう思われていることを知るわけもなかった*]
[ それは、舞踏場を撤退した直後のこと、協会に戻れば、調査のため、一時会えなくなる事は判っていたから、今のうちにと、男は口を開いた ]
シュテラ...貴女に話しておかなければならない事があります。
半年前、私が、何故融合体となる道を選び、貴女を置いていったのか、その理由を。
[ 彼女にだけは告げられないと思っていた、それを、今は彼女にだけは告げておかなければいけない、と思う ]
私は半年前、父を...殺しました。
[ どこか淡々と告げるのは、逃れられない過去の鎖。狂った男の遺した呪いと、その種は未だ、自分の内に残っているであろうこと ]
あれは…私から心を奪う呪縛でした。意志も記憶も全てを奪われ、父の復讐の念に操られてハンターを殺すだけの怪物になる…それは、それだけは、受け入れることが出来なかった。
[ 闇に心を塗りつぶされ、大切な人の記憶も、彼女への想いも消し去られようとした、その恐怖を思い出せば、今も身体の芯が凍え、心臓が握り潰されるような心地がする。
だから、融合体となってでも、自分の意志を残す事を選び、己を支配しようとする父を殺した ]
[ 融合体となれば、結局ハンターとは敵対し、命の遣り取りをすることになるのは変わりない。それでも… ]
…全ては私のわがままに過ぎなかったのかもしれません。いっそ意志の無い化け物であった方が、貴女に辛い思いをさせる事もなかったのかもしれない
[ そっと、自分がシュテラの身につけた傷に触れ、目を伏せる。彼の意志が完全に消えていたなら、シュテラも躊躇いなく狩ることが出来ただろう。その方が彼女の未来の為には良かったのかもしれない、と、今でも思う…けれど ]
それでも…貴女を忘れ、忘れたまま殺し合うことになるのだけは、嫌だったんです。
[ 狩られるなら、最期まで、彼女を愛したクレステッドとして…そう、願ったのだと打ち明けて、許しを請うように、男は恋人の手をとり、その指先に、口づけた** ]
― 『舞踏場』近辺・ビル屋上 ―
[少年の瞳に宿る険の色>>34。
それが見えてもディークの態度は変わらない。
こちらとて敬称をつける道理は無いのだから]
……
[紡がれた名に反応し、反復する。
呼び名そのものを耳にしたことは無い。
けれど何故か響くおと。
『あの方』の気に入りだと言われたことも驚きだが、今は響いたおとに意識が向いた]
…そっちの観測者に挨拶に来ただけだったんだが…。
[投げられた曖昧な問いに、考えるように右手を顎に当てる。
視線は一度少女の方へ。
しかし直ぐにそれは少年へと移り]
その、
別格だと言うことも含めて。
[意図せず口端が持ち上がる*]
「……キミに知れる事で、
断片は、落としてやろう」
[ここで一度、言葉を切り。
『熾天使』はそ、と手を天へと向ける。
その手にふわり、銀色の光が舞い降りた]
「……あれ、は。
ボクや、アルトゥルの『側』にいる」
[その光を愛でるように見やりつつ、淡々と紡がれたのはどこか曖昧な言葉。*]
― 『舞踏場』近辺・ビル屋上 ―
[向けた言葉に対する少年の反応を窺う。
返される愉しげな笑み>>41。
どうやら機嫌を損ねるとまでは行かずに済んだらしい]
『蒼神』……それが今の名称か。
[
徐々に明かされる関連することば。
断片を、と言う言葉に聞き逃さぬよう少年の言葉を意識で辿る。
そうして告げられる、新たなる事柄>>42]
[少年の手に舞い降りる銀色の光。
それを見遣る少年の瞳は柔らかくも見えた。
同時、自分を試すようなものがあるようにも感じる]
──…アンタや『あの方』の『側』?
[曖昧な言葉を反芻し、自分の中で噛み砕いた。
目の前の少年や『あの方』がただの人では無いことは一目瞭然。
単純に受け取るならば、同じ位置にあると取れる言葉]
アンタが只者じゃあないことは俺でも分かる。
そのアンタと同じ『側』、か。
[ただでさえとおい存在となっていたように思っている相手。
それが更に離れたように思う]
容易には手の届かない相手、と言う事か。
[『あの方』とも同じ『側』であるならば、ディーク──”影”にとってはそのような位置づけとなる]
見ない間に随分と稀有な存在になっちまったもんだな。
[『神種』についての詳細は知る由も無い。
ただ、話を聞く限りはそんな風に思えて、口に出して小さく笑った。
かと言って探すのを諦めるなんてことはするはずもないが*]
― 舞踏場近辺・ビル屋上 ―
[気まぐれなる『神種』の機嫌が損ねられなかったのは、この場での『種』の生成が滞りなかったから、というのもあるのだが、それは他者には知る術なく。
氷の瞳は、自らが告げた言葉への反応を、静かに見つめ]
「……そういう事、だな。
本来なら、ボクら四人……今は、五人だが。
ともあれ、ボクらはキミらとは関わり合いになる事すら在り得ぬもの」
[容易には手の届かない>>45、という言葉に頷いて。
それから、くく、と愉しげな笑い声をひとつ、落とした]
「ボクが落とせるのは、これまで。
……後は、自分で手繰るがいいさ」
[これ以上、『蒼神』について語る気はない、と言外に告げた後。
『熾天使』は、六翼をゆるく羽ばたかせる]
「……さて。
どうせアルトゥルの事だから、此度の事には関与してはいないだろうが。
キミがあれに沿うモノである以上、少なからず、流れは乱れる。
……ここで、あまり暴れないでもらいたい、とだけは、言っておこう」
[手の上の光をふわり、何処かへ飛ばした後、『熾天使』はため息交じりにこう告げて、それから]
「……ま、あれの気に入りが、他者の話を聞くとは思えないけど」
[ぼそ、と何やら、付け加えた。*]
― 『舞踏場』近辺・ビル屋上 ―
なるほどねぇ。
[肯定とそれに伴う言葉>>46に素直に感心するような声を零す。
今まで知る由もなかったこと。
知れたことに対して不満などあるはずも無い]
ふ…十分な情報を貰った。
ここは感謝するとしよう。
[相手に何かしらの算段があったようだが、その気紛れも含め感謝に足るものを得た。
文句を言うことなくそれ以上聞き出そうとする態度は取らない]
ご名答。
今回のことは俺が独断でやってることだ。
『あの方』の意思は介在してないし、『組織』も関わっちゃいない。
[向けられる言葉>>47に返すのは肯定。
続けられた忠告と付け加えられた言葉が聞こえれば、思わず笑いが込み上げた]
分かってんじゃねぇか。
…ま、この後しばらくは離れるけどな。
俺も”仕事”なんでね、またいつか戻って来るぜ。
[それ以外にも訪れる可能性もあるが、大体は仕事絡みになろう。
そう告げた後、ディークの背には黒い翼が広がる]
長居したな、そろそろ失礼すんぜ。
[ばさりと翼を羽ばたかせると、ディークの姿は崩れ、鴉へと転じ屋上から舞い上がった**]
― 舞踏場近辺・ビル屋上 ―
[感謝する、という言葉>>48に、口元が歪むのは刹那。
返る肯定>>49に、『熾天使』は大きくため息をつく]
「……なればせめて、ボクの目につかぬ所でやる事だ。
それと……度を越せば、あれの気に入りでも、容赦はしない」
[再びの訪れを示唆する言葉に淡々と告げて、広がる黒の翼を見る。
鴉へと転じ、飛び去る姿を見送ると、『熾天使』は目を閉じた]
……あるじさま。よいのですか。
「……ああ。別に構わん。
思わぬモノを見出せたことだし、此度はよしとする」
[眷属たる娘に返しつつ、『熾天使』は、銀の繭を見やり]
「まさか、アレの血脈が我が子となっていようとはね。
……何がどう作用するやら。
ま……これも、『輪転』の理、廻る流れの在り方……か」
[そんな呟きを、落として。
『熾天使』はゆるく翼を羽ばたかせた。**]
─ 『舞踏場』外 ─
…そうですね。
態勢を立て直すにも、戻らない事には無理でしょう。
[撤退せざるを得ないというディーク>>27に同意し、頷く。
ガートルードにはまだまだ治療が必要だし、リバーサーとなった二人を協会が放っておく訳もない。
撤退した後此処に出直す面子はきっと変わっているだろう。
ともかく今は少しの時間で休息を取る必要があると、身体を休めた]
クレス?
[それは協会へと戻るまでの間、どのタイミングだったか。
私と二人だけとなった時に話しておかなければという彼>>33に首を傾げ。
切り出された話>>35>>36に、見つめていたそれを微か、見開いた]
…クレス。
[>>37とられた指先に触れる唇に、彼の名を呼ぶ。
彼の瞳は伏せられていたか、開いていたか。
私の顔が見えていたなら、どんな事を思われただろう。
嬉しさを隠せない私の、この顔をどう、思うだろう]
私は、辛くなんかなかったよ。
ただ、貴方が何か抱えていたんだってことを知らなかった自分が、情けなかった。
貴方のことを好きで、大好きで、愛しているのに、貴方の胸の内を知ろうとしていなかったんだって。
それが苦しくて、申し訳なかった。
貴方の傍にもいけなくて、貴方に何も出来なくて。
せめて、私が貴方の立場なら何を望むだろうって、それを叶えようって。
その一心で、ここまで来た、から。
[顔を寄せ、額を合わせる。
目を閉じて、彼の息遣いを感じる近さに、安心する]
貴方は意思を守る為に、辛い選択をしたのに。
貴方が私を、手放さないでいてくれたことが、嬉しいんだ。
我が侭は、私のほうだ。
貴方が苦しむと解っていて、貴方に一緒に生きて欲しいと望んでいるんだから。
[そう言って、瞳を開き、間近に見える彼のそれを覗き]
ごめんね。
貴方のことを、手放してはあげられない。
他の何も要らないから、貴方の全てを私に下さい。
私の全てを、もらって下さい。
[心からの笑顔で、永遠を願った**]
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