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― サシャの部屋 その5 ―
この圧倒的なロンゲ率…。
[ 参加者メンバーを改めて見回すが、一人のところで目線が止まる。]
[飛び出した“盟主”の影武者は、そのまま仲間を救うように
砦に群がる兵を薙ぎ倒した。
彼の作った退路から、多くの解放軍の兵が離脱する]
「たかが一人だろう!」
[隊長格の兵長から、そう檄が飛ぶものの、
その一人がどうにも切り崩せない。
少なく見積もっても半数以上は、速やかに砦を離脱しただろう]
はっ、オルヴァルの不詳の息子を覚えててくれて幸いだ。
[こちらの名を一字一句と口から落とす姫に笑った。
覚えのいい姫だと思う。]
平和の為に自ら血を流しに来た戦姫様、
悪いがこの先は簡単には通させねぇよ。
[言うが早いが、馬の腹を蹴り、あえて巫女姫へと向かって走り出す。
さも姫の命を狙わんとする悪鬼の如く。]
たかが一人でも―――
仇なす者を千と殺しきれる戦士であれ、
それが昔姫に付き従った近衛兵隊長、
オルヴァルの教えだ…!
[目立つよう動きながら、その背後では重兵が随時離脱してゆく。
討たれた兵もいたが、それでも半分以上が逃げ出せれば上等だと胸中思った。]
戦姫様、…ですか。
この姿では、否定できませんね。
[皮肉が笑みに散った]
「止まれ!!」
「巫女姫殿下に、近づけさせるな!!」
[巫女姫の周りは、騎士団でも生え抜きの精鋭が揃っている。
ガートルートに繰り出される剣や槍の勢いも鋭くなる]
ですが、――――例え今、血を流しても、
胸を張れる平和を目指します!
後悔など、…いたしません!
[それは、目の前に幾多の死を見たからこそ]
っ く
[巫女姫を狙えば当然こちらへの層が厚くなる。
その分後ろは薄くなっただろうかと期待したがもう振り返る余裕すらない。
前しか見ずに、ただひたすらに、
今は眩しい光に焼かれるようにただひたすらにそこを目指して駆け抜ける。]
っぁ ――――――!!
[何十もの剣の壁が行く手を阻み、腕を足を馬を掠めて血が流れる。
途中で馬が悲鳴をあげ崩れ落ちるが、それでもなおそこから飛び巫女姫の前を目指した。
重兵と一緒になって逃げれば、逃げ切れたかもしれない。
こんなになってまで巫女姫の前を目指す必要もなかったはずだ。
それでも、なお足は彼女の元へと歩を進め―――。]
ぐ ぅ!!
[号令と共に、無数の剣が振り下ろされ身体に突き立てられ、
巫女姫の前にたどり着いた所で剣が落ちる。
身体には無数の剣を立てられながらも、視界には金色の娘を捉えていた。]
(ああ、そうだ。
何か言いたい事が、あったような。)
[解放軍の正当性やら、その意義やら、それが理解してもらえない事へのジレンマやら。
この国がどうだとか、色々あった気がしたが、いざ巫女姫の前に立つとそれを言う気も血と共に流れて失せた。]
馬鹿みたいに意地張ってっと、
いつか、死ぬより後悔する よ…
[言いながら、これは自分への言葉な気がして苦笑する。
もっと父親や母親と向き合って駄々でもこねれば、自分の家は壊れなかったんじゃなかろうか、今更そんな思いが過ぎり。]
[そういや出る間際に言われた実家の問題も残っていたが、そっちは妹が何とかするだろうと思って投げた。
身体が傾ぐ。
肩から半端に結んだ髪が零れた。]
(髪 切れなかったな。)
[いつか開国出来たなら切るか、
という願いは生きてるうちには叶わなかった。]
― シュビト港 ―
[周囲から見れば、ただずっと空を見ていたように見えただろう。
呆然と立ち尽くし、遠い空の彼方を見つめ、
喉の奥から吐息を零す。]
『出港準備が整いました』
[背後から声を掛けられて、ゆっくりと振り向く。
琥珀の瞳は、目の前のなにをも映していなかった。]
…わかった。 行こう。
[唇が動いて言葉を紡ぎ、色の無い声が出る。
そうして、船上の人となった。**]
[巫女姫の周りが何か言ってる気がするが、もはや何をされても何をする事も感じる事も出来なかった。
ただ最後にぼんやり思うのは仲間や従兄弟や、
未だ細い声で繋がる唯一の友の、その未来。]
(クロ、俺は)
[だが何も不安に思う事はない。]
(俺は、お前を
――――信じてる)
[今この時も、きっといつまでも。
ぐらと傾いだ体は地に落ちる。
そうしてそのまま、二度と動くことはなかった**]
/*
全然来れてなくてすまんな。
そういや、昨日の墓下よんでて思い出したが、
サシャを性別誤認していたのは済まなかった。
― ある日の事 ―
[オルヴァル家の一人娘は私兵を連れて、館の二番目に豪華な部屋を訪問した。
扉を開けると丁寧に腰を折るも、背後からなだれ込んだ私兵数名に囲まれ、さすがの母親、オルヴァル卿の夫人も驚いた様子だった。
長年彼女に連れ添った年老いた彼女の乳母が怒りを露わにしたところで、娘の顔はこやかな様子を崩さなかった。]
「ご機嫌ようお母様。
本日お母様をこのように訪問いたしましたのは、
これよりお母様には
オプティモの荘園で療養していただこうかと思いまして。
お心を病んでおられるのですから、仕方ありませんよね。」
[実質的な幽閉だ。乳母が騒ぐ中妹は笑んだままだった。]
「ええ、私も心苦しいのです。
実の母が病に苦しんでいるのに、
一人荘園に寂しく置いておくなんて。
ですが――
兄さんが本当はお父様とお母様の子供だった、と、
お父様にお話しして頂くわけにはいきませんので。」
[その声に涼しげな顔をしていた母親の顔色が変わった。
やはりかと娘は諦めに似た溜息を胸中でついた。]
「解っておりますのよ。
お父様が自分が手塩にかけて育てた跡取りを見捨てて、
殺すような結果になってしまったとしれば――
あの方は自害なさるでしょうね。
お母様はそれがお望みなのでしょう?」
[オルヴァルに残る深い闇。
その闇を静かに、見かけだけはたおやかと称される強かな妹は然と見据えていた。]
「私、お母様には怒っておりますのよ?
愛情の欠片も与えてくれない人との望まぬ結婚は、
お母様にとってどれだけ苦痛な事だったか…
お母様の境遇には同情しております。
けれどその為に、自分が産んだ子の人生を狂わせるのは、
いささか間違っているのではありませんか?」
[一見にこやかなまま、だがその内に積年の怒りを蓄えた娘は吐き出すように母親を糾弾する。]
「私も兄さんも駒ではありません。」
「…でも今となっては、私もお父様の有用な切り札。
私も今暫くは、駒のままでおりましょう。」
[ふっと息をつくと、私兵は老いた母親と乳母を取り囲むようにして、用意していた馬車へと連行する。
その二人に向かって、娘は淑女の礼を深々と取った。]
「ではそういう事で…
さようなら、お母様。」
[――それから暫くの後、アレイゼルからの打診と娘の後押しにより、オルヴァル家は正式にアレイゼル側に組する事を宣言する**]
……、なに を、
[素直になれ、と言われて]
……貴方は、馬鹿です。
[最初に反応した部分は、何故か己の涙腺で。
……相手の死を悼んで、頬を落ちる涙だった]
こんな、っ、 風に、 死ぬ なんて…
[言葉我つっかえて、もどかしい。
彼は恐らく、クロードが深き信を置いた相手だろう。
これだけの手勢を任され、最期まで仲間を護る為に命を削り。
解放軍が描く未来の実現、そのために。
全力を尽したひと。
きっと。きっと。 ……喪うに惜しい人、だったと。思うのに]
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