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本当に母上、ですか?
[ 鏡の中からの言葉を耳にしながらも、信じがたいものを見た驚きに、呆然としていた男は、呼び掛けるファミーユの声に>>+92我に返って、その手をそっと握る ]
...ここが俺達の居るべき場所ではないのは判ります。だが、俺は、生涯
[ その為にこそ、今ここに居るのだと、そう言って ]
ここから二人で戻れる方法を知っていますか?
[ 母の面影に問う瞳に迷いは無い* ]
『そう、ファミーユ様があなたの運命の人だったのね』
[ ジークの言葉に頷く顔を、ファミーユも覚えてはいるだろうか?まだ子供だったディークを連れて領地へと挨拶にやってきた女性の、当時のままの姿だ。
彼女は、微笑みをファミーユへと向け、恭しく一礼する ]
『どうか、キースをよろしくお願いします、ファミーユ様。あなたがこの子の支えとなって下さった事、とても嬉しく思います』
[ それは、彼女を護ると言ったジークの言葉が、彼女を支えとして生きる、と同義だと理解する、母親ならではの言葉と言えた ]
『ここから出る方法は願うこと、そして信じること。今の貴方になら出来るはずよ、キース...』
[ 優しい微笑みを彩るように青い月光が揺れた** ]
[願えば、信じれば出られると、ここからの脱出方法を教えてもらい、実行に移さんとした時]
────………っ
[鏡の奥に、私と瓜二つの姿が映し出される。
鏡の面からは遠く離れた位置に居る彼は、私達をじっと見詰めた後、顔を横に背けてしまった]
にい………
[兄様、と呼びかけようとすると、彼はこちらを見ぬままに、あちらへ行けと言うように手を払う]
[それが照れ隠しだということに気付けたのは、私が双子だからだろう。
あの仕草は、幼い頃の兄そのままだった。
成長してからは擦れ違ってばかりだった兄。
死の際には寿命を悟って諦観の様相を呈していて、野心が消えたことにより昔の兄に戻ったようにも見えた]
兄様。
[呼ばれまいとする兄の意に反し、私は彼に声をかける]
私、夢を諦めていないわ。
諦めないために、領主も継いだ。
家のことは、心配しないで。
[兄が家を護ろうとしていたのは本当だったのだと思う。
陰謀渦巻く世界では一瞬の油断も命取りだ。
兄が必死だったことが、領主となった今なら理解出来る。
私がそう言葉を向けると、兄は、ふん、と鼻を鳴らして背を向けてしまった。
その姿に私はクスクスと笑う]
[兄に別れの言葉は向けなかった。
瞳をジークムントへと向け直す]
行きましょう。
[ここを出よう、と彼を促した**]
[ 鏡の中の母の一礼にファミーユが答えると>>+102青い光の中で面影が微笑む。嬉しげに、けれど僅かに寂しげに...
夢と幻のこの世界で、これは確かに本当の母なのだ、と、その微笑みを見て改めて感じた ]
願い、信じる...解りました、母上。
[ 渡された言葉にしっかりと頷き、笑みを浮かべる ]
俺はこの先も、迷わず進んでいく。どうか案じずにいてください。
[ 見守ってくれとは言わなかった。母にもまた、自由になって欲しかったから。
母の面影は、解っているというように、ひとつ頷いて、光の中に姿を消した ]
さあ...
[ 抱き寄せたままだったファミーユを促し、共にこの空間を出る道を探そうとした時、鏡の中に別の姿が現れる...傍らに居る愛しい人と瓜二つの、けれど男には全く違って見えるその姿 ]
...!
[ 瞬時、彼を睨むようにして、ファミーユの前に出ようと動きかけたが、ファミルがちらりと向けた視線を見て、男はその動きを止めた。
ファミーユに害を為せば、斬り捨てる、と、散々に脅し付けたせいか、生前は男に対する恐れと嫌悪を隠そうともしなかった彼の瞳が、今はその色を拭い、静かに凪いでいるように見えたからだ ]
(死してしまえば、剣など恐れるに足らない、か...)
[ どこか苦笑するような想いで、ファミーユが兄に語りかけるのを聞く>>+104 ]
ああ。
[ そしてファミーユの言葉>>+105に頷いてから、背を向けた鏡の中の青年に、もう一度視線を向けた ]
...お前の事は嫌いだったが、この手で斬らずに済んで良かったと思うぜ、ファミル。
[ 静かにかけた声に、彼がどんな顔をしたかは見えなかった ]
行こう、ファミーユ。帰らなきゃな。
[ そして、二人寄り添うように歩き出してすぐに、青い光は夢のように消え、気付けば霧の空間へと戻っていた]
少し明るくなったか?
[ 暗い場所から戻ったせいだろうか?と辺りを見回すが、どうやら本当に見通しが良くなっているようだった** ]
[ジークムントが兄にかける言葉>>+108を、私は微笑みながら聞く。
兄を斬る事態にならなかったということは、兄は私に何もしなかったということ。
元より害する気がなかったのか、脅しの恐怖のために出来なかったのか、その真意は兄にしか分からないけれど。
私も、ジークムントが兄を斬ることにならなくて良かったと心から思う。
ジークムントの言葉を聞いた兄は背を向けたままであるため、どんな表情をしたかは私にも分からなかった。
ただ、何も言わず消えていく姿だけが見える]
えぇ、帰りましょう。
[ジークムントの言葉に応じ、私は彼に寄り添ったままに歩き出した。
その直後に周囲にあった青い光は消え、元居た霧の漂う空間へと戻って来る]
本当ね…何だか明るいわ。
[ジークムントが言うように周囲が少し明るく見える。
何か変化でもあったのだろうか、と周囲を見回し、首を傾いでからジークムントを見上げた]
とにかく、戻るためにやるべきことをやらなきゃ。
それにこれも……彼に返さないと。
[未だ手にしたままの短剣。
本物ではない、と言っていたけれど、これは持たせてくれた人が大切にしていたものだから。
彼の手に戻したいと、私はジークムントに願う**]
その短剣は?
[ ファミーユの示す短剣に>>+110その由来を尋ねれば、それがこの世界での護りとなったことを教えられる]
そうかシンシャの騎竜師の...俺もシンシャの王子に助力を約束したからな、今度は二人で夢幻竜の卵を探そう。
[ きっとその先に彼等とも再会出来るだろうという予感があった。
そして、見上げるファミーユの顔を改めてじっと見つめ、まだ握ったままでいた手を持ち上げて、そっと指先に唇を寄せる ]
見つけるまで心配で死ぬかと思ったぞ。帰るまでは、もう二度と離れないでくれよ。
[ 囁くように言ってから、霧の中を歩き出した* ]
……えぇ、離れない。
貴方も、離さないでね?
[指先に触れる唇に私は頬を染める。
この10年で狼狽えることは無くなったが、彼に触れられると高鳴る鼓動は止められなかった。
囁かれる言葉に返して、彼に寄り添いながら霧の中を進む*]
[遠いとおい日々の光景に目を細めていたのは僅かな時間。
そちらに背を向け、目の前に続く道へと踏み出す。
しばらく進むと夕焼けのいろは掻き消え、再び霧が周囲を包んだ。
ただ、その霧は先ほどよりも薄く淡く、周囲も明るくなっているような、そんな心地がして]
……文字通りの、過去の夢……とでも言えばいいか。
[そんな呟きを漏らした直後。
翡翠がるぅ、と鳴いて上を見た]
どうした、フェイツウェ……っ!
[その声に上を見やれば、視界に入るのは琥珀の体躯と、黄昏思わす翼]
……竜……あれが、夢幻竜か?
[初めて目の当たりにするその色から、推測が立つのは早い]
追うぞ、半身!
[短い声に応じて身を低くした翡翠に飛び乗る。
翡翠は真白の翼を広げると、琥珀が飛んだ霧の先へと滑るように飛び始めた。*]
[突然吹き上げた風は強く、為す術なく身を曝し目を瞑る。
近く聞こえるはずの声>>*136>>*138が何故か遠く聞こえ、それすら認識する間に風に掻き消され]
…今度は何処だよ、ったく…
と、ありゃ…鏡、か?
[風が消え、戻った静寂に開いた瞳に映る光景はまた毛色の違うものだった。
先刻まで包まれていた霧は微かも見えず、代わりにあるのは青白い光に照らされる大きな鏡。
周囲を見回すも人影はなく、ひとまず目立つ異物を調べるかと近付き覗き込んだ鏡に映ったのは己の姿、ではなかった]
……… え …?
[鏡の中に居たのは、最期を人伝にしか聞くことの出来なかった]
団、長?
[前団長、その人だった。
ありえない、もうどれだけ時が過ぎたと思ってる、幻覚に決まってる。
脳裏に混乱と理性が駆け巡り何も言えない男を他所に、鏡の中からの声が届く]
『そんな間抜け面して何しに来やがった。
てめぇにゃまだ早い、とっとと帰れくそ坊主』
…言うに事欠いてそれかよ、おっさん。
[あぁ、間違いなく本人だと思いながら、もっと言うことあるだろうと呆れ顔を返してみせた]
『なんだ、でっかくなったなとか何か言って欲しかったのか』
そういう訳じゃーねぇ、けどさ。
[まるであの頃に帰ったみたいに、言葉が出てこない。
考えてみれば、腕っ節は当然だけど口もこの人に勝てたことなんか無かった]
『なら良いじゃねぇか。
納得したならとっとと帰れ。
泣いてくれる女の一人もいねぇ内に来る場所じゃねぇ』
…流石、むさい野郎にしか泣いてもらえなかった男は言う事が違うねぇ。
『うるせぇ馬鹿、そりゃてめぇらが知らねぇだけだ』
[嬉しいのか、苦しいのか、良く解らない感情のまま軽口を叩く。
返る言葉も変わらない、だからこそこの会話を止めたくは無かったけれど]
…あぁ、そうだな。
さしあたってジェフのガキ達とチャンバラ付き合う約束延ばしちまってるし。
シメオンにも、待ってるって約束したんだ。
とっとと帰んなきゃな。
『やっと解ったか。
なら、もう良いだろ』
[鏡の中の声がそう言った瞬間、不意に青白い光が揺らいだ。
今度は何が、と思った瞬間、]
っ!?
[突然強い閃光が目を刺し、反射に目を瞑った耳に届いた言葉]
『…ちっとはましになったみてぇだな、くそ坊主。』
[それを最後に、すぐ側にあったはずの鏡を見失った]
[青白い光も消え、残されたのは自分だけ。
今の一連の出来事が何だったのかは解らない。
でも、もう二度と会えないと思っていた人に会えた。
ただそれだけ、けれど気付いた]
少しは、安心したかったのかもな。
[自分だけじゃなく、前団長自身。
自分の死に悔いなど残しはしない人だと、そう思っていたかった。
それでも、後に遺したもの全てを置いて平気で居られる人だったか、未練は無かったか。
その未練に自分やジェフ、団員達がなってはいなかったか。
そんな疑問を切り捨てることが、きっと出来ていなかった。
だからこそ、今の自分はこんなにも]
…早く、帰んねぇとなぁ。
[護ると決めたもの達の元に、戻りたくて仕方ないのだろう。
そうして、迷い無い足取りで見えぬ路を歩き出した**]
[薄い霧をくぐり抜け、明るい方へと近付いていくと、頭上から黄昏色の光が差し込む場所に出る。
そして、差し込む光の中央、丁度大人の目の高さ辺りにふわりと浮かぶ球体があった。
その球体の表面は滑らかで、磨きこまれた鏡のように周囲を漂う霧の姿を映し込んでいる]
[近付けば、己の顔や姿も、その鏡に映し出され、ゆらりと揺れる。
幾人かが近付いた時、ふいに柔らかい黄昏色の光がふわりと周囲に広がった]
[黄昏色の淡く輝く光のカーテンには、幻のような情景が、ゆっくりと映し出されては消えていく。
それは見た事もない風景であったり、懐かしい光景であったり、或いは見知った人々、自分自身の過去や未来の姿と思えるものもあった]
[巡る情景は、中空に浮かぶ球体の鏡のような表面にそのまま写し取られ、様々な色彩と光、そして闇や影もまでも、まるで絵の具を混ぜるようにその中に溶け込んでいく。
不思議なことに、情景が移し込まれ溶け込んでいくにしたがって、球体はだんだんと透き通っていき、ついには黄昏色の光を内に抱いた、無色透明のガラスのような珠になった]
[やがて、上空から、ヒューイー、という高い口笛のような音が響いたと同時、球体は宙に浮いたまま、花開くように解け開く。
透明なガラスの花のように開いた球体は、光の中に音もなく霧散し、そこに顕われ、浮かんでいるのは、身体を丸め黄昏色の羽根を畳んだ小さな琥珀色の竜。それが、空を駆けていた竜と似ていることは、幾人かには解っただろう]
[その言葉を裏付けるように、周囲からは霧が晴れ、琥珀色の光のカーテンがどこまでも広がる光景に変わっている。
光の中には、美しい森や、穏やかな海、どこまでも青く輝く空や、満点の星空…そんな夢のような…夢そのものの情景が、ゆったりと流れていた**]
考えてみると、こうして二人きりで歩くのも、けっこう久しぶり、か?
[ 常に騎士として傍らには居たけれど、領主という立場のファミーユは外に出れば、常に人に囲まれていて、屋敷の中以外で二人きりになる事はそうそうなかった ]
...案外、いい機会だったかな。
[ くすり、と笑って、そう口にした時、黄昏色の光が前方に見えた** ]
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