情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[ 騎士のどちらかが反応してくれただろうか。
確認も出来ないままに、ユーリエの身は、
穴の中、地下深くへ……。 ]
……偉大な父よ……。
……救世主よ……。
[ 落ちながら、奇跡を祈った。 ]
[茨の腕は若草の色を宿した青年を掬い上げ、
滑らせるように、城主とその弟の元へと運んだ。
それを待ち受けるのは、弟が伸ばす腕。]
[動かぬ修道騎士を人造の魔獣は、まず倒すべき標的と見定めたか。
歪な四足で石床を蹴り、飛び掛る。
鋭く伸びた枝の爪が、ずらりと生えた棘の牙が、バルタザールに迫る。
――その刹那。]
おおおおおおおお――!!
[裂帛の気合とともに、闘気が膨れ上がる。
前へと力強く足を踏み出し、全力で大剣を振り抜く!]
[>>216ジークムントの左腕に突き刺さった剣は彼の手によって引き抜かれ。
更に真紅が流れ落ち、彼の身を受け止める寝台に敷かれたシーツを赤く染める。]
――…っ。
[その長剣を見て、男の視線は固まる。教会で使用されているものだ。
ジークムントと対峙した修道騎士のものではないらしいが。]
リエ…。
[茫然と幼馴染の名前を零す。
冷静になって考えてみると、先程の一撃は彼の得意とする技に酷似していた。
流石にこの身に喰らった事はないので確証は持てないが。]
――……。
[あぁ、ジークムントが何かを言っている。
聞こえている筈なのにどこか遠かった。]
[茨の柔らかな蔓がアデルを引き寄せ、籠の中へ運ぶ。
それを抱きとめて、衝撃をころした。]
怖がることはないよ。 君も知っているはずだ。
[籠がどこかに落ち着けば、少年の身体を横抱きにしたまま立ち上がり、兄の手に託す。]
―――…
[強い声で名を呼ばれ、顔は動かさぬままに目を動かす。
その強い目線に込められた意味は、同じ武人であれば通ずるところ。]
悪い。
[ここは任せた、と剣を振るい絡みつこうとする茨を強引に切り払い、すぐさま城主を追う。]
― 地下の何処か ―
[水礫が舞い、右腕からは焔立つような痛み。
左手に握った剣が壁を打ち、減速を掛けるも、舞台は地下へ移る。
城の一部の崩落は派手な音を立て、下へ下へ。
落下の衝撃が止むのは、下層へ至った後。
城壁を壊した風刃は、音を背に乗せ、外の世界へ逃れていく。
冷たい石畳に伏せるよう落ちた長躯が、
微かに指先動かし、剣を手繰り寄せた。]
――…、
[聖水を撒き散らした風に、血の礫が乗っていた。
浮遊感の残る頭にこびり付くのは、落ち掛け聞いた聖女の声。>>222
存外頑丈に出来ている、と手元を見やれば、
アデルの微かな気配が己の身を護っていた。]
[弟の腕よりアデルを受け取り、周囲を見る。
自分たちを支える茨の籠も、そろそろ限界だ。]
私はこの子を連れて場所を移る。
しばらくは、頼むよ。
[弟へはそう告げて]
[落ちながらアデルに絡む茨の姿が見える。
思えば野茨に何かを感じていたかもしれない。
紅い髪の特徴を気にかけたいた様子が頭をめぐる。
間諜の可能性を疑った瞬間にアデルの力が自身を包んだ。]
違う、か。
しかし何らかの因縁があるのだろうな。
私の闘いの妨げにならないといいのだが。
[アデルの事情を気にはしつつも優先するは己の闘いだった。]
[何処か頭の隅に引っかかるものを覚えて、
片手をこめかみに宛がい、沈黙を落とす。
頭の回転率を挙げながら、ぶら下がるだけとなり、
じくじくとした痛みを齎す右腕に細い息を吐き出した。]
[床を砕いた風撃の震動が、城を揺るがすのとほぼ同時。
全身を絞るように捻り、回転の斬撃。
遠心力の乗った刃が、獣の脚を薙ぎ払う。
前足二本を、鎌で刈り取るが如く、スッパリと断ち切った。]
楽しくやっているようだね。なによりだ。
[戸口のアレクシスへと声を掛けて、その脇へ飛び移った。]
―――それにしても、ひどい有様だな。
修理するのも一苦労だというのに。
[ぼやきながら、アレクシスの横を通り抜けて扉に向かう。]
― 城内 ―
[薄暗い城内。
点々と落ちる血の跡を追う。
城内は薄暗く、視覚ではところどころ跡を追う事は難しく、薬物により研ぎ澄まされた嗅覚でその主を探す。
そうしているうちに、この城の主と共に行動する彼の標的の姿を捉えることはできただろうか。]
[頼む、との一言ですべてを了承して、ヴィンセントは一礼した。]
アデル、 兄を頼むよ。
[アデルはギィの下にあればよい。
そして、ギィには回復が必要だ。
自分はギィのために”糧”を得る所存である。
ギィが、助けを呼ばれて放り出してきたというバルコニー組、そのいずれかを標的としようと考えていた。]
[意識の無いアデルを腕に抱いたまま、水浴室を出て上へと向かう。
二階へ上り、さらに三階へ続く階段を半ばまで上ったところで、
ふらり、と体が傾いた。]
……は。
さすがに、血を失いすぎたか。
[踊場の壁に背を預け、崩れるように座り込む。
誰も見ていなくてよかったと、小さな息をついた。]
― →二階個室 ―
[やがて駆け込んだ部屋、息子の姿が真っ先に目に飛び込んでくる]
――――…シメオン、無事で……、ッ
[分かっていた。息子が酷く傷を受けたなら、その位直ぐに知れると。
己の目でも確かめて漸く、すぐ傍に居るジークムントの腕から流れる鮮血に視線が止まった]
……ジークムント様、
[小さく息を飲み、言葉が継げなかったのは、酷く痛々しいその傷を案じたのもあるが。
真っ先に目がいくべき筈の所に、そうできなかった己に愕然として]
[巨体が傾ぎ、軋みをあげて横転した。
獣から上がる、嵐の木々のような轟音は、苦痛の絶叫なのか、それとも怒号か。
不揃いとなった足を掻いて、起き上がろうともがく。
回転の刃はまだ止まらない。
自身の遠心力も利用し、続く二撃で首を深く切り裂く。
そこに至って、獣を構成していた蔓が解け、一斉に貫く槍となって修道騎士に向かって飛び出した。]
[風の護りで軽減された。
だけど、それ以外に防御の術はなかった。
故に地面に軽く叩きつけられる事になったのだった。]
っ!!
多少は痛むが、任務に支障はでないレベルなのが幸いだ……。
[体は幸い丈夫なほうだっただけに敬称ですんだ。
それでも少しの休息が必要とそのまま少しだけ横になっていた。]
― 廊下 ―
[秩序の回復のため、そして、血を吸えそうな相手を探して城内を歩む。
途中、自分の恰好に気づき、影に命じて替えの服と、幅広の剣を持ってこさせ、装備した。
そろそろこちらの手の内も知られている頃。
無手にこだわる必要もあるまい。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新