情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
美しく月の昇る晩、君は自らの本当の姿を知った。
智恵を絞り、活路を開く勇気。
人狼を見抜き、妖異を滅ぼす力。
死者の声を現世に届ける異能。
頼りなく怯える人々を守る技。
互いの正体を知覚し合う絆。
自らの胸を裂いても仕うるべき主。
赤く染まる牙――長い咆哮。
さぁ、どうする?
まずは何から始めよう?
どうやらこの中には、村人が3名、人狼が1名いるようだ。
それなら良かった。
それじゃ、ちょっとお茶に付き合ってくださいな。
[いつも、誘えば気軽に応じてくれることに嬉しいような、きっと他の人にもそうなんだろうとか。
いや、矢張り嬉しい。そこは素直に受け止めておこう。
拒絶はされていない、その証なのだから。
だから自然と顔を綻ばせながら彼の隣に立つ。
同僚から言わせれば仕事一辺倒の真面目人間が、こうして穏やかに誰かに笑顔を向けているのはあまり見慣れないらしい。
もっとも、クライアント諸々来客にはそれなりに対応している筈なのだけれども。
向かうのはカフェ……なら少しくらいオシャレだとかデートらしいのかもしれないが、いつも行くのはごくありふれたファミレスだったりする。
秋のマロンフェア、というのぼりが店の外に飾られているような。
それが、強めの風にはためいている。]
今日はお買い物だったんですか?
最近、気流が乱れがちですよね。大丈夫ですか、確かディーターさん…。
[テーブルについて、適当に注文してから真向かいだろう彼を見る。
強い風や雨は宇宙に飛び立てば邪魔にはならないけれど、星に降りている時は自分にも影響を及ぼす物だ。
確か彼はそういうのが苦手だった、と思えば首を傾げて顔を見つめる。
彼の顔色はどうだっただろう。
自分からこうして、彼の顔を見る分には平気だった。
ふとした瞬間、それが照れ臭くなる時もあるけれど今はまだ違うから。
こうして、星に戻ってきて地面を踏み締めて彼とお話ししている時が、一番平和で落ち着いてる時間。]
………最近、お仕事どうです?
[けれど、宇宙での仕事中は確実に作れない時間でもあるから、つい彼に質問する内容が増えてしまうのは否めない。]**
[誘われたら基本的に断らない。というわけではない。
乗り気がしなかったりすれば誘いを蹴ることもあるのだが、不思議と彼女の誘いは蹴る気にならない。
“一緒にいて気が楽だから” 理由はそれで十分。
深く考える理由がないから考えない。考えずに済むから気楽に付き合えているとも言える。
隣に並ばれようが、彼女の職場の人間曰く見慣れない笑顔をされていようが、まったく気にしないのはその辺が理由だったりする。]
あー…今はとりあえずヘイキ
[目を泳がせた先で幟がはためくのを捉え、うんざりした。
切れた途端に頭痛、耳鳴り、目眩などが襲ってくるからろくなものではない。
普段は薬飲んで凌いでいるのだが、その薬が切れたので買いに出ていたところである。
買って即行飲んだため、今は何とかなってるし、顔色も悪くはないだろうが。会ったのが飲んだ後でよかった。
仕事の話を振られて視線を戻せば、目があったか。]
仕事、は……まあ、可もなく不可もなく、かな。
[できる限り生活習慣を整えようとはしているが、今の仕事では限度がある。
だから転職を考えてはいるのだが、中々次が決まらない。
あまりにも決まらないのでもう遺跡トレジャーでもハントしに行って一攫千金狙うか。と錯乱しかけたところである。]
メルクーリオはどうだ?
[痛いところをつつかれて気分が悪くなったわけでは、決してないのだが。
話を逸らすように質問返ししたのは、折角の気楽な時間なのに愚痴っぽくなるのが嫌だったから。
あまり暗いことを言い過ぎたせいで逃げられたくなくなかったから。*]
無理はしないでくださいね。
わたしだって、無理な時は無理って言いますから。
[気圧の変化には強い方だけれど、それでも耳抜きを覚えるまでは辛かったのを覚えている。
耳に栓をされたように詰まって、うわわんと高く低く耳鳴りがする時がある。天気によるそれより急激な、宇宙に飛び立つ時のそれだ。
慣れれば一瞬で回復できるそれも、天気が相手では対処することは難しい。
薬を飲んでるらしい事は知っていたからこそ、そこは無理しないでほしいと。]
私?私は、……まあ、技術職ですからね。
[宇宙の旅も増えた昨今、パイロットは接客こそしないものの目立つ職業となってきていた。
目立つ職業の割にやる事は地味で、けれど正確無比を要求される。新たな技術が開発されれば覚えなければならないことも多い。
そんな中、目下の悩みの種といえば。]
……ああ言う職場だから、女だからなんだと言われる覚悟は元からあったんですけれどね。
最近、化粧が臭いとか難癖をつける人がいまして…。
[そう、難癖だ。それはわかっている。
難癖をつけるその相手より年下で、女で、なのに副操縦士を任されているからやっかまれているのだろうと。
周りは気にするなと言ってくれるが、思わず苦笑いが滲んでしまう。]
周りは気にしないで良いって言ってくれるんですけどね。
……そんなに、お化粧の匂いって気になります?わたし。
[片頬に手をあてがい、こてんと首を傾げた。
丁寧にメイクはしてあるが、厚化粧というわけではない。
しかし落とせば人相が変わる、くらいの自覚はあった。
…なお、彼にスッピンを見られた事は、ある。
その時にはもう、泣きそうになった。
変な巡り合わせでメイクを落とすことになり、手早く直す前に通りすがりに見られた、程度だったけれど。
反応によっては泣いたかもしれない。]*
村の更新日が延長されました。
[薬飲んでることとかは隠してないし、いつか飲んでるところを見られたのだろう。気遣いには素直にわかった、と返事。
自分なんかより遥かに急激な気圧変化を伴う仕事をしてる人に気を遣われるのも、何だか変な話ではあるが。
ちなみにこれでもやれることはやっている。
調べてみた結果、所謂気象病は自律神経の乱れとかも関係があるらしい、と知ってから生活習慣治そうと工夫はしてるが、宿直ありの仕事では規則正しい睡眠など夢である。
何が言いたいかというと、仕事滅びろ
話を逸らすために振り返したわけなので、何かあったか、と聞こうと思ったわけではなかった。
なので、まあよくある内容とはいえまさか悩み(?)を打ち明けられるとは思わず、内心おや。と苦笑するのを見ていたわけだが。]
いや別に? 気にしたことはねえけど。
[少なくとも、横に並んで歩いていても気にしたことはない。
鼻が悪いと言われたらそれまでだが、人並みの嗅覚はあるので、特別悪いわけではない。
と、なればそいつのやっかみなのだろうが…、というのは慎んだ。
あまりそういう悪いことは言いたくない性格だ。]
周りの言う通り、気にしなくていいんじゃねえの。
誰か1人に言われたからって気にすることはねえだろ。
単純に、そいつとは反が会わない、ぐらいでいいんじゃね。
[正直、彼女のすっぴんを思い出せば、化粧を止めるという選択肢が彼女の中にないような気がしている。
なので簡単に言ってみた。]
[ちなみに。一目惚れしない質なわけだが。
それは裏を返すと“人を顔で選べない”ということになる。
ある程度の美意識はあれど、「あー顔整ってるな」ぐらいにしか思えないので、内面を見るしかないのだ。
そういえば聞こえは良いかもしれないが、悪く言えば“表情は見ていても顔は見ていない。”ということになる。
……だからと言って、化粧のビフォアアフターに驚かないわけではない。
通りすがりに見ただけとはいえ、雰囲気と視覚での情報齟齬を起こしてしまったのか二度見したことがある。
情報整理をしようと固まってしまった記憶もある。
今思えば大変失礼なことをしたな、と思わなくもないが、さて反応はどうだったか。*]
[あの。すっぴんを見られた時。
たしかに私はそこにいた、とは知っているはずだった。
それでも二度見されて、恥ずかしさに顔を隠して涙を滲ませてしまったのだ。
私の顔は、そんなに変わってしまう。
詐欺、と言われても否定はできないし、できれば素顔なんて見られたくなかったけれども。
…その事があるから、いま一歩彼に近づく事は躊躇われている。
酷い反応をされた訳ではないけれど、自分のコンプレックスではあったから。
それでも、酷い反応をされた訳ではなかったから。その後、態度が変わる訳でもなかったから、居心地の良い彼に変わっていったのだけれど。
そんなことを考えている間に、注文の品がやってきた。
自分にはカプチーノとサラダとサンドイッチ。
店員に軽く頭を下げて、カップに手を伸ばした。]
まあ、ですねー。
その人のためにメイクしてるんではないし。私のために、ですからね。
それを言うと、寂しい奴とか言われますけど。
[肩を竦めてからカップに口をつける。
ふうわりとカプチーノの甘いミルクの泡が口の中に入り、次いでほろ苦い珈琲が口の中をさっぱりとさせた。
次には、サンドイッチに手を伸ばす。]
ディーターさんは、その。
……素顔を見せられないなんて、そんな人が恋人になったら寂しいですか?
[さらりと。質問したつもりだったけれど。
視線をそらして、はぷりとサンドイッチにかぶりつく。
もぐもぐ、と噛みしめればレタスのシャキシャキ感が美味しいなとか、バターちゃんと使ってるとか、意識をなるべく別のところに置いておいたけど。
それでも、ほんの少し。
緊張の色だけは隠せそうになかった。]*
[ちょっとあの時を思い出して後ろめたい気持ちになってきた。
常識的に考えて、幾ら情報齟齬が起きたからといって二度見は不味かったと思う。
直後は別段気にせず普通に接していたのだが、時間が経つにつれてじわじわと罪悪感が広がってきていた。
今も食事に誘われるぐらいなので、あまり気にする必要はないと頭ではわかっているのだが、ふとした瞬間に沸いてくるのでどうしようもない。
気分が落ち込みそうになった辺りで料理が運ばれてきたので意識をそらす。
食生活改善を意識した結果、多少の差はあれど似たようなメニューが並ぶ。
何の為に化粧してるかについては特に何か思うわけではなかった。
何のために何をするかなど、本人の自由であるからして。
さすがに男を捕まえるためです。と言われたら身構えるだろうが、そうでないなら何か思うこともない。
突然、話を振られればサラダをつついていた手を止めた。
答えを口にする前に少しだけ間。]
寂しいか寂しくないか、っつーより不便じゃねえか…?
いや不便じゃねえなら別にいいとは思うが。
[話題転換に特に違和感を感じることもなく、素直に思ったことを口にした。
浅い仲で終わるならそれまでだが、関係が深くなっていく度に不便度が増していく気がする。
というより、深い仲になれば見る機会が増えると思うのだが。
何故か少しだけよそよそしさを感じる中、ブラックコーヒーを啜る。
こんな話をしていたからか、少し甘い気がした。*]
不便?
[思わず、意図を読みきれなくてそのまま言葉を返してから、数秒後に嗚呼と納得した。
たしかに不便だ。不便だし、なんというか、その。]
確かに、メイクしたまま寝るわけにいきませんし…一緒に寝られないのは不便ですね。
お風呂あがりにまでメイク…なんて、流石にちょっと旅行でもない限り嫌ですし。
……思った以上に、不便かも。
[また一つ、サンドイッチに手を伸ばす。
一口食べて咀嚼しながら眉を寄せた。
しかし、自分の場合は大分人相が変わってしまう。
男顔がコンプレックスで、それでも平凡な顔立ちだからメイクをすれば女性らしい顔に変化できた。
だから、メイクは欠かせない。自分の中の女性性を守るためにも。
だけど、そう。
……不便ときた。寂しさよりも。]
ううん。どちらかと言うと私の問題である気がしてきました。
素顔か……素顔。
ディーターさんになら、見せても良いかな?
[ざくり。フォークでサラダを突き刺しながら笑って見せた。
いや、見た事があるのだけど。
見せてもその後、変わらなかったからこそ軽くそう話題にできたのだ。
お、女として見られてないから大丈夫なんだ。なんて、悲しい予測は総スルー。]*
[微妙な反応から察するに、少し変な考えだったらしい。
付き合う、というのはそういうことではないのだろうかと思ったわけだが、違うのだろうか。
少なくとも、自分とメルクーリオが付き合うと仮定した場合……いや、自分は不便さ感じねえわ。メルクーリオが感じるかどうかだわ。]
無理して変える必要はねえと俺は思うぞ。
化粧をするのが好きなのか違うのかは知らねえけど、それ含めてメルクーリオだろ。
[一応、責めてるわけではないと弁明を挟みつつ。
サンドイッチにかぶりつこうとして固まった。
さっきの話題からのその言動は、さてどう受け取るべきなのか。]
…………勘違いされるような発言は慎んだ方がいいぞ。
[一般的な忠告のように聞こえるように努めて言ってみた。
その、なんというか、反応に困る。*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新