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― 回想/教会 ―
[少し、楽しみです。その言葉に嘘はないようでフリーデルの口元には淡い微笑み>>152。
まだ花を植えると決めた訳ではないのだが水を差すのも忍びなかった。]
そうですね、春になったら植えましょうか…。
[まず思い浮かんだのは、リゼットが言っていた金色の花。だが、肝心の種類が分からなければ植える事も出来ない。
そういえばフリーデル自身の意見を聞きそびれていた事を思い出した。]
今度、ヤコブさんのところへ種を貰いに行こうと思うんです。
良ければ、一緒に来て下さいませんか?
[その際、フリーデルはどの花を植えたいのか訊ねよう。
ついでに昔の裏庭はどんな様子だったのか話しを聞いてみようか。]
― 回想/→宿屋 ―
[それから、ニコラスとフリーデルと共に宿屋へ移動した。
シモンが出迎えてくれた>>164。接客モードに真面目腐って深々とお辞儀をする。]
お世話になります、シモン。
……ええと、まあ。
[顔を上げるとシモンが着用したひよこエプロンが目に入る。視線を上げれば、赤く染まった頬。ついエプロン姿のまま出てしまったのだろう。こちらまで照れくさくなってしまって、何と声を掛ければ分からず言葉が詰まった。
だが、フリーデルの「可愛い」という言葉に軽く吹き出してしまう。慌てて口元を抑えるが、シモンがそれに狼狽する姿がそれのまた可笑しいったらなくて、先程までの重たい空気にも関わらずつい頬が緩んでしまう。]
ふふっ、フリーデルさんの言う通りです。とっても可愛いですよ?
愛用しているということはシモンも気に入ってるんですね。似合ってますよ。
[口元が笑っているのは隠し切れていない。フリーデルの後に続きシモンを横切って談話室へと向った。]
[ジムゾンから何か返答はあっただろうか。
ふと外を見ると、雪がいっそう激しく降っていた。
農場までは少し距離がある。
これでは帰れないと判断し、泊まっていくことに決めた。
今の季節、畑には何も植えていない。
温室の野菜は気になるが、明日の朝、早くに帰ればいいだろう。]
シモンさん、部屋をひとつお借りしてもいいですか?
[女主人から宿屋の留守を預かっている負傷兵に声をかけ、同意を得られたなら鍵を受け取って、与えられた部屋へ向かっただろう。]*
―回想・二年前―
[リゼットの故郷は、白銀の村から山を幾つも越えた地にある僻村だった。
貧しかったけれど幸せな時は、あっという間に過ぎて。
数年にわたり続いた凶作と戦に少女の村は疲弊し、貧困に喘ぐ両親はリゼットたち姉妹を人買いに売りとばしてしまう。
両親に裏切られ棄てられた絶望と、
人買いに奴隷のように扱われる過酷な旅に、
もともと身体が丈夫ではなかった姉は、日毎に心身を病んでいった。
毎日のように酷使され、打たれ、罵倒されて。
心を病んだ姉に運命を呪う言葉を聴かされ続けても。
それでもリゼットが耐えられたのは、大好きな姉を――家族を助けたいと願ったからだ]
[けれど、過酷な旅に少女の心は擦り切れていき。
――やがて、転機が訪れる。
新たに少女を買い入れる為、物資の補給が必要となった人買いが、
リゼットに暫くの間、自分を『伯父』と呼ぶよう命令したのだ。
人買いであることを隠すため、彼は人前では姉妹と血縁の振りをする。
つまり、彼の言葉はもうすぐ人里に出るということを意味していた。
久方振りの休息に、人買いたちの気も緩んだのだろう。
夜には商品が逃げ出さないよう立てられていた見張りが、居眠りをしていたことに気付く]
[今すぐに逃げ出して、人買いたちよりも早く村に着くことが出来れば、自由になれるかも知れない。
突如降って湧いた希望に、リゼットは熱に浮かされたように。ふらり立ち上がる]
『――リゼット?』
[眠っていた筈の姉の声が聞こえた。
けれど、少女は振り返らない。
振り返ってしまえば、もし、姉の絶望の眸を見てしまったら
もう走り出すことなど出来なくなるから。
――こうしてリゼットは姉を見棄てて、独り逃げ出したのだ*]
[己の中には願いや理想が存在しない。そんなことを何度も主張すれば、現実味が薄れていくような言葉だが、紛れもない事実である。
だからこそ、己におすすめというものを聞いてくるお客は手に余ることが多い。この村で言えば、エルナは特に、店主のおすすめを聞きながらゆっくり買い物を楽しむのも趣味である>>126らしく、別段苦手に思っているわけではないのだが、期待にそえていないと感じることが多かったりする。
もちろん、お勧めを聞きたいという望みは理解しているため、その要望には応えようとするのであるが、如何せんお勧めできるものが何もない。パン屋に置かれているパンは、全て自身の望みで創り出したのではなく、他人の理想を借りて生み出したものだから。その価値は自分では計れないのだ。]
中々に、難儀なものだね。
[特に誰に聞かせるでもなく、呟く。
とはいえ、彼女がパンの味に満足してくれているらしいことは分かる。だからこそ、ここに自身のパン屋としての欠点が浮き彫りになる。他人の理想を借りることしかできない自分には“期待通り”には為せるものの、決して“期待以上”の提供はできないのだ。味に満足されている以上は、それ以上のおすすめなど自分には導けないのかもしれない。
と考えつつも、それが癖になりつつあるのか、相手のおすすめを聞きたいという期待を自分のものにする術を模索するのだった。]
―談話室―
[談話室に入ってきた神父に気付き、小さく頭を下げた。
そして、何かを思い出したように瞬いて]
……そうだ、神父様。
昨日お話した、花の名前、思い出しました。
多分、コルザです。
[宿への道すがら、思い出した金色の花の名を神父に告げる。
けれど、その名はリゼットの故郷の村での呼び名だったから。
山を幾つも越えた白銀の村の住人に正しく伝わるだろうか]
[そっけない答え>>243にくすり。短い返答だったが、今ではそうではない事は伺えた。
…も似たようなものだ。ペーターが抱えている絵本の表紙によく似たものを読んだ事があった。その絵本に描かれた人狼を見て不思議と恐怖よりも憧れを覚えたんだったか。
多くの子供が物語の狼や悪人に恐怖や憧れを抱くものだ。だが、命が危険に晒されれば話しは別だ。人は恐怖の対象を必死に排除にかかる、それだけだ。]
でも、そういう時期もあったんでしょう。
まだまだ彼等は子供ですから。ね。
[でも、リゼットやペーターは違う。
絵本でも読んで怖がっているだけだ、と。人狼に怯えている子供達に聞こえない程の声で言う。]
[思い出した、という事はリゼットは記憶からその花の名を引っ張って来たという事だ。
何処からコルザの名を見つけ出したのだろう。]
思い出の花なのですか?
[控えめな声でそう訊ねる。]
そっか。……こっちでは菜の花って言うんですね。
[向けられる神父の笑顔に、少女もまた微笑を向ける。
それは鏡合わせの、偽りの笑顔だったかも知れない。
そして、思い出の花なのかと問われれば、微かな逡巡の後]
……はい。
とても、大切だった人との思い出です。
[懐かしむように答えた。
姉と並んで、陽光照り映える黄金の花をいつまでも眺めていた幼い日の記憶。
花の名を思い出せなかったのは、姉を見棄てたことへの罰の一つか]
―深夜・白い森―
[宿屋の灯りもすっかり消え、人々の寝静まる宵のこと。
建物の裏手へと広がる、樹氷の中へと男は歩を進める。
待ち合わせはそう宿屋から離れない、少しだけ開けた場所。
人の足跡の極端に少ないそこに、既に、特徴的な金髪を備えた男――ゲルトは佇んでいた。
待ち合わせは、そこで。と、伝えた通りの場所に、月を見上げている彼の人の姿を見れば、渇いた喉を湿らせるように、一度鳴らして。]
――…よお。
[片手を上げれば、振り向いたゲルトの後ろに、深く抉られた無残な樹氷が聳え立っているのが見えた。]
――…あァ、それさ。ひでえもんだろう?
[ゲルトを森の中へと呼び出すときに囁いた口実はこれであったのだ。……たった一つ、聞きたいことを聞くためだけに。]
……どう、思う?
[問いかけは、だから、ただの戯れにほかならない。
口調も常と同じく。ただ、何時の間にか男がゲルトを見る目が、人が家畜を見るもののそれに似たものに変化していたというだけ。]
『人狼は…いると思う。』
[暫く後に、返事が返ったなら口の端を吊り上げて、嗤う。
暗い闇の中、ゲルトにこちらの表情は届いたか、どうか。]
[それから、どれだけ過ぎた頃だろうか。
一方的にそれじゃな、と手を振るとゲルトとは別れたのだった。
裏口から静かに宿へと戻れば、もう一度寝にかかるつもり。]**
[その後も暫く村人たちと言葉を交わし。
シモンの手による夕食を遠慮がちに食べると、この日はパメラの家に戻ることなく、宛がわれた部屋のベッドに潜り込む。
――今日は何もしなかったから、明日こそは雪かきをしないと。
為すべきことを考えるうちに、リゼット意識は眠りの園に落ちていった**]
そうですか。…思い出せて良かったですね。
[どうにか声を掛ける事がそれしか出来なくて、
暫く間を置いてから。]
春になったら、植えてみますか?
きっと夏頃にはたくさんの菜の花を見る事が出来ますよ。
[それだけ提案してみせた。]
[パチパチと炎が爆ぜる音だけが響く中、暖炉の側に置かれた椅子に座る…とリゼット。
雪に閉じ込められて不安がっているのか、談話室の空気は緊張していたが。顔と顔を突き合わせて昔の思い出をしのぶふたりの間には淋しくも、それでいて穏やかで満たされているような空気を感じた。
耳を澄ませても、薪が割れる音や幾人かの人々の会話が聞こえてくるだけ。
とても、静かだった。**]
― 宿屋談話室・回想 ―
俺がリゼットを?
[自分としては唐突に投げかけられたように感じる問いかけ>>236に目が丸くなる。
だがすぐに少女の真意を探るように鋭さを増した視線で、鷹揚に頷いた。]
分かった。そのときが来たら、俺が全力で助ける。
[己が年上であると上から目線で答えることなく。かといって年下であるリゼットを軽く扱うこともなく。同じ村に住む仲間として対等に返答する。
リゼットの”だから”の前には、”恐怖に潰されてしまった人間も恐ろしい。”があると解釈している。
どんな理由で、何を望んでこんなことを言い出したのか、リゼットとの会話からは読み取れないものの。自分に託された思いは応じる。
その気持ちを、真剣な言葉と仕草と表情に込めた。]
― 宿屋玄関・回想 ―
[ふと気がつくと、自分のエプロン姿に友人のジムゾンまで言葉を詰まらせている。
おい、何でお前が絶句しているんだよとの言葉を口に出す前に、フリーデルが放った”可愛い。”に噴出す声が聞こえた。]
あ、あのな。
男が……ど、同性に可愛いって言われても嬉しくねーんだよ!
[更に頬の赤みを増して、唸るような口調で文句を言う。
途中で少し返答が途切れたのは、単に”男が可愛いと言われても”と言うと、フリーデルがショックを受けるかもしれないと思いつき、急遽”同性に”と付け加えたからだった。]
愛用しているのは――まあ、そうなんだけど。
[口元に笑みを向けるジムゾンをじと目で見つつ―意味は”お前、あとで覚えておけよ?”―その言葉の一部は肯定したあと、最後に談話室に移動した。]
…っ
[天候のせいか、酷使したせいか、不意にきしりと痛む右肩。
夜を迎えるのはいつも憂鬱だった。
眠ればまた夢を見るかもしれない。
けれど、休息を求める身体に抗うことはできない。
観念したようにベッドにもぐりこむと、そのまま眠りについた。]**
― 宿屋厨房 ―
[オットーから受けたアップルパイ作りの指導>>240は、実に的確なものだった。プロならではのコツを付きっ切りで教えて貰えたのは、僥倖だったと思っている。
黄金色に輝くパイが焼きあがったとき、大げさな言動をするつもりなどなかったのに、思わずおおーっと歓声を上げてしまった。]
凄い!これは思っていた以上の出来だ。
オットー、教えてくれてありがとう。
[お菓子作りは経験あっても、素人の自分の予想よりも上手く仕上がったので嬉しく思っている。それを素直にオットーへの感謝に込めた。
厨房に向かっている間にエルナが宿屋に到着したようだ>>239。
林檎とシナモンの香りに気付いたとき、彼女がどんな表情をするか、実に楽しみである。]
[夕飯を皆に振舞ったあとは、ゲルトに手伝ってもらいながら片づけを行う。
礼を言って談話室を辞するヨアヒムに、”どういたしまして。”と返事をした。
急に宿屋に来る人が増えたので、むしろ献立を決めて貰えて助かったと思っている。人が多いところは苦手というヨアヒムを引き止めることなく、背中を見送った。
そのあとはいつものように温泉で温まって、軽く雑用を片付けてから眠りについた。]
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