
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ

今から数年前。ある村が人狼に襲われた。
その村は何とか人間の勝利に終ったが、ギリギリまで追い詰められた。
戦争帰りの負傷兵もその一人。
運の悪い負傷兵は、帰って早々に騒ぎに巻き込まれ、
人狼に襲われ、かなり帰らぬ人となった。
その直前に、誰に会っていたのか、何の話をしていたのか、それを知る者はいない。

戦争帰りであったその負傷兵はまだ若く、未来もあった。
それまで兵として働いていたため、女っ気は全くと言っていいほどなく。女の扱いなどは知らなかった。
また、要らないとさえ思っていた。
――自分は兵として生きるんだ。
そう思っていた。
本当に戦地に送られるまでは。

戦場は想像以上に壮絶な場所だった。
辺り一面の血の海
足の踏み場もないほどの骸
叫び声
銃声
自分の手で消えていく命
何もかもが壮絶だった。
ここはこの世から外れた場所か。地獄か。
そう思えるほどに。
そう思わなければやっていられないほどに。

だから返って安心した。
自分が負傷し、生死の境をさまよったことに。
役立たずだと言われて、帰された時に。
もうここには居たくない。
気が付けば、彼は戦地に赴く前とは考えが変わっていた。
もう人を殺したくない。
何よりも、死にたくなかった。
しかし生き残ることにより、彼はもっと辛い思いをしなければならなかった。

彼はそれまで一緒に暮らしていた友人や、上司を一気に亡くした。
何故自分は生きているのだ。
彼は自分を責め続けた。
彼は自殺をしようと試みたが、どうしてもできなかった。
臆病で弱虫な彼は、自分を傷つけることができなかったのだ。
そうこうしている間に故郷へ返されることとなった。

最早何も考えたくない。
考えないために、彼はわざと調子を高くしていた。
少しでも辛いことは忘れられるように。
無理矢理明るいフリをした。
それでも心の奥底で思うことは只1つ。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
★
★
★
★
★
★
★
★
★
★
★
★
★