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[だからこそ、ここで躓きたくはない]
んー……
[男はぎゅうっと目を閉じ、腕を覆う唐草へと意識を向けた。
ちょうどよく窓の外からピチュピチュと鳥のさえずりが聞こえてくる。
──本当に、ちょうど、いい……
男の集中に応えるように鈍色の唐草はその腕から背へ流れるように集束し、最も古い鉱毒で刻まれた鳥の図へと絡み付く。
背中の鳥をくびり殺しても、窓の外の鳥の声は止むことがなかったが、それでも唐草は満足したらしい。
男の目からは見えない唐草であるが、今頃はおそらく背の中で仕留めた鳥を啄んでいることだろう]
──ふぅ
[
まあ、今はそれよりも]
…………ぃたい
[鳥の絵図を啄むということは、男の背もまた啄まれているのである。なので痛い。
普段はつねられる程度であるのだが、緊張からか力加減を誤ったらしい。だから痛い。
出来ているのは小さな生傷程度だろうけれど、布で擦れると結構痛い]
止血してもヒリヒリしそうだなぁ……
[自業自得であるけれど、溜め息を吐かずにはいられない]
[血が止まったら軽く身体を拭いて、なにかを腹におさめようなんて]
……焼き鳥、食べたいな。
あるよね屋台。
[鳥は嫌いであるけれど食える鳥は別物だと、男は未だ囀ずる鳥がいる窓の外へと目を向けるのだった**]
???
[よく分からない状況に首を傾げる。いやのんきに傾げてられないのだが。
目が覚めたら、なんか周りを取り囲まれていた。何故だ。会場に近寄り過ぎたら怒られただろうが、ここならまだ安全圏だった筈だ。力がバレて捕まりかけたことは幾度もあるが、力さえバレなければ大丈夫だった筈なのに。]
えーと……誰?なんか用?
[とりあえず聞いてみるけれど、返ってくるのは馬鹿にしたような笑いだ。
あ、ダメなやつだこれ。
逃げられるものなら逃げたいが、生憎青年の能力は回復魔法に特化していて他にできることがある訳ではないのである]
[実際に捕まってみて分かったのは、青年の力がバレた訳ではないらしい。それだけが救いだろうか。まぁなんか奴隷商とか男娼とかいう単語を聞くにあんまりいい状況ではないのは確かだが、戦争地域に放り込まれるのとどちらがマシか……うん?マシかな、それ?
あと男の言葉の言い回しを聞くに、アーケシアの人間ではないようだ。多分ゾラント?ゾラントの国境地帯にいたし、ゾラントなのだろう。怖い国である]
ゾラント側には行きたかったけど、こういうかたちじゃなかったんだよなぁぁぁぁぁ。
[後ろ手に縛られて森の中を歩かされ、溜息と共に吐き出すとよかったじゃねぇかと笑われた。笑い事ではない。]
でさぁ。魔力遮断の布とか手に入んない?俺、あれ欲しいんだよねぇ。
[普通に話しかけたのに黙られたのはなんでだろうか。でもなんだかんだで移動中は暇だったんだろう、入手が割と大変そうなのは教えて貰えた。ついでにそういうのが欲しいなら奴隷よりは男娼の方がいいか?という空気になりかけるのだが。嫌お断る。]
俺、上司とかいるの向かないよ?
[人買いに納得された。解せぬ。
移動は森の中を、砦とは違うルートがあるらしい。ザルすぎないかな。まぁそんな感じで、意図せぬながら国境を越えて、今日はゾラント側に一番近い町近くで野宿するつもりのようだ。
逃げるならそのタイミングだろう。特に抵抗もせずに捕まった青年に油断している今がチャンスの筈だ。たぶん**]
[森の中にも警備の兵があちらこちらにいて邪魔だったので、砦から少し離れた場所をそぞろ歩く。
さすがにこの辺りなら誰もいないだろうと思ったが、うっかり人影と行き会った。>>24
身なりからしてアーレシアの森林警備部隊だろう。
鼻先が黒く見えるのは錯覚か、と目をこらしたところで、相手の顔が記憶と繋がった。]
そこにいるのは、我が友カスパルではないか?
なんだ。まだ人間をやっていたのか。
とうに狼か熊にでもなっているかと思っていたぞ。
[出奔する前の知り合いに会うのは覚悟していたが、これはまあ、珍しい部類の相手がいたものだ。*]
[ 随分と打ち解けた口調で呼びかけられた。>>35
もう10年かそこら会っていないというのに屈託のないことだ。
続く言葉に、手のひらで口の辺りを覆う。
犬の鼻面になっていると、いささか喋りづらいので戻しておいた。]
生憎と、まだです。
[ 猫にでもなって一日中、寝ていたい…とは度々、思うのだけれど、人間やめるほど今の生活は悪くない。]
[ 家柄も成績も抜群だったのに、出奔してしまった彼の方こそ、見た目はともかく、いろいろ変遷を経ていると思うのだが、どこまで聞いていいものか。]
クロ君──と今も呼んでいいいんですか。
[ そんな探りを入れてみた。*]
……え、嫌だけど。
[それは男が焼き鳥にありついてからどれくらい後の事だったか。
バターで練った芋粉を丸めて揚げた減量中の人間からしたら悪夢のような食べ物を包んでもらってホクホク顔の男の前に、見覚えのある馬車が停り──…中からはやはり見覚えのある青年が現れた。
こちらに怯えを見せつつも、男に馬車に乗るよう促す青年への返答が前述のものである]
[なにか言いたげ──…いや、怒鳴りたげに口をぱくぱくさせながらわなわな震えて首を上下させようとする青年の頭を、男は撫でるように抑えて]
君とはよい縁とも言えないんだし、
用件もわからずついていくわけないでしょ?
[さあ、用件を吐けと促した]
[そうして、軽い概要を耳にすれば、男は早々に馬車に乗り込み、さっさと出ようと護衛の青年を急かすのだった。
先程までとの態度の違いに、青年はポカンとしているのだが、男にとってはそんなものは知ったこっちゃないのである。
急ぎの用なら最初からそういえばいい]
今、国境跨いで誘拐って、それもう"黒"で扱っていいんじゃないかな?
[往来の安全に最大限配慮しつつ速度を上げた馬車の中、男は簡単な概要の詳細な内容を書面で受け取り、解決済みの誘拐事件に目を通しながら呟けば。
「それはそうですが──…」
そんなことはわかっていると、対面から声がかかった]
["誘拐事件が起きた"時点で国家間の感情は悪くなる。
せめて和平交渉が終わるまでは誘拐があった事自体を隠したい。
さらに言うなら、被害者を穏便にアーケシアに送り届けられればいいのだが。
隠蔽を選ぶ以上、加害者への処罰も追求も先送りになってしまう。
交渉が終わるまでとはいえ、誘拐被害者を加害者のある国に一人放り投げておくわけにもいかないのだ。
監視役、護衛役、そしてアーケシアに繋ぐ役として考えるなら、この街を治めるものが取れる手段の中で最善なのはおそらく──…]
うっわ、面倒くさい。
["最善"もそれを察してしまったのだろう。
ぐぬっと眉を寄せ、飾らぬ本音を漏らしてしまったのだが──…
馬車引く馬に、男のぼやきは届かない。
やがて男と青年を乗せた馬車は、街の門に併設された衛兵詰所に着くのであった**]
そうか。
犬にでもなっていたら飼ってみたかったが、残念だ。
[見下すでもからかうでもない、本気の口調で言う。]
しかし、君が本気で動物に化身していたら、
おそらく見抜けないだろうな。
人間の君と出会えて良かった。
[友と再会するのは想像よりも嬉しいものだなと、頬を緩めた。]
もちろんだとも。
君にそう呼ばれると、俺の心が浮き立つようだ。
元気そうで何より。
その格好、会議の警護か?
[愛称呼びは、10年の歳月を一気にゼロにする。
距離を探るような旧友の内心など知らず、屈託無く問うた。*]
[ 再会を嘉するクレステッドの言葉に、笑みを向ける。
彼が出奔した後、どんな人生を送ってきたか、知らない。
けれど、和平交渉の場にいて、こんな風に挨拶を交わせるのならば、彼も両国の親睦を望んでいるはずだと思った。
飼ってみたい云々はリップサービス(?)と取っておく。]
クロ君も、才能を活かせる場を見出したようで何より。
ああ、警邏中です。
問題があれば、知らせてください。
[ 仕事の話に律儀に答えておく。
クレステッドが単独でこの場にいること自体、いくらか謎であるが。]
まだ見廻りたいところがあるので、また。
運が良ければ、会談の後で、また話せる時間があるでしょう。*
6人目、呪術師 ベルガマスコ が参加しました。
呪術師 ベルガマスコは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
― 森の奥 ―
けしからん。けしからん。けしからん。
アーケシアとゾラントが融和だと?
あのような凡愚共の国は、死ぬまで殺し合えば良いのだ。
儂に魔法の力は無いなどと愚弄した連中等、全て滅び絶えてしまえ。
[うっそうと茂る木々の葉で幾重にも日光が遮られる森の奥、茨の棘に囲まれた薄暗い場所に、奇妙でいびつな祭壇が築かれている。
祭壇の前にずっしりと座るのは、体中に重たげな装身具を身につけた男。
呪詛と呪言と恨み言を尽きることなく呟き、合間に目の前の火へ怪しげな物品を投げ込んでいる。
ひとつ投げ込まれるたびに煙が不穏な色に染まるが、奇妙なことに煙は空へ昇らず、地を這うように広がっていた。*]
村の設定が変更されました。
邪悪な呪術士ベルガマスコが、交渉を決裂させんと、呪詛の力で会談の場に魔空間を召喚しようとしています。>>46
この邪悪の元凶を倒さない限り、悪影響は両国に広がるでしょう。
遺跡とその周囲が、危険な罠やモンスターが待ち構えるダンジョンと化す中、君たちはどう行動し、何を想うのでしょうか──
/*
定時(本日23時)開始にセットしました。
邪悪な呪術により、周囲は魔空間と化してゆきます。
トラップやモンスターなど、適宜、演出してください。
呪術士を倒しても構いませんが、魔界化した世界が元の状態に戻るのはエピローグになってからです。
それでは、またとない物語をつづりましょう。
ふふ。俺も周辺を見回ってみたが、異常はなかったぞ。
[胸を張って言うが、だいたいは そぞろ歩いていただけだ。
異常があるというなら、会談ももうすぐだというのにどこかほっつき歩いている奴がいると気付いた、顧問団の連中の方だろう。]
ああ。酒の一杯でも飲めることを期待しておく。
会談がうまく運べば、晩餐会にでもなるだろう。
君は警備かもしれないが、
なに。抜け出してくるのは得意だ。
[退屈な晩餐会など抜け出して会いに来ると約束して、彼と別れる。*]
[青年は今現在衛兵詰所でぼんやりしていた。
誘拐されたとはいえ光の速さで解放され、特に酷い目に遭うこともなく目的であった隣国に入り込めたのである。ラッキーとしかいえない。せっかくだからちょっと外を見てきていい?と聞いてみたけれど、何やら色々言っていたが端的にいうとダメということだろう。
彼をこの町の外まで連れてきた誘拐犯達はどこかに軟禁されているらしく、姿は見えない]
あの人たち、どうなるんです?
[なんだかんだお喋りしていたし、彼らが殺されてしまったりするのはなんだか寝覚めが悪い。なんせ彼らが捕まったのは、町が視界に入る位置で野宿という段になり、保存食を渡されたのだが。
せっかくだから美味しいものが食べたいと主張しまくったら、一人町まで何か買いにいった先で捕まった、という経緯だったりしたので。え、これ悪くないよね?]
あのー。いつまでここにいれば……?あ、勝手に自分で帰るので!放っといてくれて大丈夫だよ!
[最初は緊張もしていたが、放っておかれすぎてもはや退屈である。
窓から逃げられないかなぁ、なんて視線を動かしたら護衛という名の監視役なのだろう、すすっと場所を移動して窓近くに立たれた]
はぁ……
[せっかくここまで来れたのに、当初の目的は果たせないようだ。天井を見上げて息を吐く。せめて時間を潰せるものが欲しいな、なんて。のんきなことを考えつつ時間が過ぎていく。
どうしてここに留め置かれるのかが分からなかったけれど、それは誰かを待つ時間だったらしい。外で馬車の停まる音と話し声が聞こえる。
せめてなんで待たせるかの説明くらいしてくれてもよかったんじゃないだろうか。お腹もすいたし。
あれこれ怒ってもいい場面なんじゃないだろうか。ドアを見る目に、そんな不機嫌はちょっと乗っかっていただろう*]
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