耐え切れそうに、ないから。兄妹して、酷いことをしてますね。私たちは。[いっそ楽になれたら。そんな思いも皆無ではなかった。けれど同じだけ、彼にその苦しさを押し付けたくないとも思う。6年間、忘れ去られていたわけではないとも知れたから。眦に何かを湛えて、顔を上げた]……はい。戻らなくても前と同じように、なんて。そこまでの我儘は言いません。言えません。これが、最後、でも。[忘れる。その一言は重く、胸が苦しかったけれど。受け入れる、と頷きかけて。浮かべられた笑顔に途中で止まった]