嵐が去った後の部屋。 灰色だった壁は、真っ暗に染まっていた。 ここにはもう用はなくなった。……ついに。 ――…公国の人間があの子に何をしたか、 忘れたことはなかった。 でも、同胞が同胞を殺すこともあると、知っていた。 母が父を殺したように。 ……今ここで、母の息の根を止めたように。**