……私も、この腕の中に君がいるのは本当に――……夢のようだよ。けど、夢じゃない。[自らの存在を示すかの様に、少女の体躯をほんの少し強く、抱きしめた。再び告げられた「だいすき」の言葉が、男の耳へと甘く優しい呪いをかける。それはまるで、彼女への気持ちをずっと秘めていたねぼすけ狼を目覚めさせる――、魔法のお呪いの様で]……私もだよ、ミーネ。君をずっと、離さない。離させない。[目覚めた狼は目を伏せた少女の横顔へと、そっと、鼻先を擦り寄せるのだった]