ふざけるな。
[他人に立ち入らないことをモットーとし、更に年上に対していつも従順な青年にしては、本当に珍しいことに。
感情を押し殺すような、低い囁きを返した。]
おれはあんたの事情は知らない。
だけど、これだけは言わせてもらうぜ。
手前ェがやるつもりがないことを、人に勧めるたぁどーゆー了見だ。
あんたは仲間が必要ないのか。
それとも、最初から裏切るつもりで話に加わっているのか。
そこんとこ、ハッキリさせてもうらおうじゃないか。
おれには守りたいものがあるんでね。
[狼の姿ならば、完全に威嚇の姿勢に入っていただろう。
歯を食いしばり、ヴァルターの方を睨みつけるように強く視線を向けた。]