[お前はその二人を見ただろうか。
お前のそれとは少しばかり色が違うが、銀の髪をした男がいる。
生き物とは遠いかたちではありながら、いや、違うな……それもまた、一つの『歩む形』ではあるだろう。
そうしてもう一人の黒い男は、いかにも人畜無害な顔で、戸惑いがちな様子であるが――…
そうだな、両方とも、『そう』だ。]
……あんたたちは?
[その耳に届くか届かないか――…
静かに、お前は『語り掛ける』。
“ひと”の耳は、それほどよくは聞こえないものだ。
けれども、もしも“かれら”なら、聞こえることもあるかもしれない。
応える声はあったろうか。
もし未だ応えが返らずとも。
お前は、気にすることもなく、再び目を閉じるだろう。]*