あー、うん。
綺麗、の基準って人によって違うし、妖によっても違うから、冥狐のおにーさんの綺麗と俺たちの綺麗が同じじゃないかも、っていうのはあるよねぇ。
[特に妖の美意識というのは、本当に根底が違う事もあるから、多岐に渡る、なんて言葉じゃ納まらない]
そう、考えると……案外、綺麗の基準とかはかんけーないのかも。
[だとしたら、その言葉は何を意味するか……と。
そんな事を考えながら進んでいると、仔龍がきゅー、と鳴いた]
どしたの、リォウリー?
[しったぱたと落ち着きなく尻尾を振る様子に短く問えば、瑠璃の仔龍は今までとは違う方を尻尾で示す]
……あっち?
あっちに、人の気配?
[言いながら、首を傾げる。
仔龍の見やる霧の奥に、時の異邦人がいる>>+50とは、知る由なし。*]