そういえば……せんせいの技───誰かに教えたり、しないんですか?[何年も同じ部屋で暮らしていれば、見えてくるものがある。 声を掛けたり、物を投げ渡したりした時の、何気ない仕草、 昨日の練武場でペイント弾を叩き落としたような妙技。 いつもシロウが実技演習で教えているのとは どこか違う系統の、技の気配。]せんせいが本気になったら、すごいんだろうな。[憧れと畏怖の相半ばする視線を、シロウの顔に走らせた。]