[胸に走る傷は思いの外深い。はたりはたりと、零れる紅はすぐには止まりそうになかった]─── ホントに化け物だったなんてね。[愉しいと哭く獣を睨め、笑いながら後ろへと距離を取る]本当に[一度深く深呼吸すると、ナネッテは右手を持ち上げ、右耳の耳飾りに触れた]壊されそう[手の中でしゃらりと音が鳴る]でも……