[「だとしたら、誰が」と呻くように口にしたヨセフの苦悩を思う。犯人がモンテリーの関係者であれば、ディークを捕まえた時点で、自白がとれたと宣言して処刑してしまえば済むのだから、彼が真犯人を庇っているというのでもあるまい。彼自身の正義感の強さと誠実さゆえに、現状に苛まれていそうだ。] 俺の無実を確信できるのは真犯人だけだ。 [ロー・シェンでさえ、「犯人ではない」と断言はしなかった。]