[痛みを堪えて放った蹴りには、鎖が受けたとは違う手応えがあった。>>*58骨を覆う人の肌の独特な弾力を感じ、横壁へ力が向かう様に振り抜いたのだが] …っ、!?[刹那、上へと弾き飛んだ少女の身体に息を飲む。交差していた腕で飛ばされる方向を調整されたとも思えるが、微かな違和が拭えない。それは先の、鎖を防いだ”何か”にも繋がる様にも思え] …ふ、[けれど確定する材料にまで至らぬ己に生じた焦りを、吐息に逃がした]