んなろっ!!
[フェイントに引っ掛かった悔しさと、頭上を越えられる屈辱に思わず声を上げる。
だが無論、黙って見過ごすつもりはない。
身を低くして屋根を蹴りつつ、固めた空気を自身の背中にぶつけることで更に加速して、相手の足元から素早く抜け出す。
左手が屋根についた瞬間重量を空気抵抗に負けぬ程度にまで軽くして、手を突き放す勢いで身を反転させる。
相手の想定よりも素早く身をこなせたのなら、一瞬なりとも背後を取れる位置関係となる、はずで]
そこだぁっ!!
[狙うのは相手の足首、どちらかより低い方があるならそちら側。
尻を着いた状態から左手と両脚の力で跳ね上がりつつ、右手に握った槍を右下から上方へ、半円状に大きく薙ぐ軌道で振るう。
速度と高さを出すための片腕での一撃は、必然的に軽くもなるが、相手に届かせるは叶ったか*]